獣医師であるブログ管理人が
犬の攻撃行動の一つ、所有性攻撃行動の意味と対処法について解説します。
⇒プロフィールと当ブログを作ることになったきっかけ
犬の所有性攻撃行動について
攻撃行動とは?
・噛み付く
・噛もうと威嚇する
・歯をむく
・唸る
などの攻撃的な行動のことです。
攻撃行動にはいろんなタイプがあります。
・恐怖性攻撃行動(恐怖がマックスに達して起こす攻撃行動)
・転嫁性攻撃行動(攻撃したい相手以外に攻撃してしまう)
・所有性攻撃行動(今回解説する対象)
などがあります。
犬の所有性攻撃行動とは?
所有とは『自分のモノ』のことです。
だから所有性攻撃行動とは自分のモノを守るためにする攻撃行動のことです。
・食器
・おやつ
・おもちゃ
・盗んだもの
・食べ物
などを守ろうとして攻撃行動に出ます。
ちなみにおもちゃとか食器を取られそうになっても
攻撃行動に出ないのに
自分の食べ物を取られそうになった時『だけ』攻撃行動に出る場合、
『食物関連性攻撃行動』と分類されることもあります。
ただ基本的には愛犬が大切にしているものを
奪われそうになった時にやる攻撃行動であることに変わりありません。
誰だって自分が大切にしているものを
奪われそうになったら起こりますよね。
気持ちは理解できると思います。
ただ、自分のものを取られそうになった時に
相手に噛み付くなどしたとしましょう。
そして噛み付かれた相手は取るのをやめたとします。
すると愛犬は「自分のモノを取られそうになったら
噛みつけばいいんだ」と学習します。
こういったことが続くと
所有性攻撃行動がエスカレートしていくことがあります。
もし愛犬の所有性攻撃行動が手に負えなくなってきたら
どう対処すれば良いのでしょか?
犬の所有性攻撃行動の改善方法
あなたが所有性攻撃行動の対象になっているとしましょう。
愛犬が所有していると思い込んでいる何を
取ろうとして、攻撃行動が起きましたか?
例えば愛犬のおもちゃだったとしましょう。
少なくとも愛犬が近くにいるときに
所有制攻撃行動の引き金になっているものを
あなたが取るのはやめましょう。
これが一番重要です。
もしどうしても原因になっているモノを
取らないといけないなら
愛犬にご褒美を与えてください。
ご褒美と取りたいモノを交換するってことです。
できれば取り上げようとしているものより、
愛犬が喜びそうなものをご褒美にしてください。
例えばおもちゃを取り上げる代わりに
愛犬が大好きなおやつを与えるみたいな感じです。
また愛犬がおもちゃのボールを咥えているとしましょう。
「もし飲み込んだら喉に詰まるかも」
と思ってもご褒美なしに愛犬の口に入ったボールを取り上げるのは危険です。
愛犬が攻撃行動に出るかもしれませんし
最悪の見込んでしまうかもしれません。
そうならないために普段から
「放して」といった号令とともに
おやつなどのご褒美を与えて愛犬の大事なものと
交換できるように躾けておきましょう。
愛犬の口の中にボールなどの物が入ってても
おやつなどのご褒美を見せたら、
勝手に落としてくれて問題なく交換できるようになるのが目標です。
これは何度も繰り返すことで
できるようになると思います。
なぜなら愛犬にとって大好きなものと交換できるからです。
人間だってそういった交換条件だったら言うことを聞くでしょう。
それと同じことです。
後、取られて困るものは
最初から愛犬の近くに置いておかないのも重要です。
例えば、飲み込んだら喉に詰まる危険性のあるボールとか。
以上、参考にしていただけるとうれしいです。