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一般知識

非組織集団の類型についてわかりやすく解説

非組織集団




この記事では非組織集団の類型についてわかりやすく解説します。

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社会集団とは?

社会集団というのは二人以上の行為者の間のいろんな相互行為の中で
規則性と持続性があって同じ目的を共有しているような集団のことです。

社会集団は

・組織集団
・非組織集団

に分かれます。

非組織集団

非組織集団はさらに

・群衆
・公衆(こうしゅう)
・大衆

に分かれます。

政治学を習ったことがある方なら『公衆』という
言葉を聞いたことがあるでしょう。
教養と財産を持った市民社会の担い手としての『公衆的な市民』というような感じで
習った方もいるかもしれません。

マスメディアがもたらすいろんな情報をもとにして
自分なりの理性的な判断ができるような人が『公衆』です。
民主的な社会において欠かすことができない人々です。

これに対して大衆というのは
現代の私たちというのは大衆民主主義です。
感情に流されやすく、非理性的で暗示にかかりやすい、
そういう大衆によって支えられたのが現代社会です。

組織集団

もう1つのグループは組織集団です。

組織集団は

・基礎集団
・機能集団

に分かれます。

基礎集団とは家族とか民族といった自然発生的な集団のことです。
これに対して機能集団は組合とか政党といった特定機能を果たすために人為的に作られた集団のことです。

ではここからが本題です。
非組織集団の類型について解説します。

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非組織集団の類型

非組織集団は

・群衆
・公衆(こうしゅう)
・大衆

に分かれるのでした。

非組織集団の類型(1)群集

まず『群集』ですが、
群集はル・ボンさんによって提唱された概念です。

それから群集とは一時の群集心理に左右され、
理性的な判断力を持たない人々の事です。

だから民主主義にとって群集はマイナスのイメージです。
たとえばあなたが住んでいる家の近くで火事があったとしましょう。
火事が起きている現場を見たくて
近隣住民が集まり野次馬になっているかもしれません。

その集まってきた集団のことを『群集』といいます。

群集にとって共通の目的があります。
火事の現場を見たいという目的です。

ということは火事が消されてしまったら
関心がなくなります。
だから消火が終わったらみんな散ってしまいます。

火事の現場を見たら興奮した心理になりやすいものですよね。
理性的に消火活動をしている消防隊員の邪魔にならないような動きをしないといけません。
でも、興奮していて理性的な判断力が持てなくなってしまい
単純に消火活動の邪魔な存在になってしまったりします。

これが群集の定義である
群集とは一時の群集心理に左右され、
理性的な判断力を持たない人々の事に該当していますね。

例えば海外なんかだと災害があったら
商店にある食料品などを略奪する人が現れたりします。

そういう略奪するような人を見たら
自分も我を忘れて非理性的な行動に打って出る人もいるでしょう。

そんな感じで一時の群集心理に左右されて
普段の自分では考えられないような行動に走る場合もあるのが群集だということです。

このように群集というのは理性的な判断力を持たない人々だから
民主主義にとってはマイナスのイメージになります。

そういったマイナスのイメージを持っている群集に対して
もっと民主主義にとってプラスのイメージの人々を
作っていかないといけません。

そこで群集に対比させてつくられた概念が公衆です。

非組織集団の類型(2)公衆

公衆はタルドさんによって提唱された概念です。

タルドさんは『世論と群集』といいう著書の中で
公衆は群集への批判として提示しました。
群集が一次の群集心理に左右され、理性的な判断力を持たない人々なのに対して
公衆はマスメディアによってもたらされる情報によって一つに気持ちがまとまって
その情報に対して是々非々の理性的な判断を下せる人々のことです。

たとえば原子力発電を継続させるかどうか?とか。
マスメディアが情報を提供することで人々の気持ちが一つにまとまるわけです。
空間的には北は北海道から南は九州沖縄にいる人々がマスメディアが提供する情報によって
そういう問題について自分なりに考えようとするわけです。

そしてそのことについて自分なりの判断をきちんと下せる、
理性的な人々が公衆です。

ということは民主的な社会にとって
公衆的な理性的な人々は必要不可欠な存在になるわけです。
だから民主主義にとってプラスのイメージになります。
近代市民社会を守っていくのが
まさに公衆的な理性的な人間だということです。
こういう人が多くなれば民主社会もよくなっていくと考えられています。

非組織集団の類型(3)大衆

たとえば町の中を歩いていて
お互い名前も知らない行き交う人々はお互いを大衆として意識します。
固有名詞のわからない匿名的な人たちの群れが大衆です。

手で砂をすくいあげると
そこから漏れていくような砂みたいな存在。
これを大衆という言葉で表現します。

たとえばヒトラーみたいな指導者が現れると
大衆は受動的で操り人形のように操作される。
そういうような特徴を持っているのが大衆です。
誤った方向に先導されると
そっちの方向に導かれてしまう。
そういう可能性を持っているのが大衆です。
そういう大衆によって成り立っている大衆民主主義というのは
危ない社会ともいえるわけです。

だから大衆である私たちは公衆的な人間に変わっていかないといけない。
常にマスメディアがもたらす情報をもとにして
自分なりの考え方をきちんと提示できるようになる。
100万人が右に行っても自分は右に行かないという
自分なりの考え方をきちんと持つことによって
為政者に操り人形のように操作されない、
そういう賢い公衆になっていかないといけないということです。

以上で解説を終わります。