※アフィリエイト広告を利用しています

一般知識

多元的国家論とは?わかりやすく解説

多元的国家論とは




今回の記事では多元的国家論とは何か、わかりやすく解説します。

スポンサードリンク




多元的国家論とは?

多元的国家論に対して一元的国家論があります。
一元的国家論とはわかりやすくいうと
すでに存在する権力に対抗する勢力がないとする見方のことです。
別の言い方をすると、国家は他の勢力や集団を超えている存在だってことです。

公務員試験で選択肢からどれが一元的国家論で
どれが多元的国家論に該当するか選ばせる問題が出題されることがあるので
ぜひ最後までご覧ください。

まず多元的国家論の超重要ポイントから。
本質的なところなので、これから解説する内容が
理解できなかったとしても、この重要ポイントだけは覚えておいてくださいね。

多元的国家論の超重要ポイント

国家は特別じゃない。絶対的でない。
国家は他の集団と同じだよ。

です。

この重要ポイントだけでも覚えていただければ、
少なくとも多元的国家論を理解しやすくなりますし、
一元的国家論との違いも明確になってくると思いますよ。

ではどんな背景が多元的国家論にあったかというと
2つのことがあります。

スポンサードリンク




どんな背景が多元的国家論にあったか?

背景(1)行政国家化現象が進展した

1つ目は行政国家化現象、福祉国家が進展したという点です。
行政国家になる、福祉国家になるというのは
わかりやすくいうと『規制が増える』ということです。

健康て文化的な最低限度の生活を営む権利があるということになると、
逆に例えばあなたにとって体に悪そうなものがあったら
どんどん切り捨てられていくでしょう。
禁止されるってことです。

例えば牛のレバ刺しは食中毒事件があったため、禁止になっています。

「牛のレバ刺し食べたいよ!禁止なんて大きなお世話だよ。
だったら餅を喉に詰まらせて亡くなる人がいるんだから、
餅も禁止しろよ!」
って思う方もいると思います。

でも現実問題、日本では牛レバ刺しを食べたいと思っても食べれません。
国からしてみたら牛レバ刺しを食べたら死ぬ人が出るかもしれないから禁止しているのです。

何食べるかどうかって食べるものそのものだって規制されてしまいます。
規制が強化されていくってことですね。

規制が強化されるっていうことは何が起きるか?
というと、お店の店長からしたら「牛レバ刺しをメニューに出せたら
もっとお客さんが来てくれて売り上げが上がって儲かるから
2号店、3号店を出せるかもしれないのに・・・
どうして国家は俺の邪魔をするんだよ!」
みたいに思うかもしれませんね。

そこからどういう状態が起きてくるか?というと
行政国家化現象とともに集団の噴出(ふんしゅつ)が起こります。

背景(2)集団の噴出

先ほどの牛レバ刺しの例に戻りましょう。
規制をされた焼肉店の店長からしてみたら自由にメニューを作って
お客さんに食べてもらえないわけですね。

でもどうしてもお店としては牛レバ刺しをお客さんに提供したいわけです。
じゃ、どうするか?
集団になって抗議します。

私は獣医師だから敏感なのですが、BSE問題でアメリカ産の牛肉が輸入禁止されたことがありました。
当ブログ管理人のプロフィール

アメリカ牛肉の輸入が禁止された時、
アメリカ牛肉を使っているお店の人たちも集団化しました。
例えば、吉野家は牛肉の提供を取りやめました。

牛角もそうですね。

集団の噴出というのはみんなが集団になって
政府がやった規制に対して反発することです

そこから政府の言うことをそのまま聞くのではなく
政府とやりとりするようになります。

結果、

国家VS集団

という対立構造が生まれてきます。

自分達の経済活動を邪魔する国家、政府に対して
異議申し立てをするようになってきます。
そうしてなるべく自由を確保しようと頑張るわけですね。

そう言う背景があります。

スポンサードリンク




多元的国家論のポイント

以上のようなことがあったので
「何でもかんでも規制しちゃダメだ」と言うことで
「国家は社会の領域に勝手に入ってくるな!」と
国家と社会を区別しようとなってきました。

もう1つ、仮に国家が勝手に社会に入ってきたとしても
国家(国家機関)は他の社会集団(企業や学校)と同じであって
特別ではない
ということになってきました。
国家機関はそんなに偉いものではないと言うことですね。

他の社会集団のことを『部分社会』といいます。

多元的国家論のポイント

・国家と社会を区別する
・国家機関は企業や学校といった社会集団と同じで部分社会に過ぎない

という2点です。

このポイント2点がわかっていれば
他の本で多元的国家論や一元的国家論を読んでも理解しやすくなっていると思いますよ。

全体社会(コミュニティ)の中に

・国家機関
・会社
・学校
・教会
など

ということです。

これが国家機関というのは企業や学校といった社会集団と同じという意味です。
国家機関はコミュニティの中の1つの機関に過ぎないという理解でOKです。

そして部分社会というのは
全体社会の中の部分だから
国家機関、学校、会社、教会などそれぞれの社会のことを指します。

ちなみに部分社会はアソシエーションということもあります。

こういった主張をメインにした人はハラルドラスキーさんでした。

以上で多元的国家論についての解説を終わります。