この記事では税方式のメリットとデメリットについて
解説します。
ただ、税方式だけ説明すると理解しにくいので
社会保険方式と対比させながら解説していきたいと思います。
税方式のメリット
どうやって社会保障を給付するのか?
考えたときに、税方式と社会保険方式の2つの方式が考えられます。
まず税方式は100%税金で支援する方式です。
社会福祉は税方式が中心になります。
生活保護、障碍者福祉、児童福祉、母子家庭に対する福祉など、
だいたいは税金によって賄われています。
税方式の場合は所得再分配効果が大きいです。
所得再分配効果とはわかりやすくいうと
市場とは別に行政が所得を分配しなおすという効果のことです。
たとえば生活保護をもらっている人だって
本を買ったら消費税を同時に支払いますし、
お酒を買ったら酒税、タバコを買ったらたばこ税を支払っているわけですね。
でも、明らかに所得が多い人と比べると
支払っている税金は少ないでしょう。
だから所得が多いお金持ちがたくさん税金を支払って
余裕がない人に回していくという所得再分配効果が大きいわけです。
なので税方式の場合は平等化の傾向に繋がっていきます。
これが税方式のメリットと言えるでしょう。
税方式のメリットだとより理解しやすくするために
比較で社会保険方式について説明しますね。
社会保険方式と保険という言葉が入っているわけですね。
社会福祉系でいうと、介護保険とか後期高齢者医療制度とか
老人福祉のところで採用されている方式になります。
保険ですから考え方としては普通の生命保険とか自動車保険とかと
同じになります。
「今は大丈夫だけど、将来何かリスクが発生するかもしれないから」
と将来に備えてお金を払って、いざというときは
自分の払った保険料で助けてもらうというのが社会保険です。
ただ社会保険といってもものによって違いがあります。
年金保険の場合は税方式ほどは所得再分配効果は大きくありません。
年金というのは自分が払った分を後でもらうという形になるわけです。
年金の場合は所得の多い人はたくさん保険料を払い、
所得が少ない人は保険料は少ないです。
ただ、たくさん保険料を払った人は将来たくさん年金をもらえますが
保険料をあまり払ってない人は将来もらえる年金は少なくなります。
ですので年金保険の場合は所得再分配効果は小さいわけです。
ただ、社会福祉で対応している介護保険とか後期高齢者医療制度に関しては
所得再分配効果はかなり大きくなります。
ところで民間の保険の場合は
リスクの高い人は保険料が高いというのが原則です。
たとえば自動車保険の場合は
若い人の方が事故率が高いので保険料が高くなります。
リスクの高い人はたくさん保険料を支払ってくれないと保険会社の経営がもちませんから。
ですが、介護保険の場合はそうではありません。
介護保険は本人の健康状態は聞かれません。
単純に所得だけで金額は判断されます。
ということで所得再分配効果は税方式が一番高いです。
これは税方式のメリットといえるでしょう。
税方式の方が本人の負担と関係なく支援してもらえるから
その方が、所得再分配効果もあってよいと社会福祉の分野では考えます。
ですが、税方式には大きなデメリットがあります。
税方式のデメリット
税方式はは権利性があいまいだというデメリットがあります。
特に生活保護をもらっている人に対する姿勢を見れば明らかです。
「お前、税金で助けてもらっているんだから
パチンコに行くな!働け!」みた%