実証主義のところで解説したオーギュスト・コントさんは
社会学というのは社会のことがらが全部含まれると考えました。
⇒実証主義とは?わかりやすく解説
たとえば、政治学も経済学も全部社会学の中に含まれると
コントさんは考えたんです。
こういう考え方を総合社会学と言います。
社会学者としては、そうありたいでしょうね。
社会学が万能みたいな気持ちになれます。
優越感に浸れそうです。
でも、「それはちょっとおかしいんじゃないか?」
化学も生物学も全部含めるなんて、アリストテレスの時代の話になってしまいます。
学問の厳密性が損なわれてしまいます。
そこでジンメルさんは社会学は社会学で社会諸科学の1つの領域である、
1つの領域であるとするなら何を研究するのか?考えました。
つまりジンメルさんは総合社会学を批判し、
個別科学としての社会学の確立を目指そうとしました。
これが形式社会学です。
ジンメルの形式社会学
![ジンメルの形式社会学](https://www.management-consultant.info/wp-content/plugins/lazy-load/images/1x1.trans.gif)
支配服従、党派形成、内集団の結束と外集団への敵対というのは
政治の世界でも宗教の世界でも、経済の世界でも起こります。
たとえば、職場だって仲間外れにしたりとか
お局さんに気を使ってお茶を入れて嫌われないようにしたりといった
形式はどこの世界でもみられます。
ジンメルは、諸個人の間に存在する相互作用が社会を構成すると考えました。
特に社会を構成する相互作用を心的相互作用と呼びました。
そしてジンメルは心的相互作用が実現されるときの形式を『社会化の諸形式』と呼んだんです。
こういった社会化の諸形式を見ていくことを形式社会学といいます。
もっとわかりやすくいうと
ジンメルさんの形式社会学というのは
社会化の形式と内容の両方を対象にしたのではありません。
内容は各社会科学に任せるわけです。
社会化の形式の部分だけ社会学が取り扱うと考えるのが
形式社会学です。