一般知識

イデア論とは?わかりやすく解説

イデア論 わかりやすく




この記事ではプラトンのイデア論とは何か?
わかりやすく解説していきます。

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イデア論を考えたプラトンって?

プラトンはソクラテスの弟子です。
そしてプラトンがいろいろ書き残した著作には
『国家』とか『バイドン』、『ソクラテスの弁明』などがあって
お芝居の台本みたいになっているので対話篇という言い方をすることがあります。
ソクラテスの弁明・クリトン(プラトン) (岩波文庫 青601-1) [ プラトン ]

ちなみに上記著作のなどを通じて
ソクラテスの活動状況がわかったりします。

プラトンの著作としては『国家』や『ソクラテスの弁明』が有名ですが、
考え方としてはイデア論が有名です。

イデア論ですが、西洋哲学の中心にあるような非常に重要な考え方なので
わかりやすく解説していきます。

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イデア論とは?わかりやすく説明

プラトンのイデア論ですが、簡単に理解するときには
どんなふうに考えたらよいか?というと
私たちが暮らしているこの世界のことを現象界(げんしょうかい)といいます。
現象界では私たちは感覚を通じて物事を捉えることができます。

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たとえば目で見て「犬がいるな」とか手で触れて「これって柔らかいな」
みたいな感じで捉えることができます。これが現象界です。

プラトンはこの現象界を越えたところに
イデア界という理想の世界があると考えました。
そしてイデア界の方が本当の世界で、現象界はイデア界の影のような感じで偽りの世界だと考えました。

だから私たちが暮らしている現象界は
偽りの世界であって本当の世界はこの世界を越えたところにあるという考え方がイデア論です。

ここまで踏まえて、以下の図をご覧ください。
イデア論 わかりやすく

図の下の方が現象界(げんしょうかい)で上の方がイデア界です。
現象界は私たちが暮らしている世界です。
そして現象界で個々の物のことを個物(こぶつ)といいます。

個物の具体例

個物とはたとえば、個々の人、個々の花、個々の犬や猫、
こういった物のことです。

こういった現象界に存在する物(個物)は目などの感覚(視覚とか)で捉えることができます。
だからたとえば、道端で咲いている個々の花は個物ですし、

通りすがりの女性も個物


通りすがりに目が合った女性も個物です。 チョコバナナも個物

お店で売られているチョコバナナも個物です。

こういった物を私たちが見た時に
「あぁ、おいしそうなチョコバナナだな」と思ったり、
通りすがりの女性を見た時に、「美しい女性だな」と思ったりすることはあると思います。

ここからがプラトンの疑問になるのですが・・・

イデア論 わかりやすく

この個物としての花とか人やってみんな姿や形が違いますね。
人間は動いてますが、花は動きませんし。

こういったまったく姿や形が違う個物というものを
どうして私たちは「美しい人だな」とか「美しい花だな」といった感じで
美しいと感じるのでしょう?

まったく違うものをどうして同じ美しいものとして捉えるのか?
というのがプラトンの疑問です。

この疑問の答えを必死でプラトンは考えました。

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結果、プラトンが出した答えとしては
現象界を越えたところにイデア界というのがあるのだと。

イデア界に美しさそのものがあるとプラトンさんは考えたのです。
イデアは現代の言葉でいうと『一般概念』のことです。

一般概念はイコール

・Xそのもの
・イデア

といったりします。

あなたはもしかしたら犬や猫を飼っているかもしれませんが
飼っている個々の犬や猫は個物ですが、
『犬そのもの』や『猫そのもの』は犬のイデアであったり猫のイデアであったりします。

なので抽象度を高くすると、
現象界にXという個物があったら、イデア界にはXそのものがあるということです。

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こういったXそのもの(一般概念、イデア)がイデア界にはあって
これが個々の物に分有される(うつしだされる)とプラトンさんは考えたのです。

分有というのはうつしだされることです。
つまりイデア界におけるイデア(一般概念、Xそのもの)が個物にうつしだされることによって
花が美しく、絵が美しくなるとプラトンは考えました。

こういった感じでプラトンは個物とイデアの関係を説明しました。
そしてプラトンに言わせるとイデア界におけるイデアの方が
本当に存在するものと考え、真実在と考えました。

逆に個物は偽りのものという意味で仮象(かしょう)と言われます。

どうしてそういわれるのでしょう?
プラトンに言わせると、個物は生成消滅するもの、
どんどん移り変わって消えていくもの。

これに対してイデアは永遠不滅で変わらないものだと考えました。
たとえば、あなたが飼っているかもしれない犬や猫はいつか死にますし
花も枯れて消えていきます。

これに対して犬のイデアや猫のイデアは死んだりなくなったりしません。
永遠不滅です。

だから永遠不滅なもののと生成消滅するものを比べて
本当に存在する物は何か?というと、消滅しないイデアだとプラトンは考えました。

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イデア界とは?洞窟の比喩

洞窟

イデアと個物の関係をプラトンは洞窟の比喩で説明しています。
どういう比喩か?というと私たちは洞窟に閉じ込められていて、
洞窟の壁にうつっているぼんやりとした影を見て、それ(ぼんやりとした影)が存在すると錯覚している。
でも、洞窟に閉じ込められた状態というのは現象界に暮らしている私たちの今の状態です。

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でも、洞窟には外があります。
この外の世界が本当の世界、つまりイデア界ということです。

プラトンにいわせるとイデアには階層性があります。

階層性とは

・たいしたことないイデア
・非常に重要なイデア
・最高のイデア

というイデアです。

犬

たとえば、犬や猫のイデアはプラトンから言わせるとたいしたことないイデアになります。
犬や猫を愛している人からしたら「そんなことないよ!」
って怒りたくなるでしょう。気持ちは分かります。
でも、プラトンさんはそう考えたのです。

これに対して美のイデアは非常に重要なイデアだと考えました。
さらに最高のイデアは『善のイデア』となります。
善のイデアとは『よさそのもの』ですべてのものが目指していると考えました。

洞窟の比喩


先ほどの洞窟の比喩においては
善のイデアがあらゆるものを照らした太陽に例えられています。

逆にいうと美しい花でも、
完全に美しいというわけではありません。
人間だってそうです。完全に美しいわけではありません。

現象界における個物というものは不完全な形で理想をうつしだしています。
でもイデア界における美しさそのものは完全な美しさで、美の理想です。

だからイデアと個物の関係は完全と不完全と考えられたりしています。
つまり、イデアは完全、個物は不完全ということです。

イデア論 わかりやすく

こういうイデアですが、感覚で捉えることができません。
感覚で捉えることができるのは個物だけです。
個物=絵、人、犬、猫などのことです。

逆に美しさそのもの(イデア)を感覚で捉えることはできません。
イデアは理性や知性、魂といった私たちの精神的な活動のみによってとらえることができると
プラトンさんは考えました。

だからイデア界におけるイデアというのは私たちは感覚(視覚とか)で捉えることができず、
理性のみによってとらえることができる
ということです。

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イデア界とエロースの関係

エロースですが、プラトンがいうエロースは『愛』という意味です。
完全なイデアの世界を求めようとする魂の働きのことです。

つまり私たちの魂というのはイデアを求めるという傾向があって
このことをエロースといっています。
イデアに対する愛のことです。

どうしてそうなのでしょう?
プラトンにいわせると、人間の魂というのはもともとイデア界にあったと考えます。
でも何の因果か、私たちは汚れた肉体を見てしまって地上に落ちてきてしまった。
だから私たちの魂がもといたイデア界を求めるということで
プラトンさんはエロースというものを説明しています。

現在でも、このことに関連してプラトニックという言葉がありますね。
これは理想主義的な意味で使われますが
私たちが現実の世界で満足できない、理想を求める傾向のことをいいます。
これはプラトンのイデア論やエロースからきています。

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イデア論を理解できたか?簡単なクイズ

ここまでイデア論についてわかりやすく解説してきました。
理解できたか?クイズを出しますね。

問題

イデアは現象界に存在する。
〇か×か?

イデア論 わかりやすく

答えは×。
現象界にイデアは存在しません。
イデアがあるのはイデア界です。

分有というのはうつしだされるだけなので
『美しさそのもの(イデア)が移行するわけではありません。

問題

イデアは感覚でとらえることができる。
〇か×か?

答えは×です。
イデアは感覚ではとらえることができません。
あくまで理性、知性、魂といった精神的な活動によってのみとらえることができます。

以上でイデア界についての解説を終わります。