・ソクラテス
・プラトン
・アリストテレス
の3人が有名で、
彼ら3人を三大哲学者といいます。
ソクラテスの弟子がプラトンでプラトンの弟子がアリストテレスということで
この3人の間には上下関係というか、師弟関係がありました。
この記事ではソクラテスという思想家について
わかりやすく解説していきます。
ソクラテスの無知の知とは?
昔々、紀元前5世紀ごろにソクラテスという賢い哲学者がいました。
このソクラテスさんは、自分が何も知らないことを知っている、
という「無知の知」という考え方で有名です。
不思議に思われるかもしれませんね。
無知の知、つまり「何も知らないけど、そのことを知っている」
とはどういうことでしょう?
ここで、ちょっとお話を変えまして、
料理に例えてみましょう。
例えば、料理を全く知らない人がいるとします。
でも、その人が「私は料理を全く知らない」と自覚しているとき、
実はとても大切な一歩を踏み出しているんです。
なぜなら、自分の無知を知っているからこそ、
学ぼうという気持ちになり、成長できるからです。
ソクラテスさんはまさに、
この「自分が何も知らないことを知っている」状態を
大切にしていたんですね。
さて、ソクラテスさんは、自分で本を一切書きませんでした。
でも、不思議なことに、
今になっても彼の考え方がたくさんの人に知られているんです。
これはどうしてでしょうか。
実は、彼の弟子であるプラトンさんが、
ソクラテスさんの教えや話をたくさんの本に書き残してくれたからなんです。
プラトンさんのおかげで、ソクラテスさんが直接残したわけではないけれど、
彼の思想が私たちのもとに伝わってきたんですね。
もしクイズで「ソクラテスは『ソクラテスの弁明』という本を書いた」
という問題が出たら、それは間違いですよ、
ということもお伝えしておきます。
実際には、『ソクラテスの弁明』はプラトンが書いたもので、
ソクラテス自身が書いたわけではありません。
⇒ソクラテスの弁明 (光文社古典新訳文庫) [ プラトン ]
ソクラテスさんの話は、知識を深めることの大切さや
、自分の無知を知ることの価値を教えてくれます。
そして、周りの人々、特に私たちが尊敬する人々の言葉や
行動から学ぶことの重要性を、改めて感じさせてくれるのです。
さてソクラテスに関してよく出てくる『無知の知』。
この言葉はどういうことなのか?について説明していきます。
実は
ソクラテスさんの『無知の知』ですが
何か?というと、『自分の無知の自覚』のことです。
この『無知の知』というのが大事なんだとソクラテスさんはいいました。
自分の無知を自覚するからこそ、何かを知ろうという気持ちになり、
結果、知を愛する、つまり哲学の出発点になるんだと言われています。
だから無知の知が哲学の中では大事だとされています。
一方でなんでも自分は知っていると思っている人は
それ以上何かを知ろうという気持ちになれません。
だからそれ以上の知の欲求を持ちません。
ですが、自分の無知を自覚している人こそが何かを知ろうとなるので
真の知に向かっていくための出発点になるとソクラテスさんは主張しています。
ソクラテスの問答法(産婆術)とは?
問答法は産婆術(さんばじゅつ)とも言われています。
これはソクラテスさんの教育法のことです。
ソクラテスさんは若者たちに対して教育活動をしていました。
そのときの教育法が問答法です。
問答法ってどんなものだったのでしょう?
問いかけることによって相手から答えを引き出す、
これが産婆さんが女性から赤ん坊を取り出すのに似ていることから
産婆術ともいわれています。
問答法ですが、たとえば前回解説したゴルギアスさんなどのソフィストは
自分の知っていることを一方的に話すことで相手に知をあたえます。
⇒ゴルギアスの懐疑主義についてわかりやすく解説
でも、ソクラテスさんから言わせると、
そういう教育は本当の教育ではないといいます。
本当の教育というのは、相手から答えを引き出す手助けをすることだと
つまり、問答法こそが本当の教育なんだとソクラテスさんは主張していました。
ソクラテス『知徳合一』とは?
で、ソクラテスさんの言葉で『知徳合一』があります。
ソクラテスの有名な言葉に『知行合一』『知徳合一』があります。
どういう意味でしょうか?
正しいことを知るというのは
それでお終いになるわけではなくて
正しいことを行うことに繋がっているんだという考えを『知行合一(ちこうごういつ)』といいます。
『知行合一』は徳となって表れる(これを知徳合一(ちとくごういつ))
とソクラテスは考えます。
徳というのは人間だったら当然身に付けるべき、
それを目指すべき、良い品性のことです。
そういう意味でソクラテスさんは実践的な活動を重視したということですね。
ソクラテスさんは本を残していませんが、
本を書くみたいな間接的な教育ではなくて
マンツーマンみたいな問答法みたいな教育活動を重視したということです。
以上で解説を終わります。