前回の記事では中根千枝さんのタテ社会について解説しました。
⇒中根千枝のタテ社会とは?
今回の記事では土居健郎さんの甘えの構造について解説します。
⇒「甘え」の構造 / 土居健郎
土居健郎の甘えの構造
まず土居健郎の読み方は『どいたけお』です。
土居健郎さんによると、『甘え』という語彙は日本語にしかないといいました。
本当は英語にもフランス語にもドイツ語にもヘブライ語にも中国語にも
『甘え』というワードはないということです。
土居健郎さんは精神科医でした。
日本語ペラペラのイギリス人女性を診察していた時のことです。
日本語がペラペラでも英語で診察中のこと。
そのイギリス人女性が
土居健郎さんに「この子はあまり甘えませんでした」と日本語で言いました。
土居健郎さんがそのイギリス人女性に
「なんで日本語で言ったんですか?」と問いただすと
そのイギリス人女性は「だって『甘え』って単語は英語にはないのですから」
と答えたのです。
このことから土居健郎さんは「ふーん、『甘え』って単語は日本語にしかないんだ」
と気付き、『甘えの構造』という書籍を書こうというきっかけになりました。
また、甘えという言葉はプラスマイナスどちらにも使われます。

たとえば言い訳ばかりして、ずっと親のスネをかじって生活している
ニートの男性に向かって「お前、甘えるなよ!」とネガティブなイメージで使われることがあります。

逆にある程度甘えた方が対人関係がうまくいくこともあります。
先輩と一緒に飲みに行く場合、
毎回割り勘にするよりも、先輩を立てる意味でも
時には甘えておごってもらった方が良い場合もあるわけです。
そこはある程度の甘えは人間関係の構築には役立つこともあります。
こんな感じで『甘え』という用語は
プラスにもマイナスにも使われることがあるわけですね。
こういったことを1冊の書籍にまとめたのが
土居健郎さんの『甘えの構造』です。
⇒「甘え」の構造 / 土居健郎
以上で解説を終わります。