この記事では機能主義とはどういうものなのか、
わかりやすく解説します。
機能主義についてわかりやすく説明
機能主義について理解するために、
先に一昔前の文化人類学について説明します。

一昔前までの文化人類学というのは未開社会の研究がテーマでした。
アジアとかアフリカに存在する原始的な昔ながらの生活をしている人がいて
そういう未開社会の人たちの生活習慣とか言葉を研究するのが
かつての文化人類学のテーマでした。
世界中の部族を見ると、だいたいどこの部族にも祭りがあります。
「どうして世界中の部族に祭りがあるの?」と研究するわけです。
昔は『残存』、つまり原始社会の名残として祭りが残っていて
それが『伝播』、つまりいろんなところに祭りが伝わっていったために
世界中の村に祭りがあると考えられていました。
ところがラドクリフブラウンとかマリノフスキーさんは
「そうではない!」と熱く考え、機能という観点で物事を考えるようにしたんです。
これが機能主義です。
機能主義とは部分が全体にどのように貢献しているのか?という考え方のことです。

では祭りが残っている理由を機能主義でわかりやすく説明するとどうなるでしょう?
祭りという部分は社会集団という全体の維持に役立つと考えます。
逆に祭り(部分Iがなくなると社会集団(全体)がバラバラになってしまう。
なので、祭りという部分は社会集団という全体に貢献しているんだという観点で考えます。
すると、祭りは村の維持に必要不可欠といえそうです。
だからもし祭りがなくなってしまったら村はなくなってしまう。
もしかしたらかつて祭りがなくなってしまった村があるかもしれないけど、
今は存在しません。
だから結局、今現存する村にはすべて祭りがある。
なぜなら、祭りは村の存続に必要不可欠だからです。
これが機能主義を利用した説明になります。
機能システムはデメリットが多い考え方でした。
そこで登場したのが行為システムです。
⇒行為システムとは?わかりやすく解説