一般知識

コントの三段階の法則とは?わかりやすく解説

コント 三段階の法則




オーギュストコントさんは『実証哲学講義』という全6巻ある書籍を書きました。
で、実証哲学講義の第4巻の中で初めて社会学という言葉を使いました。

コントさんは社会学という言葉を初めて使ったので
社会学の父』と呼ばれるようになったのです。

コントの社会学は

・社会動学(進歩の理論)
・社会静学(秩序の理論)

の2つの部分によって成り立っています。

社会静学は別名『秩序の理論』というふうに呼ばれています。
フランス革命によって社会が混乱した状態になりましたが
その混乱した社会を再び秩序のある状態に戻していくというのが最初の課題でした。

ということで社会静学は『秩序の理論』と呼ばれたりします。

秩序が確立したら次はさらに今の社会よりも
よりよい社会、より進歩した状態に人々を導いていくことを
次の課題に考えていきます。

つまり、未来をより進歩した状態に持っていくために
今までの人間の歴史を振り返ってみるわけです。

「今までこういうふうに進んできたから
その延長線上にどういう未来が想像できるか?」ということを
考えていくのが社会動学の部分です。

だから社会動学は『進歩の理論』という形で呼ばれることがあります
この社会動学の中で三段階の法則というのが提唱されました。

社会学の試験で『コント』に関する問題の中で
一番よく出てくるのが『三段階の法則』になります。

そこで今回の記事ではコントの三段階の法則について
わかりやすく解説していきたいと思います。

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コントの三段階の法則(1)人間の精神の進化

コントの三段階の法則

コントの法則ではまず人間の精神の方が先に発展すると考えます。
そしてそれに対応した形で社会がそのあとに発達すると考えます。

では人間の精神の発達の段階の中で
一番最初はどういう段階だったか?というと
神学的な段階ということになります。

神学的な段階というのは例えば宇宙の創造というのはクリエイター(創造主)としての神というのを仮定します。
神様が全てを創造したみたいな形で世の中を説明していきます。

・宇宙
・地球
・人間など

一切を創造した神様というのを仮定しながら説明していくのが神学的段階となります。

神学的段階の次の段階はどうなるでしょう?
今度は哲学者が活躍します。
人間を取り囲んでいる周りの世界というのを分析していきます。

で、「世界の根源は水である」
「世界の根源は火である」
といった感じで人間を取り囲んでいる周りの環境世界というのを
世界はこういう状態によって成り立っているんだということを推論していく段階になります。
それを形而上学的段階といいます。

神様が説明するのではなくて人間の抽象的な思考で解き明かしていこうとするのが形而上学的段階です。

たとえば自然哲学的な形で世界の根源は何であるか?
というようなことを突き詰めて明らかにしていこうという段階が形而上学的段階です。
言い換えると哲学者が活躍する時代といえるでしょう。

哲学者

とはいえ、世界の「根源は水である」と哲学者が言ったとしましょう。
でも、「あなたはそのように考えるかもしれませんが
それが正しいということを私たちに証明してください」

あるいは「あなたはAはBであるという命題を言った。
その正しさの根拠を私は照明してもらわないと納得できない」
これが実証的な考え方(科学的な考え方)です。

何か1つの命題を立てても、それを他人に説得するためには
実験したり証明したりして、他人が納得してくれない事には
それが『真理』であるということを私たちは納得できません。

これが今の私たちの一般的な常識になります。
こういう考え方を実証的段階といいます。

真理の根拠を証明、実験によって明らかにしないといけないという段階が実証的段階です。
形而上学的段階の次は実証的段階になります。
こういう形で人間の精神は三段階で発達してきたというふうに考えます。

こんな感じでコントさんは

人間の精神の進化として

神学的段階⇒形而上学的段階⇒実証的段階

という形で進むと言いました。

神学的段階は中世、形而上学的段階は近代、実証的段階を現代というふうに
置き換えて考えると理解しやすいかなと思います。

ちなみに形而上学についてはこちらで詳しく解説しています。
哲学とは何か?簡単にわかりやすく解説

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コントの三段階の法則(2)

そのような精神の状態に対して社会はどういう形で対応しているのでしょう?
神学的段階の時は軍事的時期が対応しています。

たとえば神様によって選ばれし者が
その地域の権力者になって統治をしたとしましょう。
その権力者というのは強大な軍事力を背景にしながら地域社会の秩序を保っていく。
こういう時期を社会では軍事的時期といいます。

王権神授説的な考え方ってありますよね。
その王様の権力は神様によって与えられている。
だから下々の人間がそのことについてとやかく言うことはできないわけです。

その選ばれし君主というのは強大な軍事力を背景にしながら
その社会の秩序を保っているような段階が軍事的時期となります。

その次、形而上学的段階に対応する社会について説明しますね。
権力者の権力といえども、無制限に行使することはできません。
たとえば今の私たちは法治国家の中で生活していますよね。

権力者の正しく統治していて、税務署の職員という立場の人には
どこまでの権限が与えられているのか(強制的に徴収していいとか)
すべて法とかルールにのっとって明記されていないと
私たちは納得することはできませんよね。

でないと独裁になってしまいますからね。

ということで法というものが社会の中では非常に重要な役割を果たすようになってきます。
だから法律家が社会の中心の担い手として活躍する、
それが法律的時期となります。

つまり、形而上学的段階に対応するのが法律的時期です。
法律家が活躍する時代が法律的時期になります。

次に実証的段階に対応する社会について。
ちょうど産業革命が成功した時代の社会を想像してみてください。
そうすると産業に従事する人が法律家に変わって社会の中心的な担い手として
活躍する時期になります。
なので産業的時期が対応します。

こういう形で社会もまた、三段階の法則によって進歩発展してきたということです。

コントの三段階の法則

精神は
神学的段階⇒形而上学的段階⇒実証的段階

社会は精神に対応して
軍事的時期⇒法律的時期⇒産業的時期

となります。

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コントの三段階の法則まとめ

コントさんの三段階の法則は
人間の精神の変化だと神学的段階⇒形而上学的段階⇒実証的段階となり、
社会の在り方だと軍事的段階⇒法律的段階⇒産業的段階と
進化していくという法則のことです。

対応関係は

・神学的段階に対応しているのが軍事的段階
・形而上学的段階に対応しているのが法律的段階
・実証的段階に対応しているのが産業的段階

となります。

最初は神学的段階で神様がいろんなことを説明します。
次は神様によらないで哲学者が活躍する法律的段階。
法律的段階の次は哲学者に変わって科学者が活躍する時代を迎える産業的段階になります。

社会もまた軍人が活躍する軍事的時期、次に法律家が活躍する法律的時期、
その次に産業家が活躍する産業的段階になります。

こんな感じで理解しておくと
コントの三段階の法則を理解することができると思います。

以上で解説を終わります。