この記事では実存主義とは何か、
わかりやすく解説していきます。
実存主義についてわかりやすく説明します
まず実存主義の特徴から。
真の実存の完成を目指すのが実存主義の特徴です。
では真の実存とは何でしょう?
真の実存とは『本当の私』みたいな意味です。
だから簡単にいうと『自分探し』みたいに考えると理解しやすいと思います。
それから『実存』という言葉はどうやってできたのでしょう?
現実存在という言葉の真ん中部分をとってできました。
つまり現『実存』在だから『実存』です。
これは九鬼周造(くきしゅうぞう)さんが作った言葉だとされています。
現実存在とは何のことを言っているのでしょう?
『今現にこの世界に存在している私』というのが
現実存在としての実存です。
そして『今現にこの世界に存在している私』の意味から
真の実存の完成を目指すというのが実存主義の基本的な考え方になります。
以上のことから『自分探し(本当の私を探す)』と
『今現にこの世界に存在している私』は近い形になります。
実存主義は19世紀のヨーロッパで登場しました。
ソクラテスとかプラトンと比べたら現代よりです。
実存主義が現代に近くなって登場するのには理由があります。
どんな理由か?というと
実存主義が登場した時代というのは
産業化が急速に進む中で人間が産業構造の一部、
あるいは取り換え可能な部品みたいなものとして扱われる、
そういう状況になってきた時期です。
そういう状況の中で
『私』の意味がどんどん失われていきました。
本来だったら『私』という存在は取り替えられないような
かけがえのない、交換不可能なものでした。
でも、実存主義が登場した時代はかけがえのない存在という意味が
どんどん失われて行っていました。
実存主義はそういう状況に対する異議申し立てということになります。
つまり私が生まれる前には『私というもの』はいない。
そして私が死んだ後も『私というもの』は現れない。
そしてこの世界に存在するものとして『私というもの』はただ一人だけ。
そういう意味で『私』は独自のものなわけですが
そういう私というものの独自な在り方というものを
もっと真剣に考えましょう。
社会の中に交換可能なものとして埋没してしまうのではなく。
そのことによって「本当の私、真の実存の完成ということを目指しましょう」
というのが実存主義になります。
その際に真の実存の完成、本当の私の発見というものを
神に基づける方が有神論的実存主義で
神に基づけない方を無神論的実存主義といいます。
つまり
・有神論的実存主義
・無神論的実存主義
の2つに分けることができるということです。
それでキルケゴールさんとヤスパースさんは有神論的実存主義で
それ以外の人たち、たとえばニーチェ、ハイデガー、サルトルさんたちは
無神論的実存主義です。
以上で解説を終わります。