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一般知識

地位の非一貫性とは?わかりやすく解説

地位の非一貫性




前回の記事では階級と階層の違いについて解説しました。
階層と階級の違いをわかりやすく解説【社会学】

今回の記事では地位の非一貫性とは何か?解説したいと思います。

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地位の非一貫性とは?

階級や階層の話は人の上下の話であります。
露骨に社会的地位が高い人ってどういう人なのでしょうか?
周りに木を使わずに自分の好きなことができる人でしょう。

下の人っていろいろ我慢しないといけません。
でも、上の立場になればなるほど自分の欲望を実現しやすくなります。
そういう風に考えられます。

では何を持っていたら自分の欲望を実現できるでしょう?
最初に思いつくのは『お金』でしょう。
お金さえあれば自分のやりたいことができるのではないでしょうか。

お金=経済的資源
は大事でしょう。

でも、お金という経済的資源だけでなく関係的資源も大事です。
関係的資源とは他の人に対して有利な権力を持っている職業威信の高い仕事についているといったことです。
職業威信についてはこちらの記事で解説しています。
ウェーバーの階級論についてマルクスと比較しながらわかりやすく解説

裁判官という仕事は職業威信が高い仕事です。

職業威信の高い裁判官のお仕事の何がよいのでしょう?
借金しやすいことです。

どういうことかというと、職業的な信用がないとお金を貸す人もいないでしょう。
たとえば、家を買うとします。
家を買うとなると数千万円のお金を買うので一括払いはほぼ無理です。

だから住宅ローンを組むことになります。

仮に2000万円の住宅ローンを組むとして
その裁判官の年収が700万円だとしましょう。

同じ年収700万円でも自営業と裁判官では収入の安定性などが違います。
自営業だと簡単にお金を貸してくれませんが、職業威信の高い裁判官なら
簡単にお金を貸してくれるでしょう。

ということは職業威信の高い仕事をしている方が
自分の欲望を実現しやすいといえるでしょう。
そういう意味で関係的資源も重要です。

他にも文化的資源も重要です。
知識があると自分の欲望を実現しやすいでしょう。
たとえば韓国旅行に行くとしましょう。
韓国語を知っているのと知らないのとでは全然意味が違います。

韓国語を知っていて現地の情報に詳しければ
自分一人で韓国旅行に行けるかもしれません。

逆に韓国語を話せないし現地の様子もよくわからないなら
ツアーについていくしかできません。
行けるところが限られるようになります。

ということで知識があったほうが
文化的資源があったほうが、それだけ選択肢が広がり
自分の欲望を実現しやすくなります。

このように

・経済的資源
・関係的資源
・文化的資源

と分けた時に、全部持っている人もいるかもしれません。
収入も高いし、裁判官だし、東京大学法学部で知識レベルも高い
みたいな人もいるでしょう。

でも、AさんとかBさんといった感じで、
一人一人の人を見ていくと、ある基準では高いけど、
ある基準では低い人もいます。

たとえば、Aさんは不動産会社の社長の娘だとしましょう。
大金持ちの娘で、社長(父親)と同居しています。
すると経済的資源は高いでしょう。

でもAさんは、フリーターです。
となると関係的資源は低いでしょう。
また、Aさんは親のすねばかりかじっていて努力しませんでした。
だから中卒です。また普段から勉強もしません。
となると文化的資源も低いです。

となると

Aさんは

・経済的資源=高い
・関係的資源=低い
・文化的資源=低い

となります。

Bさんは大学教授だとしましょう。
となると文化的資源は高いでしょうし、関係的資源も高いでしょう。
でも、安月給だったとしましょう。すると経済的資源は低いです。

Bさんは

・経済的資源=低い
・関係的資源=高い
・文化的資源=高い

となります。

さて全部高かったら「私は上級国民よ」と思うでしょうし
全部低かったら「どうせ私なんて・・・」みたいに卑屈に感じるでしょう。

ある基準では高いけど、ある基準では低いという場合はどうなのでしょう?
こういうのを『地位の非一貫性』といいます。

こういうふうにとる基準によって上下が一貫していないということを地位の非一貫性といいます。

たとえば、あなたは中学生だとしましょう。
成績1番でテニス部の部長で県大会優勝していて、
しかも異性からモテモテだとします。

こんな人は「自分は誰にも負けないぜ!」と自信満々でしょう。
これに対して成績は1番だけど、水泳が金づちレベルとか
水泳はめちゃくちゃ得意だけど、勉強の成績は最下位みたいな感じで
ある基準では高いけど、ある基準では低いということになると
自己評価は中くらいだと考えるでしょう。

そういう風に言われています。

以上で解説を終わります。