今回の記事では支出税とはどういう税金なのか、
所得税と比較しながらわかりやすく解説します。
支出税とは何か理解するためには所得税の理論の簡単な理解が必要になります。
支出税とは?
サイモンズさんは「そもそも、所得って何なのかな!?」ってことを
必死で考えた人です。
必死で考えた結果、
「いくらお金を消費したか、資産がいくら増えたか?」
この2つで所得を計算すると考えました。
つまり、
とサイモンズさんは考えたわけです。
たとえば、今年1年間振り返って20万円お金を使ってきた(消費した金額)としましょう。
そしてビットコインなんかの資産が5万円増えたとします(資産が増えた)。
すると、合計で20万円+5万円=25万円。
25万円がこの人の所得ということになります。
で、結局25万円だけお金を使うことができると考えたわけです。
そして25万円だけ支出可能とサイモンズさんは考えました。
ポイントとしてはサイモンズさんは所得税を考えた時に
以下のように考えました。
その人の所得をまず定義しないといけませんが
その人の所得を定義するときにいくらお金を使ったのか、
資産がいくら値上がりしたのか(増えたのか)、この合計でお金を使うことができると
サイモンズさんは考えたわけですね。
そしてこの考え方を包括的所得税とか支出税といったりします。
サイモンズさんは支出税を主張したということですね。
支出税と所得税の違い
支出税は前述の通りサイモンズさんの主張で所得税は日本の制度です。
では支出税と所得税って何が違うのでしょうか?
日本の所得税は前回解説したクロヨン問題とかトーゴ―サン問題が関係してきます。
⇒クロヨン問題とは?わかりやすく解説
まず支出税は貯蓄を頑張ろうという意欲を増やすことにつながります。
「俺、貯金しよう」みたいな感じです。
それから日本の所得税は累進課税(高額所得者ほど税率が高くなる)ですが
これを累進所得税といったりします。
累進所得税は水平的に公平ではありません。
水平的にというのは前回解説したクロヨン問題を参考にしてください。
⇒クロヨン問題とは?わかりやすく解説
日本の所得税はサラリーマンから見ると
農業や自営業者を見て不公平に感じてしまう制度なんです。
これに対して支出税はクロヨン問題など起こりません。
なぜなら先ほど解説したように
の所得に支出税の考え方なら課税されるわけです。
だから職業に関係なく課税されるので
サラリーマンであろうが自営業者であろうが農業従事者であろうが
みんな平等なわけです。
だからサイモンズさんの支出税なら水平的公平を満たします。
(職業に関係なく平等に課税されるという意味)
日本は累進所得税なので職業が関係するわけです。
「言ってる意味が分からない!」という方はクロヨン問題の記事をご覧ください。
⇒クロヨン問題とは?わかりやすく解説
さっき、支出税なら貯蓄を頑張ろうという気になると書きました。
逆にいうと日本の所得税は貯蓄に対する意欲をそぎます。
どういうことでしょう?
たとえばある人が働いてお金を稼いだとしましょう。
所得税を払いますが、いくらかの貯金をします。
でも貯金をして得られた利子からも日本だと所得税を取られてしまうんです。
これは二重課税ですね。
でも本当にこれは起きています現実です。
特にサラリーマンはお給料をもらう直前に
源泉徴収という形で先に所得税を取られた後(1回目の所得税)、
あなたの預金口座に振り込まれます。
そして預金口座に振り込まれたお金を貯金しても
その貯金して得られた利子からも所得税を取られてしまう(2回目の所得税)から
2回所得税を取られていますね。
これが二重課税です。
これを二重課税問題と言ったりします。
これは日本の制度です。
つまり同じ所得に対して2回カウントされてしまっているんです。
だから「どうせ税金とられるから」と貯蓄への意欲がそがれてしまうんです。
でもサイモンズさんの支出税ならこんなことにはなりません。
支出税を主張する人たちは所得というのは消費額と資産がどれだけ増えたかの合計で決まります。
これにはキャピタルゲインも含んでいます。
これを課税ベースにすればさっきいった所得税のような二重課税にならないわけです。
だから支出税の方が累進課税の所得税より優れていると考えます。
支出税=二重課税にならない
所得税=二重課税が起こりうる
ということです。
以上解説を終わります。