ラベリング理論はハワードベッカーさんの学説になります。
前回の記事ではホワイトカラーの犯罪と非行下位文化理論について解説しました。
⇒ホワイトカラーの犯罪とは?わかりやすく解説
⇒非行下位文化理論とは?わかりやすく解説
特に非行下位文化理論についてハワードベッカーさんは以下のように考えました。
全体から見て一部の人を見てズレているとレッテル貼りを
することによって逸脱のあるものが目に見えるようになっているだけだと考えたんです。
これがラベリング理論です。
ラベリング理論の具体例
ラベリング理論の具体例を考えていくことにしましょう。
2020年現在、大阪のお笑い芸人さんがテレビやラジオに出演中、関西弁で
たくさん面白いことをしゃべって笑いをとってますね。
ですので、関東に住んでいる人も東北に住んでいる人も
関西弁という方言が普通に聞こえてくるかもしれません。
でも、関西弁をしゃべる小学生や中学生が関東に転向すると
「え、この人、関西人?」みたいな感じで嫌悪感を持たれるケースがあります。
酷い場合にはお母さんが子供に「関西人と結婚したらダメよ。
子供が関西弁になっちゃうから」みたいな方言差別をする人も中にはいます。
でも方言というのは多数派化少数派かの違いにすぎません。
繰り返しになりますが、関西人が関東や名古屋に引っ越したら
「関西から来たの?」みたいな感じで見下されたり差別されることがあります。
でも逆もあります。
東京在住の中学生が関西に引っ越したら「ジャンジャン言葉や!」
みたいな感じでいじめられることがあります。
私はこういう光景を何度も目や耳にしてきました。
どっちが正解かではなくて
たまたま多数派が少数派に対して「お前の発音が変だ、訛ってる」みたいにズレていると
レッテル貼り(ラベリング)をすることで
客観的基準ということでなく、逸脱のあるものが作り出されていると
ハワードベッカーさんは主張しました。
これがラベリング理論です。
続いてラベリング理論と似ているスティグマについて解説します。
⇒ゴフマンのスティグマとは何か?わかりやすく解説