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一般知識

ウェーバーの支配の正当性についてわかりやすく解説

ウェーバー 支配の正当性




前回の記事では権威と権力の違いについて解説しました。

権威と同じようなものとして支配の正当性があります。
支配の正当性はマックスウェーバーの分類になるのですが、
今回の記事では支配の正当性についてわかりやすく解説していきます。

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ウェーバーが主張した支配の正当性とは?

支配の正当性とは権力を持っている人のいうことを聞きたくないのに
いう事を聞いてしまう理由のことです。

税金

税金を払いたくないと思っても
嫌々でも税金を払ってしまうのは支配の正当性の具体例になります。

右側通行

右側を歩きたくないのに右側通行だったので
仕方なく右側を歩いているなら支配の正当性の具体例になります。

こんな感じで嫌々ながらも右側を歩いたり
税金を支払ったとしたら
どうしてあなたは命令や指示に従ったのでしょう?

このときに支配される側(従う側)が見出す根拠、理由が
支配の正当性
になります。

ここで大事なのは『支配される側(従う側)』というところです。
『支配する側』ではありませんのでご注意ください。

『支配する側』ではなくて『従っている側(支配される側)』が
「どうして自分は言うことを聞かないといけないのか?」という根拠こそが
支配の正当性ということです。

もっと詳しく支配の正当性について解説していきますね。

ウェーバーは支配を3つに分けることができると主張しました。
以下その3つ、解説していきますね。

(1)カリスマ的支配

カリスマ的支配というのは非凡な才能が備わっている支配者個人の魅力が基本になっている支配のことです。
危機的状況で作用します。

カリスマ的支配の具体例は

・ナポレオンなどの軍事的英雄
・モーゼといった予言者

などを挙げることができます。

カリスマって有名人で言ったらジャニーズの方々じゃないかなって思います。
個人的には「こんなにかっこいい人、本当に私たちと同じ時間に生きているのかな?」ってくらい
神様のように感じています。

つまり、カリスマ的支配というのは非日常的、非合理的なものです。

ところで

カリスマ的支配には

・官職カリスマ
・世襲カリスマ

があって、どちらかというと世襲カリスマの方が有名です。

世襲カリスマとは血統のよさが重視される場合のカリスマのことで
世襲ですから同じ血統の人(近親者)でないとなれません。
カリスマ的支配は近代以降の社会でもみられます

カリスマ的支配は
カリスマ的支配はどういうときにあらわれてくるのでしょう?
危機的な状況であらわれてきます。

『世襲カリスマ』が世襲カリスマの具体例になります。
世襲カリスマの典型例は日本だと天皇家です。

天皇は血統でずっと続いていますからね。

カリスマ的支配というのは超人的な人間が出てきて
その人の魅力によって支配してくるということです。

中国の歴史で挙げると孔子という哲学者がいった徳治主義(徳によって治めていく)と
世襲カリスマは同じ意味になりますね。

(2)伝統的支配

伝統的支配というのは伝統社会で一般的なもののことです。
伝統的支配はずっと続いてきた伝統こそが支配の根拠になっています。

長老


具体例は長老支配が具体例で、近代以降でも存在します。
いろんな慣習が現在にだって存在していますからね。
長老支配が存在する場所だって今でもあるわけです。

ちなみに村の長老(長生きしているお年寄り)のことです。

長老支配って普通の老人です。
長老はカリスマではありませんからカリスマ的支配に該当しません
長老はたまたま長生きしているだけで
すごい人かどうかはわかりません。
ほかにも家長制、古代王朝でも伝統的支配の具体例になります。

(3)合法的支配(合理的支配)

合法的支配は近代国家で一般的です。
私たちも法にのっとって生活していますからね。

合法的支配の例として官僚制があります。
だから合法的支配は官僚的支配ではありません。
合法的支配の例が官僚制です。

官僚というのは法にのっとって仕事をしていきます。
その官僚は国民に命令をします。
国民は官僚その人に従っていると思っていません。
そうではなくて官僚が法にのっとって仕事をしているので
その法に正当性を見出しています。

だから官僚その人の命令に従っているのではなくて
その官僚がのっとっている法に国民は従っているということです。
だから官僚が偉いのではなく法が偉いという感じですね。

これを『非人格的なものに従っている』と表現したりします。

さっき解説したカリスマ的支配のカリスマは『人』。
だからカリスマ的支配は『人』に従っているのと一緒です。

伝統的支配の具体例である『長老支配』の長老だって人です。
だから伝統的支配も『人』に従っているわけです。

でも近代の国家において私たちが従っているのは『人』ではなくて『法』です。
官僚という『人』が命令していても
官僚の背後にある『法』に従っています。
だから非人格的なものに従っているという点がカリスマ的支配や伝統的支配との違いになります。

ちなみに合法的支配の問題点としては法としての体裁が整っていたら
国は法にさえのっとっていれば何をやってもいいみたいな発想になりがち。
これを法律万能主義といいます。

以上で解説を終わります。