今回の記事では
シュッツが確立した現象学的社会学についてわかりやすく解説します。
シュッツが確立した現象学的社会学とは?
シュッツさんが確立した現象学的社会学とは
どんな社会学なのでしょうか?
例を挙げながら解説していくことにしますね。
たとえばあなたが会社員だとしましょう。
ただあなたの会社は倒産してしまいました。
あなたは完全に失業者です。
明日から生きていくためのお金もありません。
失業保険だっていくら会社都合の退職であっても
その日からもらえるわけではありません。
もし一家の大黒柱だったら
家族も路頭に迷ってしまいます。
そうなったら本当にこの世界が景気が悪くて
将来に希望を見出せなくなってしまいますよね。
こんな感じで
倒産してしまった会社に社員にとって今の社会は
会社が倒産してしまうほど不景気だという現実に向き合っているわけです。
倒産した会社の社員から見た
現代社会というのはその社員にとっては過酷な現実として感じることでしょう。
ところが今の社会の中でもソシャゲとか作っている会社は非常に業績がよいわけです。
弟がとあるソシャゲの会社で働いてるんだけどとあるゲームの売上が良かったので冬のボーナス増えたんだって。みんなの課金がうちの弟の懐を潤してて何か経済回ってるなぁと思うなどした。
— 朱鳥(あじゅ) (@aju1123) February 16, 2022
冬のボーナスなんかもいっぱいもらえることでしょう。
そういう会社の社員にとっては現実の世界というのは
凄く景気のよい社会という現実に向き合うことになります。
同じ社会の現実でありながら
自分がその社会とどういう部分で関わっているかによって
その社会が景気が悪くて会社が倒産して一家が路頭に迷うような冷酷な社会として現れたり
あるいはソシャゲの会社の社員のように
ボーナスもいっぱいもらえるという好景気な社会として現れたりと
個人によってどんな社会が現れるか?は千差万別なわけです。
だから最初から「みんな給料10万円」とか「みんな倒産」みたいな
客観的でみんな同じ現実があるわけじゃありません。
自分にとってその社会がどういう形で現実となって現れるか?は
自分の立ち位置によって(倒産する会社の社員か、
ソシャゲのような儲かっている会社の社員かによって)
その社会というものの意味が違った形で表れてくるわけです。
倒産した会社の社員だったら過酷な現実として現れますし
業績のいい会社の社員であれば業績のいい世界としてその人に現れることでしょう。
ということは一人一人によって
この社会がどんな意味を持つのかは違って現れるということです。
人によって意味内容が違ってきますからね。
それがまさに『現象学的』社会学です。
その人にどういう形で『現象』として現れてくるかは
その人がどういうところで現実と向き合っているかで違ってくるというのが
現象学的社会学ということです。
以上でシュッツが確立した現象学的社会学についての解説を終わります。