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一般知識

ジョンロールズの正義論についてわかりやすく解説

権威主義的パーソナリティ アドルノ




今回の記事ではジョンロールズの正義論についてわかりやすく解説します。

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ジョンロールズの正義論

ジョンロールズの正義論は自由主義と関係しています。
なので先に自由主義を考える上でのポイントを
簡単に説明させていただきますね。

自由主義を考える上でのポイント

自由主義を理解するために

・才能の差
・現在の地位

というものを考えてみましょう。

この記事を読んでいるあなたは今どんな立場の人ですか?
あなたは『ジョンロールズの正義論』のことを知りたくてこの記事を読んでいるはず。
だから大学生とか社会人である可能性が高いと思います。
まさか小学生や中学生がジョンロールズの正義論について
調べているとは思えません。

そんな人がいたら将来総理大臣になって
日本を引っ張っていってほしいです。

たとえばアインシュタインなんて小学生のころには微分積分をマスターしてたって話です。
小学生でジョンロールズの正義論を勉強するのも将来がかなり有望な人だと思います。

そんな話はさておき、
あなたは今、大学生かあるいは過去大学生だったとしましょう。
ではここで質問です。
あなたが大学に行けたのは誰のおかげですか?

「そりゃ、自分の努力(個人の努力)のおかげに決まってるじゃないですか!」
って自信満々に答える人もいるでしょう。

面白いことに偏差値が高い大学になればなるほど
自分の努力のおかげだと考える人が多いようです。
そりゃ、必死で自分で問題集を解いたり
過去問を解いたりと1日10時間とか14時間とか勉強しないと
東京大学とか京都大学に受からないでしょうから、
自分の努力で合格したと言いたくなる気持ち、すごくわかります。

では次の質問です。

ロールズの正義論は自由主義的な考え方なので
質問させていただきますが、

どうして自由を考えないといけないのでしょう?
今の自分の立場で大学受験ができたり
就職試験を受けたりといった状況というのは
どうやって切り開いたのでしょう?

・自分の努力
・偶然

のどちらかを答えた人が多いでしょう。

でも偏差値が高い大学に行けば行くほど
「自分の努力のおかげだ」という人が多くなってくるようです。

逆にもしあなたが大学4年生だとします。
大学4年生の中には就職が決まらない人もいますよね。
それはだれの責任だと思いますか?

本人の努力の問題なのでしょうか?
本人の努力の問題だとしたら根性が足らないのでしょうか?
それとも不況だから就職が決まらないのでしょうか?

たとえば同じ大学の4年生で
就職活動をしているのに、就職が決まる学生もいれば決まらない学生もいますよね。
だとしたら就職が決まらない学生というのは
努力が不足していると考えることもできますね。

「100社くらい応募したの?
してないなら根性が足りないだけだよ!」みたいな根性論です。

逆に不況で求人が激減しているということであれば
それは個人の努力ではどうにもならない話ですね。
たとえば、100人応募しても1人しか採用されないくらいの狭き門だったら
さすがに本人の努力の問題だという人はほとんどいないでしょう。

こういうことを前提に
今のあなたの置かれている状況って誰のおかげなのか?
というところから自由主義というのは考えられるのです。

個人の努力の差であって頑張らない人が悪いという捉え方をするのは
ハイエクやノージックという思想家の考え方になります。
この考え方に立つと就職できるかどうかは個人の努力の差だと考えます。
就職できないのは
その人の責任だから政府は放っておけばよいという結論になります。
どうして就職できない人に税金を投入するの?くらいの考え方にもなりえます。
個人的にはちょっと上から目線の考え方だなって感じてしまいますが
あなたはどう思いますか?

この考え方でいくと『小さな政府』とか
最小国家』が理想になるわけです。
ここからネオリベラリズムにつながります。

逆に現在の地位というのは自分の責任ではないと考える人もいます。
うまくいっている人は「偶然うまくいっただけでしょ!」って考えるわけです。

どうして「偶然うまくいった(偶然の産物ということ)」と考えるかというと、
どういう環境で生まれ育つかによって、
そのあとが変わってくるからです。

たとえば年収1億円の開業医の家庭に生まれたら
私立大学の医学部の高額な学費だって問題なく支払えるでしょう。
私もそんな家庭に生まれたかった。うらやましいです。

そんな話はさておき
年収1億円の開業医の家庭に生まれたら
私立医学部を目指して医者になることもできます。

でも年収が100万円の家庭に生まれたら
私立医学部に行くことって絶対にできませんよね。
だって入学金とかだけでも数千万円かかる私立医学部なんてざらにありますから。
年収100万円だったら数十年間は飲まず食わずで貯金しないと無理です。
しかも入学時だけで数千万円だっていっているわけです。
医学部は6年制ですから、これからまだまだお金がかかります。
どう考えても年収100万円の家庭では私立医学部は無理ですね。

年収100万円の家庭に生まれるだけでも
医者になれる確率はかなり下がりますよね。

自分が親を選んで生まれてきたわけではないわけです。
たまたまお金持ちの家に生まれたのかもしれないし
たまたまそうじゃない家に生まれたのかもしれません。

個人の問題ではないということです。
つまり、偶然の産物だということです。
こういう考え方をするのは今回の記事のテーマになっている『ジョンロールズ』であったり
THグリーンさんだったりします。

そうなると偶然の産物だったら自分が偶然いい思いをしているのであれば
それを人に返してあげてもいいのではないか?という考え方につながるわけです。
結果、『大きな政府』につながり、現代自由主義(リベラリズム)につながります

ここまでをまとめると今の地位や才能の差というのは

・個人の努力による差であると考えるのはハイエクやノージック。
⇒政府は放っておけばよいという結論につながりやすい
⇒小さな政府、最小国家とつながり
⇒ネオリベラリズムにつながる
⇒福祉国家に批判的になる

・偶然の産物だと考えるのはジョンロールズやTHグリーン。
⇒自分が偶然いい思いをしているのであれば
それを人に返してあげてもいいのではないか?という考えにつながりやすい
⇒大きな政府につながる⇒リベラリズム(現代自由主義)につながる
⇒偶然だと考えると福祉国家を認める考えにつながる

ということです。

以上のように、今自分が置かれている状況がどういうものか?
と考えたときに、あなたの自由に対する考え方が出てくるわけです。

次にジョンロールズの正義論につながっていきます。
以下、詳しく解説します。

ジョン ロールズの正義論についてわかりやすく説明します

ジョンロールズの正義論が求めていることって何か?というと
自由の平等化』です。

自由の平等化とは自由がよいものであるなら
それが多くの人に行きわたるようなものでないといけないという考え方のこと
です。

ところで
最悪の事態を避けようとして人々は行動する。
そうすることによって正義の原理を受け入れるとジョンロールズは仮定しました。

正義の原理は3つあります。

正義の原理は

1つ目は第1原理で『平等な自由の原理』
2つ目は第2原理aで『格差原理』
3つ目は第2原理bで『公正な機会均等原理』

です。

最悪の事態を考えてみんな正義の原理を受け入れます。
第1原理の『平等な自由の原理』というのは
社会のいたるところが平等になっているなら
誰でも基本的な権利を要求できるということです。

第2原理aの『格差原理』とははたとえば貧乏な人たちに利益をもたらすような不平等であるなら
その不平等は認めてもOKだということです。具体例としては生活保護を挙げることができます。

第2原理bの『公正な機会均等原理』というのは
たとえば会社の代表取締役は、新入社員よりも
いっぱいお給料をもらっているはずですよね。

同じ人間で平等だと考えたら給料に差があるのは不平等な気がします。
でも代表取締役になれるチャンスがそこの会社のスタッフなら
誰にでもあるのであれば不平等は差し支えないと考えるのが
第2原理bの『公正な機会均等原理』です。

そして優先順位は
第1原理『平等な自由の原理』が1番、
第2原理b『公正な機会均等原理』が2番
第2原理a『格差原理』が3番
となるとジョンロールズは主張しました。

なのでまず平等な自由が必要で次に機会均等(誰でも社長になれるチャンスがある)
最後に格差原理(それでもダメなら生活保護)だということです。
だからもっとも不遇な人に対する何か給付(生活保護など)
というのは一番最後だということになります。

あと結局、不遇な人にサービスをする(生活保護)とか
公正な機会均等な条件下での勝ち負け(勝ったら社長になって高給取り、成功者)ということは
第2原理b『公正な機会均等原理』でも
第2原理a『格差原理』でも不平等を生み出しているわけです。
不平等を条件付きでロールズは認めています。

生活保護をもらえる人がいる反面
働いて税金を払って苦しい思いをする人だっているので不平等だという人もいますよね。
社長になるために頑張ったのに
他の人が社長になったら悔しいし「不平等だ!」って叫びたくなるかもしれませんね。

第2原理b『公正な機会均等原理』において
本当にちゃんとした競争、たとえば大学入試であっても公務員試験でも
合格する人もいれば、不合格になる人もいますね。
合格した人は大学に入学したり就職して給料がもらえます。
でも不合格の人は浪人生になったり給料がもらえません。
それって不平等だといってもその不平等は認めるとロールズは考えます。

なぜなら公正な試験をやった上ならOKですよということ。
もし公正な試験でないなら認めないということにもなります。

第2原理a『格差原理』でも
たとえば生活保護を支給したって本当に困っている人に対する支給なら問題ないということです。
以上がジョンロールズの正義論ということになります。

この正義論に対して批判が出てきます。
ネオリベラリズムです。

次の記事ではネオリベラリズムについて解説する予定です。