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一般知識

警察国家・夜警国家・福祉国家についてわかりやすく解説

警察国家 夜警国家 福祉国家




今回の記事では

・警察国家
・夜警国家
・福祉国家

についてわかりやすく解説していきます。

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警察国家

まず警察国家からです。
警察国家は17~18世紀のヨーロッパの絶対君主制のころの話です。
ところで警察国家の『警察』はドイツ語ではポリツァイ(Polizei)です。
Polizeiは英語のPoliceと同じ意味ですが、
特にドイツ語のPolizeiには福祉行政という意味合いがあります。

だから警察国家は福祉行政国家と同じような意味があると思ってください。

このとき誰が政治をやっていたのでしょう?
誰が政治をやっていたか?を政治主体といいますが、
警察国家の政治主体は君主(王様)です。
絶対君主のころの話ですからね。
君主が政治をやっていました。

警察国家のときの経済体制は国家が経済に介入する『重商主義(じゅうしょうしゅぎ)』でした。

それから警察国家における人権はありませんでした。
人権という考え方はありません。
人々はかなり不自由な、監視されているような社会に生きていました。
そういう状態から抜け出したいと思って反発して市民革命が起き、
生まれてきたのが夜警国家です。

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夜警国家

夜警国家の夜警とは何でしょう?
夜警とはガードマンのことです。

警察国家は警察で夜警国家はガードマンです。
警察よりガードマンの方が権力を持っていませんよね。
やれることが少ないわけです。

ということは夜警国家では人々を放っておいてくれるってことです。

夜警国家のとき、誰が政治をやっていたのでしょう?
政治主体は市民革命を起こした市民でした。
ただこの時の市民はただの市民ではありません。
財産と教養のある市民』が政治主体でした。

財産と教養があるとはどういうことでしょう?
財産と教養があるということは勉強することができますよね。
勉強するのには本を買ったり先生から学んだりする必要がありますから。
お金を払って勉強して教養を身に付ける結果、理性的になれると考えます。

なので夜警国家の政治主体は市民は理性的で
財産と教養がある市民
ということです。

夜警国家のときに考えられていた経済体制ですが。

警察国家のときには王様が経済に首を突っ込んでいました。
すると商人は自由に商売ができません。
でも、市民革命を起こしてまで夜警国家が誕生したわけです。
だから、夜警国家では市民の人たちは自由に経済活動をしてお金を稼ぎたいと思っていました。
なので、なるべく国家はなるべく経済に首を突っ込まないことを望みました。
これを自由放任主義といいます。
自由放任主義はアダムスミスの考え方です。

このときの一番重要な人権は自由権です。
自由権の考え方は『~からの自由』です。
国家からの自由とか権力からの自由があります。

放っておいてくれるのが一番いいということです。
国家は私たちの生活や経済に介入しないでほしい、
最低限のことだけやってくれればいいと考えました。

できるだけ市民の生活や経済に介入しないわけですから、
政府の仕事はどんどん少なくなっていきます。
夜警国家では『小さな政府』となりました。
政府のやることが少ない(小さい)から小さな政府です。
覚えやすいですね。

親と暮らしていると、「宿題ちゃんとやりなさい!」
「YOUTUBE見てないで早く寝なさい!」
みたいにうるさく言われるじゃないですか。
これは警察国家的な感じですよ。

でも、夜警国家だと親は子供であるあなたを放っておいてくれるわけです。
「YOUTUBE見ないで!」って言われないから、
一日中、ベッドに寝転んでYOUTUBE見ながら、ポテトチップ食べたりできます。
となると親(政府)は子供(あなた、市民)にやることがありません。

親の存在が小さくなります。
これが小さな政府ってことです。

人々はなるべく自分たちの自由を維持したいと考えていました。
自由を維持するために重要なのが『法律』です。
「ここからここまではしていいけど、これ以上はやっちゃだめだよ」
みたいなことです。

どんな法律を作るかによって自由の範囲が決まってくるので
夜警国家は『立法府』が優位な国家なので「立法国家」です。

夜警国家により自由競争が加速しました。
自由競争ということは市民同士のビジネス戦争です。
たとえばあなたがパン屋さんで、近くにパン屋さんがあったら
お客さんの取り合いになります。
よりおいしいパンをより安く売らないと、どちらかのお店はつぶれるかもしれません。

こんな感じで自由競争の結果、勝ち組と負け組が生まれてきます。

現在でもニートやフリーターって言葉がありますが、
夜警国家でもニートやフリーターみたいな人はいたそうです。

その後、普通選挙制ができ、
また世界恐慌が起こり、結果、福祉国家が誕生します。

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福祉国家

福祉国家の政治主体は大衆です。
大衆とは非合理的で操作されやすい人のことです。

なぜ大衆が政治の舞台に登場するようになったのでしょう?
普通選挙制の実現です。

世の中、お金持ちとお金持ちでない人だったら
お金持ちでない人の方が多いでしょう。
お金持ちをライオン、お金持ちでない人をライオンに食べられるシマウマとしたら
ライオンの方が数は少ないはずです。
でないとライオンの周りにシマウマがいなくなり、
ライオンは餓死してしまいますから。

これと同じでお金持ち(労働者から搾取する社長とか)とお金持ちでない人(労働者)だったら
お金持ちの方が少ないはずです。

お金持ちでない大衆から支持を得たいと思ったら
政治家は「あなたの生活をよくしますよ」と政策を作るわけです。
でないと政治家は当選できませんからね。

結果、修正資本主義が登場します。
修正資本主義は国家が経済に介入してくるケインズの経済学の考え方です。
修正資本主義は基本的には国家が経済に介入して有効需要を作り出すことを考えますが、
これを経済政策といいます。

それから福祉国家が誕生したことで
参政権(政治への自由)と社会権(健康で文化的な最低限度の生活を営む権利)の2つの権利が生まれました。
社会権は1919年のワイマール憲法に規定されています。

社会権があるということから社会政策(国家は最低限度の生活を保障しないといけない)が必然的に出てきます。
国家は積極的に人々の生活の中に介入してくるということです。

経済と社会に国家が介入するということは
国家がやる仕事は大きくなります。

結果、福祉国家は『大きな政府』となります。
政府の仕事は増えてくるわけですから、
そこで働く人が必要になります。
これが公務員です。

大きな政府になるということは公務員が経済政策や社会政策の末端で働くことになります。
結果、行政国家となります。
末端で働いている公務員の方が政治家より行政のことがよくわかるので
行政の人たちが政策を作ることになります。

また福祉国家は経済や社会に積極的に介入していくことから『積極国家』といわれたりもします。

以上で、警察国家、夜警国家、福祉国家についての解説を終わります。