※アフィリエイト広告を利用しています

一般知識

核家族普遍説とは?わかりやすく解説

核家族普遍説とは




今回の記事では核家族普遍説とは何か?解説します。

スポンサードリンク




核家族普遍説とは?

核家族普遍説

一組の夫婦と未婚の子供からなる家族のことを核家族といいます。
これがあらゆる家族のバリエーションの最小の単位(ユニット)です。
核家族を最小単位としながら世代的に縦(おじいちゃん、おばあちゃんなど)に連結したり、
あるいは配偶者の一方をもとにして横に連携する。

そのことによってマードックは拡大家族という家族の類型を提唱しています。
この核家族が世界中にある家族の原形である、
最小の単位であって
地域とか時代とか国を限定しないで普遍的にみられる家族の最小のユニットだとマードック社主張しました。
これを核家族普遍説といいます。

核家族普遍説はマードックさんが主張した説です。

家族社会学って言ったらマードックといえるくらいです。
世界中のいろんな部族の家族の生活習慣を調べたところ、
少なくとも20世紀の地球上に完全な乱婚制(多夫多妻のこと)の社会がないことがわかりました。

なぜ乱婚制があるのかないのか?調べたのかというと、
家族進化説という説があったからです。

家族進化説とは?

家族というとあなたは何を想像しますか?

家族っていうと、1人の男性と1人の女性が結婚して
そこで生まれた子供がその夫婦が愛情をもって責任をもって育てるというのが一般的だと思います。

ただ、150年ほど前の人ですがモーガンさんは
家族の形というのは文明社会の特殊なものであって昔は違ったと主張しています。
モーガンさんが注目したのはアメリカ先住民インディアンのイロコイ族でした。
なぜなら、モーガンさんが生きていたときよりもっと昔の生活なんて
知ることができないからです。

モーガンさんは文化人類学者だったので
未開社会の研究がテーマでした。
で、イロコイ族が原始的な生活をしているように見えたため
おそらくヨーロッパ人だって5000年くらい前はイロコイ族みたいな生活習慣だったのではないか
と過去を知る手掛かりになると思ったわけです。

モーガンは最初は乱婚制だったと主張しました。
乱婚制というのは夫婦関係が一定しない制度です。
夫婦関係が一定しないので子供が生まれた時に母親は誰かわかりますが
父親が誰かわかりません。

父親が誰かわからないといっても
今みたいに人の出入りはありません。
みんな一生、同じ村の中で暮らし続けるわけです。
少なくとも相手の男性は村の男性の誰かであることは間違いありません。

だったらみんなの子供である可能性があるので
みんなで育てようとなるわけです。

他にも一夫多妻制とか一妻多夫性があります。
一夫多妻制というのは一人の男性に対して複数の女性のパターンです。
アラブのお金持ちみたいなイメージです。

一妻多夫性は一人の女性にたくさんの男性のパターンです。

で、一妻多夫性や一夫多妻制から一夫一婦制へと進化したといわれています。

ここまでを理解して核家族普遍説の解説に戻りましょう。

核家族普遍説

マードックさんは乱婚制があるのかないのか?調べたと先ほどいいました。
家族進化説からの主張があったためです。
要するに乱婚制から一夫多妻制や一妻多夫性を経て
現在の一夫一婦制になってきたんだとする説です。

20世紀には乱婚制の社会はないと調べた結果わかったわけです。

 

そしてマードックさんがデータを集めた結果、
社会構造という書籍の中でいろんな家族の形があるように見えるけど
基本的なパターンは決まっていると主張しました。

どんな形の家族であろうと
必ず基本的なパターンがあるということです。
基本的なユニットになるのが夫婦と未婚の子からなる核家族です。

よく「核家族化してる」みたいな言い方をする人が多いですよね。
核家族化という言葉はマードックさんが提唱した言葉なんです。

マードックさんは今から70年ほど前に活躍していた人なので
核家族という言葉は今から70年前にできた言葉だということです。

もちろん、核家族だけでなく
もっと大きな家族で暮らすということがあります。
でもどんな形の家族も結局は核家族の組み合わせで考えられるとマードックさんは主張します。

スポンサードリンク




マードック|家族の類型

マードックは核家族をコアにしながら
家族の類型を3つに分けました。

マードックによる家族の類型

(1)核家族
(2)拡大家族
(3)複婚家族

です。

世界中の家族は上記3つのどれかに該当すると
マードックは分類しました。

拡大家族

マードックさんが主張した核家族の組み合わせとして『拡大家族』があります。
夫婦と未婚の子供からなる家族を核家族といいます。
その核家族をもとにしながら世代的に子供が配偶者と一緒になって
さらに孫ができていく。
こんな感じで縦世代へという形に核家族が連結したのが拡大家族です。

わかりにくかったかもしれないので
もう少し具体的に解説させていただきます。

たとえば結婚しても家にとどまり続けて
二世帯、三世帯と同居していくような家族の形態が拡大家族です。
おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん、子供たちという感じで
世代を超えて縦の系譜でつながっていく家族のことを核家族(拡大家族)といいます。

縦に核家族が繋がっているパターンが拡大家族です。
さざえさんみたいな家族形態のことですね。

ちなみにその後、リトワクさんによって修正拡大家族という用語が生まれています。
修正拡大家族とは?わかりやすく解説

他にも複婚家族(ふくこんかぞく)があります。

複婚家族

一夫一婦制は日本の常識。
でも世界的に見ると一夫一婦制以外の形態もあります。
例えば一夫多妻制。
一人の夫と複数の妻です。
逆に一人の妻に複数の夫という一妻多夫制もあります。

そういうのを複婚家族といいます。
夫や妻が複数の配偶者と結ばれているのを複婚家族といいます。

たとえばイスラム教は奥さんを3人までめとることができます。
ただし、条件があります。
4人を食べさせていくだけの経済力と
4人を平等に愛するという条件を満たさないといけないことになっています。

逆にアフリカのある部族は一妻多夫制です。

男女比がかなり違っていて
そういう形態をとらないと社会が成り立たないというところもあるようです。

だから世界的にみると複婚家族も結構あるということです。

複婚家族というのは一夫多妻制とか一妻多夫性のように
同じ世代で複数の核家族が横に繋がるパターンのことです。

スポンサードリンク




核家族普遍説とは結局どういうこと?

つまり、縦に核家族が繋がっていくのが拡大家族で
横に拡大家族が繋がっていくのは複婚家族です。

結局拡大家族も複婚家族も核家族の組み合わせにすぎません。
もちろん核家族だけで暮らすこともあります。
そうじゃなくて核家族がいくつか合体してもっと大きな家族の形態になることもあるわけです。

でも結局どんな家族にも核家族は必ず含まれていますね。
このような考え方を核家族普遍説
といいます。
普遍ということですから、例外なくどこでもなんでも、時代や社会に関係なく
家族には必ず核家族が含まれていると考えます。
これが核家族普遍説です。

ここまで理解したらこちらの問題は答えられるはずです。

以上で解説を終わります。