一般知識

人間生態学とは?わかりやすく解説

人間生態学とは




シカゴっていうのは19世紀から20世紀にかけて人口が急拡大していきました。
1850年に3万人だった人口が1930年には330万人と100倍以上に急拡大していきました。
そのような急激な都市化をしていったシカゴにおいて研究が進みました。

シカゴ学派といっても政治学や経済学のシカゴ学派と別物です。
単に大学が一緒というだけです。

政治学のシカゴ学派、経済学のシカゴ学派、社会学のシカゴ学派、
それぞれメンバーも違いますし、考え方も違います。

社会学におけるシカゴ学派が使っていたのが人間生態学です。
英語ではhuman ecologyといいます。

今回の記事では人間生態学とは何か?
わかりやすく解説していきたいと思います。

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人間生態学とは?

そもそも生態学ってあまり聞いたことが内と思います。
そんなに一般的な用語ではありませんからね。

生態学というと

・植物生態学
・動物生態学

が有名です。

たとえば植物生態学というのは植物が環境に適応して
住み分けている状況などを研究していたりします。

たとえば山の斜面でも標高によって生えている植物が違います。
山の斜面のうち低いところというのは風も弱いし暖かいので
幅の広い葉っぱで、しかも比較的背が高い植物が生えています。
でも、だんだん標高が上がると気温も下がるし風も強くなっていくので
背丈も低くなっていき幅の狭い葉っぱになっていきます。

さらに上に行くと生えていないみたいな感じで
環境に合わせて植生が変わっていきます。

動物生態学だと動物同士のすみわけ、共生関係を見ます。
熊の群れ、鹿の群れ、猿の群れがお互い競争関係にありつつも
住み分けているわけです。

そういったことを動物生態学では研究します。

1800年代後半のシカゴにはいろんな移民がいました。
イタリア系移民、中国系移民、ポーランド系移民、ドイツ系移民などいろんな移民がいました。
でも、みんなそれぞれ混ざらず、住み分けていました。
移民同士のすみわけのパターンというのはあたかも猿や熊などの群れと
同じように見ることができるのではないのか?
動物の生存競争の延長線上に移民同士の共生関係を見ていこうとしたのが人間生態学です。

上記定義はロバートパークさんたちが書いた書籍『都市 人間生態学とコミュニティ論』によるものです。
都市 人間生態学とコミュニティ論【中古】

人間生態学では人間と環境と接触している面を『生活』と定義します。

ちなみにロバートパークさんはコミュニティとソサエティを区別しています。
特にロバートパークが定義するコミュニティは独特なので注意が必要です。

ロバートパークによるコミュニティとソサエティとは

・コミュニティは無意識の競争の結果できあがった共生的秩序のこと(人間だけでなく植物にも動物にもある)
・ソサエティはコミュニケーションと合意で意識的に作り出された道徳的秩序のこと(人間だけのもの)

です。

一般的にコミュニティといったらマッキーヴァ―の意味で使います。
マッキーヴァーのコミュニティとアソシエーションとは?

マッキーヴァーが主張するコミュニティーとは
人の共同体とか共同社会のことです。

コミュニティセンターみたいな地域コミュニティがあるので
なんとなくコミュニティといったら人間の共同体をイメージするかもしれませんが、
植物生態学や動物生態学でもコミュニティという言葉を使います。

植物生態学におけるコミュニティのことを群落といいます。
動物生態学におけるコミュニティーを生物群集といいます。
個体群・生物群集・群落とは?わかりやすく解説

つまり植物同士がお互い住み分けていく、共生関係を指してコミュニティといいます。
なので、コミュニティという言葉自体は人間だけのものではありません。
動物植物にもあります。

これに対してソサエティというのは意識的なコミュニケーションに基づいて
作り上げられるものなので人間社会だけのものになります。

以上で解説を終わります。