前回の記事ではR.K.マートンが提唱した順機能と逆機能について
例を挙げながら解説しました。
⇒順機能と逆機能とは?例を挙げてわかりやすく解説
今回の記事では同じマートンが提唱した
顕在的機能と潜在的機能について例を挙げながら解説していきたいと思います。
潜在的機能と顕在的機能とは?

顕在的機能の『顕在』というのは明らかな、はっきり表れているという意味です。
なので、本人たちが自覚しているものを顕在的機能といいます。
つまり、本人たちがそのつもりで結果も予想の範囲内、
主観的意向と客観的結果が一致しているものを顕在的機能といいます。
主観的意向というのはAとBがあったら、
BよりAを選ぶ気持ちの方が強いみたいな心の中の状態のことです。
客観的結果というのは誰が見ても明らかな結果です。
なので心の中ではAとBならAの方がいいなと思っていて
実際、結果としてAになった場合は顕在的機能になりますね。
他にもC子さんが呪いの藁人形を使って、
彼氏の浮気相手D子を怪我させてやろうと思ったとしましょう。
私は呪いの藁人形を信じていませんが、
実際に、D子さんは階段から落ちて怪我をしたとします。
これは顕在的機能の具体例になります。
C子さんはD子さんを怪我させてやろうと主観的意向を持っていて
結果、D子さんがケガをしたという客観的結果が得られたわけですから。
また、前回の順機能と逆機能の話にもなりますが、
C子さんは彼氏が自分の元に戻ってこなくてもいいと思っていました。
D子さんはケガをした結果、入院したため、
彼氏がC子さんのもとに戻ってきて結婚したとしましょう。
そして子供が生まれて幸せに暮らしたとします。
これはプラスに働いていますね。
だから順機能となります。
⇒順機能と逆機能とは?例を挙げてわかりやすく解説
顕在的機能に対して潜在的機能とはどういう意味でしょう?
潜在的機能の『潜在』とは潜っているけど、確かにそこにあるという意味です。
つまり、潜在的機能の場合には本人たちは気づいていないという意味になります。
そのつもりがないってことです。
ですので、本人たちはそのつもりはないけど、
結果的に何らかの役割を果たしているということを潜在的機能といいます。
なので、潜在的機能の場合には主観的意向と客観的結果は不一致になります。
予想外の結果=潜在的機能と言えるでしょう。
たとえばAとBだとどちらがいいかな?ということに気づいてないとか
どうでもいいと思っていて、結果、AとかBになっているケースだと
潜在的機能になります。
社会学で例えると、プロテスタントの人たちは資本主義を作りたいと思って
活動していたわけではないのに、結果、資本主義の形成にプラスに働いたので
これは潜在的機能の具体例になります。
なので潜在的機能は意図せずに結果を生むという意味合いもあります。
ここまでを簡単にまとめると潜在的機能というのは予想外の結果で
顕在的機能というのは予想の範囲内の結果のことです。
もし順機能と逆機能の記事をご覧になっていない方はこちらをご覧ください。
⇒順機能と逆機能とは?例を挙げてわかりやすく解説