順機能と逆機能を提唱したのはマートンさんです。
ただ、細かい話ですがマートンはたいていR.K.マートン(ロバートキングマートン)と表記されます。
たいていの学者さんはせいぜいR.マートンくらいの表記になるのですが、
このお方はR.K.マートンとKまで入っています。
どうしてだと思いますか?
R.K.マートンさんの息子にR.C.マートン(ロバートコックスマートン)という有名人がいたから
区別するためにあえて名前の真ん中にKを入れているんです。
お父さんのR.K.マートンさんも有名人ですが、
息子のR.C.マートンさんもノーベル経済学賞をとっているんです。
超エリート家庭ですね。
こんな感じで文系の学問で親子ともに有名人なので
R.K.マートンと間にKが入ることが多いです。
マートンさんは前回解説したパーソンズさんの影響を色濃く受けています。
⇒パーソンズが提唱した行為システムとは?わかりやすく解説
では以下、マートンさんが提唱した順機能と逆機能について解説していきます。
順機能と逆機能を例を挙げながら解説
マートンさんも機能という観点で物事を考えます。
部分が全体にどのように貢献しているのか?ってことです。
実際のところ、部分は全体にプラスに働くとは限りません。
マイナスに働くこともあります。
単純に部分が全体に貢献しているというだけでなく
プラスマイナスに分けて分析するようになります。
このうちプラスの働きのことを順機能、
マイナスの働きのことを逆機能といいます。
たとえば、私たち人間の体には脳があります。
脳が心臓を動かす神経があったり、胃を動かしたりしているんです。
なので、脳がないと私たち人間は生きていけません。死んでしまうでしょう。
ということは人間の体という全体から見て、脳という部分はプラスに貢献しています。
つまり脳は順機能です。
もしあなたの腸に回虫が住みついて生活(部分)しているとしましょう。
するとあなたがいくら「お腹がすいた」といってハンバーガーを食べても
腸にいる回虫がハンバーガーの栄養を食べてしまうので太れません。
なので、住み着いた回虫(部分)があなたの体全体にマイナスの影響を与えます。
だから部分が全体にマイナスの影響を与えているので逆機能です。
この逆機能の具体例はほかにもこちらの記事で解説しています。
⇒マートンの予期的社会化とは?例を挙げながらわかりやすく解説
ちなみに順機能と逆機能以外にも没機能もあります。
没機能とはプラスにもマイナスにもならないケースをいいます。
例を挙げると、
盲腸はプラスにもマイナスにも働いていないと言われています。
なので盲腸は没機能の具体例になります。
続いてマートンが提唱した潜在的機能と顕在的機能について解説します。
⇒顕在的機能と潜在的機能について例を挙げてわかりやすく解説