この記事ではミルズのパワーエリートについてわかりやすく解説します。
ミルズのパワーエリートとは?
パワーエリートについて述べたミルズは権力構造論の第一人者です。
権力構造論とはどういうことか?というと簡単にいうと『誰が支配してるの?』
という話です。
その国を牛耳っているのは誰か?ということを
問題にしているのが権力構造論です。
この権力構造論で登場するのが一元的権力構造論として
『C.W.ミルズ』です。
C.W.ミルズはパワーエリートで有名です。
パワーエリートのパワーは『権力』を意味します。
だからパワーエリートは『権力エリート』という意味になります。
パワーエリートは1950年代のアメリカに限定された話です。
つまり普遍的な話ではありません。
時代も限定されていて国も限定されているってことです。
だから1950年代のアメリカに当てはまる話だということです。
パワーエリートとは重要な結果が得られるようなことを
決めることができる地位をしめている人たちのことです。
だからパワーエリートを地位法といったりするのです。
どんな地位にいるか?に着目しているので『地位法(ちいほう)』といったりします。
上記図をご覧ください。
政治家、起業家、軍人がいます。
そして下に一般大衆がいます。
不格好な図ではありますが、
起業家、軍人、政治家というのはその社会の上位3分の1を占めている人たちです。
しかも上位3分の1を占めている人たちで
結束しています。
一枚岩の結束です。
結びついているってことです。
このパワーエリート論が1950年代のアメリカを分析しているってことです。
1950年代というのは米ソ冷戦の時期になります。
米国のGDPと人口の100年間推移。
米ソ冷戦開始時の1950年、人口1.4億人、GDP5兆ドル
2006年に人口3億人を突破、2022年3.2億人、GDP20.9超ドル。完全一人勝ち状態であり、NATOも日米同盟も要らないし、関税枠組みTPPに加入する必要もない。
これは誰が大統領に就任しても変わらない。 pic.twitter.com/zbpu9jaqBj— 松野博 Hiroshi Matsuno (@stonecold2000) January 21, 2022
米ソの冷戦期で実際に戦争はやりません。
でも武器を輸出をして代理戦争が行われていました。
ということはこの冷戦期というのは軍拡競争していたわけですから
軍需産業にアメリカ経済が依存しているわけです。
令和元年氏の言う事も一理あります。
軍拡競争は亡国へのチキンレースですからね。
米ソ冷戦は体力のあった米国が生き残りました(勝利に非ず)。ただ、デグレチャフ氏の言う通り、日本は防衛力の強化に努めていますので、「軍拡競争」にはなりませんね。
— 【紫陽花】花言葉は浮気 Kindle Unlimitedで配信中 (@myst_break) June 19, 2019
アメリカ自体が軍需産業に依存しているということは
そこと関係の深い軍人が力を持つということです。
今後記事にしようと思っていますが、
鉄の三角形は政財官です。
政治家、財界人(起業家)、官僚です。
鉄の三角形では軍人が入っていないのがポイントになります。
もしパワーエリートが公務員試験や行政書士試験の一般知識で問われるとしたら
『軍人』のところになります。
1950年代だということは軍人が力を持っているということです。
それが一枚岩の結束だということ。
どうして一枚岩の結束になるか?というと
パウエルなんかもそうですが軍人から政治家に転身しますからね。
あるいは起業家から大統領、あるいは州知事になったりもします。
パウエルさん、軍人だったからこそ、戦争を避けようとしてたよね…。 https://t.co/K6k7aMWD1G
— MOXA(艾) (@sikifooo) October 18, 2021
こんな感じで政治家への転身ということが一つ考えられるのと
もう一つは結婚です。
お金持ち同士で結婚したりします。
これは1950年代だけじゃなく現代もそうです。
一定の水準の一定の所得以上の人たち同士で結婚していくわけです。
一番結びつき強くするのは結婚ですから
結婚を通じてパワーエリートというのは作られていくということです。
では一般大衆はどうなのでしょう?
一般大衆からパワーエリートにはなれません。
どうしてか?というと結婚しようと思っても
同じ階級、階層の人たちと基本的には結婚します。
⇒階層と階級の違いをわかりやすく解説【社会学】
だからシンデレラストーリーみたいなものはないわけです。
この上位三分の一が政治的なものの決定を牛耳っているとすると
一般大衆の人たちはどうなるでしょう?
政治的無関心になります。
「どうせ俺たち、私たちは何の影響力もないしね」みたいな感じですよ。
今回の記事は以上となります。
最後までご覧いただきありがとうございました。