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一般知識

パーソンズのAGIL図式についてわかりやすく解説

パーソンズ agil図式




前回の記事ではパーソンズの主意主義的行為理論について解説しました。

今回の記事ではパーソンズのAGIL図式について解説します。

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パーソンズのAGIL図式を理解する大前提になる構造機能分析とは?

パーソンズが主張した構造機能分析を明らかにするために提唱したのがAGIL図式です。
なので、パーソンズのAGIL図式について解説するために、
まずは構造機能分析について簡単に説明しますね。

まず社会の中で変わらない部分をフレームワーク(構造)と考えます。
そのフレームワーク(構造)の部分部分が社会全体にどのような貢献、役割を果たしているのか?
研究するのがパーソンズの構造機能分析です。

社会体系そのものはいろんな部分部分で
働いている人たちが全体の社会に対していろんな貢献をしているから
社会が保たれていると考えます。
スペンサーが主張した社会有機体説的な考え方です。

たとえば社会全体の中で進むべき方向を決めていくのが政治の役割です。
政治の中でも内閣総理大臣が最高の行政的な決定をくださいます。
でも、総理大臣は1人では仕事ができません。
決断すべきことがいっぱいあるので、
決断するための情報を1人で集めることなんてできませんからからね。
だから総理大臣を支える国家公務員が必要になります。

総理大臣は社会全体の中の政治の領域の中で
5年後10年後の日本がどうなっていてほしいのかみたいな感じで目標を定めます。
そのもとで働いている公務員の人たちは
目標を具体的な政策にしたり目標を実現するために政策を執行したりします。

他にも社会が外国からいろんな影響を受けます。
その影響を受け止めて社会の秩序を保つために何らかのアクションをとることもあるでしょう。
それから目標を達成するにあたっていろんな部分部分の人たちが
お互いの協力関係の中で仕事をやっていかないと
社会はその目標に到達することができません。
1人で何もかもやれるなんてわけありませんからね。

そんな感じで社会全体の中でいろんな部分があって
その部分が全体の維持に対してどんな貢献を果たしていくのか?
これを構造機能分析という形で社会の中で変わらない部分と
それから部分部分が全体の維持に対してどんな機能、貢献を行っているのか?
を明らかにするというのがパーソンズの社会学の目標です。

これを明らかにするためにパーソンズが提唱したのがAGIL図式です。

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パーソンズが提唱したAGIL図式とは?

パーソンズで有名なのは

・主意主義的行為理論
・AGIL図式

の2つです。

パーソンズのAGIL図式は何の略?

ではAGIL図式って何の略なのでしょう?
AGIL図式とは社会全体が形成・維持されていく一連の機能とか働きをまとめたものです。

AGIL図式のAはadaptationで適応を指します。
これは全体社会の中では経済が役割として果たしています。

それからAGILのGはgoal attainmentの略で
目標を設定して達成するという意味です。
5年後、10年後の日本の目標を定めるのは政治の役割だと先ほど解説しました。
なので、Gが政治が役割を果たしています。

AGILのIはintegrationの略で『統合』を意味します。
目標を達成するためには部分部分の人たちの協力が必要になるでしょう。

航海

たとえば日本の社会を日本の運命を預ける船だと思ってください。
その船がどういう港に立ち寄るのか、これを決めるのは船長です。
船長はこの場合、目標を設定して達成する『G』である政治の役割でしょう。
もちろんこの例に登場した船長は内閣総理大臣のことです。

すると船は船長だけでは航海することはできません。
お腹が空いたお客さんに食事を出さないといけませんし、
調子が悪くなった人がいたらお医者さんの診察が必要になることもあるでしょう。

何日も航海するなら船長は寝ることもあるわけなので
確実に他の乗組員(船員)も必要でしょう。

何がいいたいか?というと船長(内閣総理大臣)だけで航海することができないってことです。

これがIの統合です。
ということは船員同士のコミュニケーションも必要になりますよね。
船長1人だけで航海を成功させるのはほぼ無理ですからね。

船員

ただ、船員だって1人ではありません。
複数人います。人間関係が最悪だったら
お互いが蹴落としあったりして、航海を妨害するかもしれません。
そうならないためにも船員同士のコミュニケーションも必要でしょう。
コミュニケーションをうまくとって航海が成功するように協力する必要があります。

ということでIの統合はコミュニケーションが重要です。

それからAGILのLはlatencyの略で潜在性を意味します。
潜在性とはどういうことでしょう?
乗組員が一通りコミュニケーションをとって仕事を達成したとしましょう。
そして次の世代に継承していかないと社会というのは次の世代にバトンタッチされて行きません。

AGIの3つを通して身に付けて得た役割とか考え方を
文化とか教育を通じて次の世代に継承していかないと
その社会は存続して維持していくことはできません。

要するに車を社長や従業員の力で開発したなら
その開発に必要だった考え方とか、従業員たちの役割などを
次に入ってくる従業員たちに教えていかないと
継承されて行きませんし、進化発展できませんよね。

そうしないと最初に車を作った人たち1代限りで終わりになってしまいます。
だからこそ次の世代にバトンタッチしていく部分がないといけません。
これがLの潜在性です。
文化とか教育が潜在性の役割を果たしていきます。

AGIL図式とは

A:適応の意味で経済が役割を果たす
G:目標を設定して達成することで政治が役割を果たす
I:統合はコミュニケーションが大事
L:潜在性は教育とか文化が役割を果たす

ということです。

このAGILという形で社会が存続維持されていくということを述べたのがパーソンズです。

社会全体の体系がどのように形成維持されるのか?
ということにことにパーソンズさんは最大の関心を持っていました。
だからパーソンズの社会学は体系中心に研究されているので
体系中心の機能主義といわれます。

今後解説するマートンさんは体系中心でなく個々の項目、部分を大切にするので
マートンの場合は項目中心の機能主義として比較されることがあります。