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一般知識

パーソンズの主意主義的行為理論についてわかりやすく解説

パーソンズ 主意主義




今回の記事ではパーソンズの主意主義的行為理論についてわかりやすく解説します。

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パーソンズの主意主義的行為理論とは?

タルコット・パーソンズの著書

タルコット・パーソンズはいろんな本を書いていますが、

パーソンズの代表作は

・社会的行為の構造
・社会体系論

となります。

『社会的行為の構造』は前期のパーソンズの代表作で
『社会体系論』は中期のパーソンズの代表作です。

タルコット・パーソンズの社会学とは?

パーソンズの社会学は社会学の歴史の中では
体系中心的な機能主義だといわれています。
体系中心的な機能主義ってどんな主義なんでしょう?
社会全体の体系を中心に考察するというのが体系中心的な機能主義です。

パーソンズは牧師の息子だった

ところでパーソンズという人は牧師の息子です。
古き良き時代のアメリカの善良な市民みたいな人たちが持っている他者に対する倫理観。
こういった考え方を身に付けた人がパーソンズです。

アメリカの社会学者ってヨーロッパに留学する人が少ない傾向にあります。
ですが、パーソンズはイギリスやドイツに留学しています。
その甲斐あってかヨーロッパの社会学の影響を色濃く受けています。

パーソンズ初期において中心的な課題:ホッブズ問題

社会契約説って聞いたことがありますか?
ホッブズ、ロック、ルソーという人たちが関係しています。

ホッブズは『リヴァイアサン』の著者です。
リヴァイアサン 1 (光文社古典新訳文庫) [ ホッブズ ]

散髪屋


ホッブズはどんな考え方をしていたのでしょう?

たとえばあなたは今散髪屋さんで、髪の毛を切ってもらっているとしましょう。
散髪屋さんには10人のお客さんがいるとします。

イチゴ


そしてそこにはイチゴが植えられていて
そのイチゴしか食べるものがないとしましょう。

あなたが生き残るためにはそのイチゴをとって食べないといけません。
他の人も同じことです。
そのイチゴを奪い取ってでも食べないと生きていけません。

するとそこの散髪屋さんにいるお客さんも店員もみんな闘争状態に陥ることになります。
自分が生き残るためだったら、イチゴを取って食べないと生きていけないわけです。
同じようにイチゴを取って食べないと生きていけない人が
この散髪屋さんの中にはたくさんいるわけです。

そういうときにイチゴをめぐって人々が争いになる可能性がありますが、
それではまずいとホッブズは考えました。
だから自己保存の権利というのを全面的に放棄して
主権者に委ねるわけです。

ゆだねられた権力を利用して主権者は人々の間のいざこざを
うまく調整するような社会契約をホッブズは考えました。

イチゴの取り合いで命がけの争いになるのは大げさな話だったかもしれませんね。
でも、イチゴの取り合いでなくても人の利害関係って
常にぶつかり合ってますよね。

でなかったら喧嘩になんてありませんからね。
サラリーマンだってそうでしょう?
契約をとるためにお客さんやいろんな会社に行って
「~という製品を買ってもらえませんか?」みたいに営業します。
そして同僚よりいい成績を残さないと給料に影響したり
最悪クビになったりするわけですから。

利害関係のぶつかり合い

これだって利害関係がぶつかり合ってますよね。

こんな感じで常に利害関係ってぶつかり合ってるわけじゃないですか。
なのに、どうして社会の秩序は保たれているのでしょう?
そういったことにパーソンズは関心があったのです。

人間は自分の命が一番大事な利己的な存在だとパーソンズは考えました。
人と人との間は争いに発展する可能性がある。
だからいつ社会が崩壊するかわからないわけです。
なのに、崩壊せずに秩序が保たれているのはどうして?
という疑問をパーソンズが抱いたってことです。

そのような問題のことをホッブズ問題といいます。
ホッブズ問題の解決のためにパーソンズはマーシャルとかパレートという経済学者であったり
デュルケムとかウェーバーという社会学者たちの学説を批判的に検討しました。
そしてパーソンズは主意主義的な行為理論を作りました。

主意主義的な行為理論によってホッブズ問題をパーソンズなりに解決したのです。

タルコット・パーソンズの主意主義的行為理論

主意主義的行為理論というのは社会的行為の構造の中で提唱された理論です。

マーシャルやパレートという経済学者、
デュルケム、ウェーバーという社会学者の中でも
主意主義的行為理論は特にデュルケム、ウェーバーの理論を統合したものです。

デュルケムは社会から個人を見る視点を重視しています。
逆に個人が社会に対して影響を与えるという側面を重視したのがウェーバーです。
そんなデュルケムとウェーバーの理論をうまく統合させたものが主意主義的行為理論です。

では具体的に主意主義的行為理論とはどういう理論なのでしょう?

ルール


私たち人間は生まれると
まずは両親から物の見方とか考え方といった行動のルールを教え込まれますよね。

「ちゃんと箸を使って食べなさい!」とか
「他人の悪口を言ったらだめでしょ!」みたいな感じです。
こんな感じやっていいことと悪いことといったルールを
親から教えられますよね。

こういうことを『ルール(規範)が内面化する』と社会学ではいいます。

それからあなたが将来社会人になったら
「どんな職業をしてお給料をもらって生活していくのか」とかって
考えたこと、ないでしょうか?
ほとんどの方はあるはず。

「ただ高給取りになりさえすれば他人なんてどうでもいい」と
お金さえもらえれば悪い事だってなんだってやるという人もいるでしょう。
あるいは「人生お金じゃない。お金なんてどうでもいいから
困った人を助けることができるような
より公共性の高い仕事をしたい」みたいなお金以上にやりがいを求める人もいるでしょう。

これって価値とか価値観っていいます。
物事の優先順位って考えたらわかりやすいと思います。

たとえば優先順位が1位お金、2位家族だったら、
家族を犠牲にしてでも毎日朝から晩まで働いてお金を稼ぐでしょう。
子供が熱を出しても、「仕事や住んだたら給料もらえないだろう」ってなるはず。

逆に1位家族、2位お金だったら、
子供が熱を出したら、仕事を休んで看病するでしょう。

これって子供のころに親から受けた教育(ルール)の影響も
少なからず関係していると思います。

こんな感じでルールとか自分が持っている価値(価値観)に導かれて
自分自身の目的(目標)が設定されていくわけですね。

たとえば「公共的な仕事に携わって日本の社会の行政的な課題を解決していきたい」とか
「地域社会の住民たちの様々な問題点を解決するために地域に密着した行政サービスを提供していきたい」とか、
自分自身がこれからやっていくうえでの目標(目的)を設定します。

ではどうやって目的を達成するでしょうか。
目的を達成するための手段を選択するときに限られた手段の中から
よりよいものを選んでそれを実現しようとするでしょう。
なんでもありじゃないってことです。
お金儲けのためだったら、何やってもいいわけじゃないですよね。

人の道から外れるような手段、非合法的な手段を採用してやったら
周りから非難を受けるでしょう。
悪いことしてテレビに出てしまったら、
住んでいる地域の人から村八分にあってしまいまうかもしれません。

そういう社会から見た自分への制裁だけでなく
自分自身も非合法的なことをやって
その目的を達成する自分に納得がいかないでしょう。

だからそういった非合法的なものを選択して目的を達成することって
自分目線で見ても社会から見た目線で見ても難しいわけですね。

だから人間ってもともと利己主義的なものかもしれません。
でm、同時にやっていいことと悪い事の基準を内面化するから
ルールから逸脱するような手段を選択することはないとパーソンズは考えます。

だから利己主義的な人間だけど、その目的を達成するために
人の道から逸脱することはやらないで、合法的な手段の中で
より能率的、合理的に目的を達成できる行為を選択してやるということです。

だからこそ秩序は保たれているとパーソンズは考えました。

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パーソンズの主意主義的行為理論まとめ

以上をまとめると、

パーソンズの主意主義的行為理論とは

人間はルールを内面化して、そのルールと価値(価値観)にがあわさって
目的を設定しその目的を達成するための手段を合理的に選択して行為するという理論のこと

です。

以上で解説を終わります。