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1次試験

コースの定理とは何か例を挙げてわかりやすく解説




参考文献・URL
マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編

分厚いマンキュー経済学を読み解くのがめんどくさい人は、こちらをおすすめします。
スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(ミクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(マクロ編) [ ティモシー・テイラー ]

「ちゃんと市場にゆだねておけば、
パレート効率的(最適)な配分が達成されますよ」という考え方を
コースの定理といいます。

ただ、定義だけいわれても
「何言っているのか、さっぱりわからない」
となるでしょう。

ちなみにパレート最適については
こちらの記事で解説しています。
【分かりやすく解説】パレート最適とは?

なので、さらに詳しくわかりやすくコースの定理について
解説していきたいと思います。

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コースの定理とは?

さきほど、コースの定理とはなにか
解説しました。

ただ、上記の定義では不完全です。
コースの定理ではパレート効率的になる条件が限定されています。

どんな限定がついているかというと、
取引費用がなければ』という限定です。

もし取引費用がなければ、
放っておいてもパレート最適な配分になるというのが
コースの定理
です。

取引費用(取引コスト)とは

以下ウィキペディアより引用

引用元URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%96%E5%BC%95%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%88

経済学とその関連した学問分野において、
取引コスト(とりひきこすと、英: transaction cost)とは
経済取引を行うときに発生するコストである。

例えば、株の売買をする時に大抵の人は
ブローカーに仲介手数料を払わなければならない。
この仲介手数料が株取引の取引コストである。

わかりやすく解説するために例を挙げていきます。
以上引用終了

つまり取引費用(取引コスト)とは手数料みたいなものです。
たとえば相手との交渉に弁護士さんを使うなら
弁護士費用は取引費用になるでしょう。

他にも取引コストとしてはあります。

取引コスト(取引費用)についてまとめますと、、、

取引費用は

・弁護士さんなどに支払う交渉コスト
・よい解決策を探すためにかかる探索コスト
・契約したことを履行しているか監視する監視コスト

の3つがあります。

こういった弁護士費用を使わないなら
自然とパレート最適な状態になるというのが
コースの定理
です。

ではコースの定理の具体例をみていきましょう。

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【例を挙げてわかりやすく解説】コースの定理

コースの定理具体例

コースの定理具体例

解体工場の隣に高校の進学校があるとします。

解体工場は、物を分解するのが仕事です。
なので、壊すときに大きな音がでます。
また破壊するときに振動も発生するでしょう。

で、解体工場の隣に毎年東京大学に多数合格者が出る進学校があるとします。
進学校なので、毎日真剣に勉強しています。

進学校からしてみると解体工場は迷惑ですね。
うるさいから勉強に集中できないし、
「ガタガタガタ」と振動がくるたびにイライラするでしょうから。

で、進学校の隣に解体工場があるために勉強に集中できず
今年の東大合格者が0人になってしまったとします。

すると、噂がどんどん広がり、
今年の進学校の受験者数が半分に減るという実害が出たとしましょう。

この実害についてたとえば解体工場が進学校が受けた損害分だけ補償をしたり
あるいは解体工場がどこか別の場所に移転しなければいけないケースが
発生するかもしれません。

つまり解体工場が進学校に対して何らかの対処をしなければ
いけないケースが考えられます。

あるいはもともと解体工場があって、騒音や振動で有名なのを知っておきながら
進学校が移転してきたケース。

この場合、解体工場に「うるさいよ!」といっても
「お前らは、うちがうるさいし、振動が発生するのを
知っておきながら入ってきたんだろうが!」
と言われておしまいでしょう。

だから進学校側が解体工場の音が入ってこないように
壁を厚くするなどの対策をするしかありません。

ただどちらのケースであっても
最終的にはパレート最適な状態になると考えるのがコースの定理です。
【分かりやすく解説】パレート最適とは?

どうしてそうなるのでしょうか?

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【コースの定理例】解体工場に責任があるケース

コースの定理例


もともと進学校があって、
あとから解体工場が移転してきたケースです。

このケースでは解体工場の騒音が原因で進学校が
不利益を被っているなら、
解体工場側がなんらかの対処をする必要があるでしょう。

この場合、解体工場側は

・解体工場側が自ら移転する
・進学校の移転費用を解体工場側が負担する
・防音対策や振動対策を解体工場側がおこなう

などの方法があります。

で、解体工場はビジネスでやっているわけです。
なので、仮に進学校に対して何らかの対処をするにしても
一番コストが安くなる方法を選ぶことになります。

わざわざより高い費用を負担する必要はないわけです。
このことをパレート最適な状態といいます。
【分かりやすく解説】パレート最適とは?

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【コースの定理例】進学校が後から移転してきたケース

進学校は解体工場の騒音を知っておきながら
あえて隣に移転してきたわけです。

この場合は進学校側が対処するしかありません。

この場合、進学校側は

・防音・振動対策を進学校側がおこなう
・進学校側が移転する

ことになります。

ただ、どちらを選ぶにしても
より安い方を進学校は選ぶことになります。

進学校だってわざわざより高いお金を支払う必要はありません。
これもやはりパレート最適な状態になります。
【分かりやすく解説】パレート最適とは?

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コースの定理とは?まとめ

コースの定理は弁護士費用などの取引費用がなければ
パレート最適な状態になるから、市場にまかせておけばよいという考え方です。

でも、実際には進学校と解体業者がもめているケースだと
そんなにうまくいかないでしょう。

「なんでうちだけ、お金を支払わないといけないんだ!」
とごねてくるはずです。

だから、騒音がひどくて
どうにかしないといけないとなったら
弁護士さんにお願いしないといけなくなることが多いでしょう。

また、契約が成立しても本当に移転してくれたり
防音対策をしてくれるか、監視するための費用も掛かるでしょう。

なので、コースの定理通りに
問題が解決されパレート最適な状態になるとは限りません。

そんな場合には政府が介入することになります。
政府介入の代表例としてピグー税というものがあります。

次の記事でピグー税について解説していきます。
ピグー税とは何か?グラフを使ってわかりやすく解説