参考文献・URL
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⇒スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(ミクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
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中小企業診断士試験の経済学を勉強していると
『貯蓄のパラドックス』に出くわします。
多くの方が貯蓄のパラドックスを見た時に
「貯蓄のパラドックス?よくわからないな」となってしまうのです。
そこでこの記事では貯蓄のパラドックスを数値例を含ませながら解説していきます。
貯蓄のパラドックスを理解するためにはマクロな視点とミクロな視点の両方の理解が必要です。
そして以下の式を理解する必要もあります。
です。
所得はお給料
消費はお金を使うこと
という理解で大丈夫です。
ミクロな視点というのは1人の人間の視点、
マクロな視点は日本全体の視点という理解で大丈夫です。
貯蓄のパラドックスについて数値例を交えて考えてみる
まずミクロな視点で数値例を交えて考えてみましょう。
ある1人の人が「今、貯金が20万円だけど、この貯金を300万円に増やしてやろう」と考えたとします。
先ほどの式を思い出してください。
です。
この方のお給料(所得)が30万円で毎月の消費が25万円だったら
と毎月5万円ずつ増えていく計算になります。
そこで貯蓄を増やすためには所得を増やすか消費を減らすかしかありません。
所得を増やすのは難しいですね。
いきなり昇進してお給料が増えることはそう簡単なことではありません。
そこで消費を減らすことを考えます。
所得は30万円のままで消費を10万円に減らしたら・・・
と毎月20万円ずつ貯蓄が増えていきます。
つまりミクロな視点では消費を減らせば貯蓄が増えるわけです。
これに対してマクロな視点ではどうでしょう?
日本国民全員が貯蓄を増やそうと消費を減らすことになります。
みんなお金を使わないということはお店の商品が売れないわけです。
ということはお店は儲かりませんから、
そのお店のスタッフのお給料が減ったり、倒産して無収入になったりします。
結果、所得が減り貯蓄が減るわけです。
ですから所得が減ったら貯蓄が減りますね。
つまりマクロな視点では貯蓄を増やすために消費を減らすと
かえって貯蓄が減るという結果を招くことがあるわけです。
したがってミクロな視点でうまくいくことでも
マクロな視点で考えたら逆の結果を招くこともあります。
これを貯蓄のパラドックスといいます。
貯蓄のパラドックスについてまとめます
ここまで貯蓄のパラドックスについて数値例を挙げて解説してきました。
ミクロな視点では
1人の人間が貯蓄を増やそうと消費を減らしても景気が悪くなることはないため、
所得は変化せず、結果貯蓄は増えます。
でもマクロな視点では
日本国民みんなが貯蓄を増やそうと消費を減らしたら景気が悪くなり、
結果所得が減り貯蓄は減ってしまうことがあるわけです。
このことを貯蓄のパラドックスとか節約の逆説といいます。
熊本の震災があり、自粛ムードが進むのは
周りのことを思いやる素晴らしい日本人的な考え方で
個人的にはいいことだと思ってます(ミクロな視点)。
ですが日本全体でみると、自粛して旅行に行かなかったり
結婚式をしないといった感じでお金をみんなが使わないとかえって景気が悪くなってしまい
復興の妨げになることもあるということですね(マクロな視点)
これも貯蓄のパラドックスを理解することでわかります。
中小企業診断士の勉強をすると、今世界で起こっていることが
よく理解できるようになりますね。