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1次試験

自動安定化装置(ビルトインスタビライザー)例を挙げてわかりやすく解説




参考文献・URL
マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編

分厚いマンキュー経済学を読み解くのがめんどくさい人は、こちらをおすすめします。
スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(ミクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(マクロ編) [ ティモシー・テイラー ]

景気を安定化させる方法は2つあります。

・裁量的財政政策(フィスカルポリシー)
・自動安定化装置

の2つです。

前回、フィスカルポリシーについて解説しました。
フィスカルポリシーとは?わかりやすく説明

今回は残りの自動安定化装置(ビルトインスタビライザー)について
例を挙げながらわかりやすく解説していきたいと思います。

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自動安定化装置(ビルトインスタビライザー)について例を挙げて解説

まず自動安定化装置のイメージはこんな感じです。

自動安定化装置はビルトインスタビライザーともいいます。
で、ビルトインスタビライザーのスタビライザーというのは乗り物に取り付けて
運転時のイレギュラーに起こる不規則な揺れを防止する装置のことです。

スタビライザーの例

最近だと子供の音楽会や運動会なんかで
お母さんがスマホで動画を撮影すると思います。

そんなとき手振れ防止機能がついているスマホカメラだと
揺れを最小限に抑えて子供が歌っている姿を撮影できます。
この手振れ機能はスタビライザーの具体例になります。

もちろんビデオカメラについている手振れ防止機能だって
スタビライザーです。

スタビライザー機能(手振れ防止機能)がついているビデオカメラだと
お母さんが子供と一緒に走りながら撮影しても
揺れを最小限に抑えることができます。

なのでスタビライザー=安定させる装置
というイメージ
です。

ビデオカメラの手振れ機能以外にも
乗り心地のよい揺れの少ない乗り物には
スタビライザーがついています。

こんな感じでバランスをとりながら不規則な揺れを防止する装置のことを
スタビライザーといいます。

このスタビライザーを私たち社会の制度の中にビルトイン(組み込む)することで
ビルトインスタビライザー
というんです。

これで自動的に景気を安定させようとするのが
ビルトインスタビライザー(自動安定化装置)です。

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自動安定化装置の例1累進課税制度

自動安定化装置の例として累進課税制度を挙げることができます。
累進課税制度というのは、所得の幅に応じて税率が変わってくるという制度のことです。

ちなみに経済学でよく登場する比例税と累進課税制度は違います。
たとえば比例税だと5%の所得税ならみんな5%です。
5%だと、私もこの記事を読んでいるあなたも
イチロー選手も5%です。

みんな5%です。

累進課税だと所得の幅によって税率が変わってきます。
なので、私とイチロー選手だと税率が違ってきます。
もちろん、私にかかる税率はスズメの涙でイチロー選手はマックスでしょう(苦笑)

こんな感じで累進課税というのは税率が所得の幅に応じて変わってきます。
なので比例税とは違います。

ところで日本の所得税というのは累進課税制度をとっています。
最低税率は5%で最高税率は45%です。

だからどんな人でも5%は所得税を国に納める必要があります。
逆に大金持ちの日本人だったら45%の所得税を納める必要があります。

そうやって所得の幅に応じて税率が変わってくるのが累進課税制度です。
この累進課税制度がビルトインスタビライザー(自動安定化装置)として機能します。

たとえば景気が過熱しているとき
みんなお金を持ってます。
つまり所得が多いわけです。

ちなみに景気についてはこちらの記事で解説しています。
景気循環のグラフの見方・考え方をわかりやすく解説
景気動向指数CIとDIの違いは?

このとき、累進課税制度だとみんな所得が高いので
以前まで5%だった人も10%に上がったりします。

ですから、景気が過熱する⇒所得が増える⇒適用される税率が上がる
⇒税金を納める額が増える
⇒政府は税収アップするが国民が持っているお金が減る⇒消費減る

こんな感じで累進課税制度だと自動的に私たちの消費を抑制させる効果を持っています。
だから自動安定化装置といます。

逆に2020年8月現在みたいに新型ウイルスの影響で
景気が落ち込んでいる場合には、所得が少ないわけです。

ということは適用される税率が下がります。
結果、私たちにしてみれば、納める税金が減り
その分だけジュースを買ったり、焼き肉を買ったりと
消費額が増えるので個人消費の現象に歯止めをかけることができます。

こうやって景気を安定させることができます。

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自動安定化装置の例2法人税

法人税も自動安定化装置になります。
法人税は比例税です。
累進課税制度に該当しません。

法人税は比例税率なので税率が一つしかありません。
というのは法人税も累進課税である所得税も
結局、所得に課税されるという点では同じことなんです。

つまり、私たち個人の所得で考えるなら所得税、
法人(会社)の所得で考えるなら法人税なので
基本的には所得に対して課税される点は共通しています。

こういう所得に課税される税金というのは「
どうしても景気に左右されやすいです。

景気がいいときはたくさん税金をおさめ、
景気が悪いときは納める税金が減ります。
こんな感じで景気の影響をまともにうけてしまうんです。

なので法人税だって自動安定化装置の役割を果たします。

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自動安定化装置の例3失業給付

失業給付も自動安定化装置の役割を果たします。
景気が悪いときには失業者が増えます。
失業者が増えてくるので、その結果、失業給付も増えてきます。
働きたいのに働けない人に支払われるのが失業給付ですからね。

失業給付をもらった失業者は、
生きていくのに必要な食料を買い込んだりして消費します。
こうやって個人消費の減少に歯止めがかかって景気が安定していくわけです。

以上が自動安定化装置の具体例です。