前回の記事では事業部制組織について解説しました。
⇒事業部制組織のデメリットは?職能別組織の違いもわかりやすく解説
今回の記事ではマトリックス組織について解説します。
マトリックス組織とは?
マトリックス組織のマトリックスとは数学で登場する行列と同じ意味です。
行列ってこちらの動画を見ていただけると分かっていただけると思います。
マトリックス組織とは、例えば製品別と職能別、あるいは製品別とエリア別みたいに縦と横で
二元的な命令系統を同時に採用した(構成要素を縦横組み合わせた)組織のことです。
具体的にはこんな感じの組織がマトリックス組織になります。

これは青色の事業部制と紫色のエリア別の組み合わせになっています。
青色の列がA製品部長、B製品部長、C製品部長で
紫色の行がエリア1、エリア2、エリア3となっています。
もちろんエリア1、エリア2、エリア3にもそれぞれ上司がいますから
エリア1でA製品部長の枠内のスタッフはエリア1の上司とA製品部長の指示に従わないといけません。
2人ボスがいることになるので、ツーボスシステムといいます。
そんな感じの組織がマトリックス組織です。
マトリックス組織というのは1960年代のアメリカ航空宇宙産業で
初めて採用された組織形態です。
アポロが初めて月に行ったのは1969年です。
何が言いたいか?というと1960年代は優秀な人材が集まった時期で
航空宇宙産業は当時、花形産業でした。
資源管理を適切に行えるというメリットがあります。
行列を組んでやっているので交点にいる人は2人ボスがいる状態になります。
これをツーボスシステムといいます。
ということは異なる命令を出されたら組織内が混乱しやすいというデメリットがあります。
異なる命令を出されると組織内が混乱してうまくいかないので
令和2年現在、マトリックス組織を採用している企業はほとんどありません。
2016年にトヨタ自動車がマトリックス組織を採用した事例が有名なくらいですね。