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⇒スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(ミクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
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外国為替相場(1ドル100円みたいなやつです)を決定する理屈に、
・購買力平価説
などがあります。
この記事では金利平価説とはどういう理屈なのか
わかりやすく解説していきたいと思います。
金利平価説とは?
金利平価説とは外国為替相場が決まる理屈のことです。
具体的には1ドル100円といった為替レートというのは
自国通貨(円)と外国通貨(ドル)の金利の差によって決まるという理論です。
しかも短期の為替レートの変化が対象になります。
長期についての為替レートの変化なら
購買力平価説が対象になります。
で、金利平価説という言葉の意味から考えると
2つの国の間で金利に差があったとしても
お互いの差が等しくなるように為替レートが変動していきます。
金利平価説について例を挙げてわかりやすく解説
金利平価説の例
1ドル200円(固定為替相場制だとする)
日本の利子率が8%
アメリカの利子率が10%として。
日本国内で1000万円を運用したとしたら・・・
1年後どのようになるでしょう?
固定為替相場制について知りたい方は
こちらの記事をご覧ください。
【わかりやすく解説】固定為替相場制とは?
日本国内で1000万円を1年間運用すると利子率が8%だから
1年後1080万円になりますね。
ではもしアメリカ国内で1000万円を運用したら
1年後どうなるでしょう?
1000万円は1ドル200円なので
ドルにしたら50,000ドルになりますね。
50000ドルをアメリカで運用するわけなので
アメリカの利子率が適用されます。
アメリカの利子率は10%なので1年後55,000ドルになります。
ということはですね
例では固定為替相場制なので、
為替レートは1ドル200円のままです。
ここで1年間アメリカで運用した55000ドルを
日本円に戻しましょう。
すると55000ドル×200円=11,000,000円
11,000,000円になりますね。
ということは、日本円のまま1000万円を1年間運用するより
アメリカでドルにしてから1年間運用した方がお得だってことですね。
日本で1年間は1080万円だったけど
アメリカで1年間なら1100万円ですから。
ちなみに上記例のようにアメリカで円をドルにかえて運用することを
円売りドル買いっていいます。
こんな感じでアメリカの方が日本より利子率が高い時には
円売りドル買いがお得だってことですね。
金利平価説とは?例を挙げて解説その2
金利平価説の例その2
現在1ドル200円(変動為替相場制だとする)
1年後に1ドル300円になると予想していたら・・・
変動為替相場制について知りたい方は
こちらの記事をご覧ください。
⇒【わかりやすく解説】変動為替相場制とは?
1ドル200円が1ドル300円になることを円安といいます。
円安とか円高について知りたい方はこちらをご覧ください。
⇒円安と円高についてわかりやすくイラストを使って解説
将来円安になるのがわかっているなら
ドルと交換しておいた方がよいですね。
円をドルにしておくことを円売りドル買いといいます。
で、予想通り1年後に1ドル300円になったとします。
ここで持っていたドルを円に交換したら・・・
1年前は200円支払って1ドル手に入れていたわけですが
現在持っている1ドルを円に交換したら300円になります。
1ドルあたり100円得していますね。
金利平価説とは?例を挙げて解説その3
以下の例はここまでの2つの例の混合パターンです。
金利平価説の例
1ドル200円(変動為替相場制だとする)
日本の利子率が10%
アメリカの利子率が8%として。
1年後に1ドル300円になると予想していたら・・・
日本国内で1000万円を運用したとしたら・・・
1年後どのようになるでしょう?
今度の例は日本の利子率の方がアメリカの利子率よりも高いです。
日本円のまま1年間運用したら1000万円が1100万円になりますね。
今度は日本円をアメリカドルに交換してみます。
すると現在1ドル200円なので50,000ドルになります。
1年後アメリカの利子率が8%なので54,000ドルになります。
しかも1ドル300円になっているわけですから
日本円に交換すると、16200000円になります。
こんな感じで仮に日本の利子率の方が
アメリカの利子率より高かったとしても
大幅に円安が進むのだとしたら、円売りドル買いをしますね。
こんな感じで利息とか配当って為替レートとか株価と比べると
株価や為替レートの変動の方が大きいというのが一般的です。
たとえば銀行にお金を預けていても
1年後に大金に化けることはありません。
でも大損することもありません。
これに対して株式投資とかFXだったら1年後大金に化けることがあります。
逆に大損することもあります。
したがって、利子率よりも為替レート(1ドル100円みたいなの)の
予想の方が重要ですね。
【わかりやすく解説】金利平価説とは?まとめ
金利平価説の例
1ドル200円(変動為替相場制だとする)
1年後に1ドル300円になると予想していたら・・・
実際の為替相場はどのように動くでしょうか?
上記例の場合、以下の式に当てはめることで解決できます。
上記の式の為替相場の予想変動率のところに
代入していきましょう。

すると、、、
(300-200)÷200=0.5
とプラスになりますね。
こんな感じで為替相場の予想変動率がプラスになる場合には
円安が予想されるという意味になります。
プラスになるということは先ほどの式
ですけど、以下のようになりますね。

ということはもともとイコールだったのが
為替相場の予想変動率がプラスになることで
右辺の方が大きくなるわけですね。
左辺は日本、右辺は外国を表しているわけですから
外国の方に投資した方が有利になるということが
式からもわかります。
そのために円をドルに換えるなどしないといけないので
円売りドル買いに走る人が増えるわけです。
そして円を売るということは円が世の中に出回り
円の価値が下がってくる、つまり円安になっていくことになります。
案の定、円安になったってやつです。
こんな感じで「予想通りに円安ドル高になったでしょ」
という理論が金利平価説なんです。
以上で金利平価説についての解説を終わります。
続いて購買力平価説について解説します。
⇒【わかりやすく解説】購買力平価説とは?