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1次試験

ドッジラインの背景と効果をわかりやすく解説

ドッジライン 背景 効果




参考文献・URL
マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編

分厚いマンキュー経済学を読み解くのがめんどくさい人は、こちらをおすすめします。
スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(ミクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
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今回の記事ではドッジラインの背景を解説したあと、
ドッジラインの効果についてもわかりやすく解説していきたいと思います。

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ドッジラインの背景

戦後の日本

日本は第二次世界大戦後、どん底の経済状態となりました。
しかも生産設備がほとんど動かない状態です。

なので、日本の国力を復活させていこうとなるわけですが、
焦点をぼやけさせたまま、とりあえず満遍なく経済復興を行うよりは
何かにフォーカスして一点集中で経済復興をやった方が
効率がよいという結論になりました。

たとえば、馬車だったら
馬車はおんぼろでも、
とにかく強く速く走る馬を育てようということです。

こういうのを傾斜生産方式といいます。
傾斜生産方式は戦後の経済復興の突破口として行われました。
傾斜生産方式として具体的には石炭、鉄鋼の2つに資本資材を重点的に投入しました

これを馬にたとえてまず基幹部門(石炭、鉄鋼)の生産を復興させていきました。
馬が強ければ、他のものを引っ張っていってくれますから。

もう1つが復興金融金庫です。
どういう役割をしたか?というと、お金を融通するという役割です。

ただ、やったはいいのですが、
貨幣をばらまいたらどうなるでしょう?
インフレになります。
なぜ貨幣供給量の増加(お金をばらまく)がインフレを引き起こすのか?
インフレとは?意味と種類についてわかりやすく解説

普通時でもインフレを懸念しないといけません。
お金をばらまいたら、一般市民が持つお金の量が増えますよね。
みんなお金を持っているなら、欲しいものを買いますよね。
みんな欲しいものを買うとしたら、お店から商品がなくなります。

また、そんなに商品が売れるなら、お店の人は値段を上げますね。
インフレとは簡単に言ったら物価が上がること。

物価とは以前と比較して価格が上がっているかどうか?です。
以前牛乳が100円だったけど、今、牛乳が200円なら物価が2倍に上がったなら
インフレになっています。
インフレ率(物価上昇率)と失業率の関係
インフレとは?意味と種類についてわかりやすく解説

話を元に戻します。

復興金融金庫によってお金をばらまかれた結果、
インフレーションが激化しました。

多少のインフレなら問題ありませんが、
異常なほどの物価上昇だったため、
これをなんとかして抑えていかないといけないということになりました。

当たり前ですね。

激しいインフレを抑えるためには荒療治が必要です。
それを日本の場合には外国の人の力に委ねました。
戦後すぐなので占領下でしたから仕方ありません。

ゆだねた外国の人の名前がドッジです。

これがドッジラインであり、ドッジラインの背景です。
ちなみにドッジラインとはドッジさんが作った方針という意味です。

ドッジさんが来日し、日本経済復活の処方箋を与えていくわけです。
そこでまず掲げられたのが超均衡予算です。
赤字予算ではありません。

均衡予算の対極にあるものとして赤字予算があります。
要するにバランスシートでもって収入と支出、国の財政で言ったら歳入と歳出のバランスをとっていくというのが均衡予算です。
歳入歳出予算とは?わかりやすく説明

で、超均衡予算というのは必ず黒字になるように予算を組んでいかないといけません
まず、財政上の収入である歳入をしっかりと立て直そうとしました。

そこでアメリカの実業家のあるシャウプさんを呼びました。
これがシャウプ勧告です。

シャウプ勧告の1つに「直接税中心の税体系を作り上げましょう」という提言があります。
直接税中心の税制改革です。
戦前の日本というのは間接税による税収が中心でした。
直接税と間接税とは?わかりやすく解説

それが戦後のシャウプ勧告によって直接税中心の税体系に変わっていったのです。
もちろんこれはドッジラインの1つですよ。

たまに「シャウプ勧告とドッジラインだったらどっちが先ですか?」
みたいな議論があります。

ここまで読んでいただいたらわかると思いますが、
ドッジラインありきのシャウプ勧告ですからね。

当然、ドッジラインが先でシャウプ勧告が後ですよ。
だってドッジさんが来日して、超均衡予算を組もうという一環でシャウプさんを呼んでいるわけですからね。

話を元に戻します。

次にドッジラインとしてインフレの原因を作った復興金融金庫を廃止してガリオア・エロア資金を創りました。
この資金はアメリカの援助物資を売り払って得たお金で作った基金です。

これをもとにして重要産業に投資しました。
それからドルを用意しました。
これがないと貿易ができませんからね。

あと、ドルは1ドル360円に合わせました。
それまでは商品ごとにバラバラな為替レートでしたが、
ここからは1ドル360円と固定為替相場制になっています。

1ドル360円が壊れるのは1971年のニクソンショックです。
そのあとスミソニアン合意が行われ1ドル308円くらいになりました。

こんな感じでドッジさんの方針(ドッジライン)を実行してきましたが
効果はどうだったのでしょう?

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ドッジラインの効果

ドッジラインにより、インフレが収束しました。
ところが今まで復興金融金庫によってジャバジャバお金が融通されていたのに
キュッと蛇口の栓を突然閉められたわけです。

すると、困る人が出てきます。
結果、安定恐慌という状況になります。
極度のインフレ、経済的混乱を正常化するためには痛みを伴います。
これが安定恐慌です。

まとめますと、戦後の不況、そして激しいインフレを抑えたのがドッジラインで、
改善までの痛みとして安定恐慌です。

このあとは朝鮮戦争による特需景気により安定恐慌から回復していきます。

以上でドッジラインについての解説を終わります。