企業経営理論の勉強をしていると
経営人モデルと経済人モデルという用語がでてきます。
用語名が似ているのでややこしいですね。
そこでこの記事では経済人モデルと経営人モデルとは何か
両者を比較しながら解説していきたいと思います。
経済人モデルとは?
実際に人間の動きを考えるとき、
モデルを考えるとわかりやすいです。
たとえば、大阪の人も東京の人も
同じ日本人です。
1人1人みれば、いろんな人がいて比較しにくいです。
でも大阪の人という代表モデルと東京の人という代表モデルを
比べてみると、しゃべり方も違えば、金銭感覚も違う印象があります。
エスカレーターに乗る場面でも違いますね。
大阪の人は右寄りに立ちますが、東京の人は左寄りに立ちます。
では本題にうつっていきますと。
元々、古い経済学や経営学の世界では経済人モデルを
考えていました。
経済人モデルでは世の中の人たちは合理的な意思決定をする。
要するに、たくさんある選択肢の中から
一番よい商品やサービスを選ぶという前提に基づいて
企業は経営戦略を作るべきだというのが経済人モデルの考え方になります。
このとき消費者(お客さん)というのは神様みたいな存在と捉えます。
良い商品やサービスを作れば、
神様であるお客さんは必ず見抜いてくれて評価してくれると考えます。
こんな感じで確実によい商品やサービスをお客さんが
見抜いてくれるという考え方を最適化意思決定といいます。
こういった前提に基づいて会社は
経営戦略を立てていきます。
これが経済人モデルの考え方です。
でも経済人モデルって理想論ですね。
「お客様は神様だ」という思想は日本も昔ありましたが、
そんな神様であるお客さんって、価値のある商品を作っても
確実に見抜けるわけではりませんね。
これは経済学のところで解説しまた
逆選択なんか典型例です。
⇒情報の非対称性の一種である逆選択とは?
そこで現在の経営学や行動経済学では
経営人モデルという考え方をとっています。
経営人モデルとは?
経済人モデルでは『お客様は神様だ』
というように何でも見抜ける存在だという仮定に基づいて
会社は経営戦略を立てていました。
でも経営人モデルではお客様は現実的な人間だと考えます。
時には恐怖を避けるために弁護士にお金を払うし
時には女性にモテたいから高級車を買うし
という人たちが意思決定をすると考えます。
こういう意思決定の仕方は最適かもしれません。
でも、本人が十分に満足して意思決定しているので
満足化意思決定といいます。
なので最近の経営学の書籍を読むときには
満足化意思決定が前提の話になるので
頭に入れておいてくださいね。