1次試験

情報の非対称性の一種である逆選択とは?




参考文献・URL
マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編

分厚いマンキュー経済学を読み解くのがめんどくさい人は、こちらをおすすめします。
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前回の記事で情報の非対称性について解説しました。
情報の非対称性の具体例

この記事では情報の非対称性が前提で起こる逆選択について
解説していきます。

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情報の非対称性が前提で起こる逆選択とは?

情報の非対称性とは売り手と買い手の間で知っている情報に
差があるということでしたね。
情報の非対称性の具体例

逆選択は情報の非対称性が原因で起こります。
情報の非対称性によって「欲しい」と思われていたものがなくなり
「別にいらないし」というものが流行することがあるわけです。

逆選択

お客さんはその商品を販売している会社の内部情報なんて知りませんからね。
よくあるのが、口コミサイトにいい評価をもらうために
お金を使っている会社の存在です。

すべての口コミサイトに当てはまるわけではありません。
が、業者に企業がお金を払えば
よい評価をつけてもらえます。

でもこれが飲食店なら本当はすごくまずい料理しか出せないのに
評価が5段階で4、しかも「おいしい」と評判のお店だと
見せかけることができるわけです。

逆に本当は美味しい料理を出せるけど
口コミサイトを利用していないお店があったとします。
お客さんは「この店、大丈夫なのかな?」
と不安になりますね。

結果、お客さんが誰も来なくて潰れてしまうことだってあるわけです。

これが逆選択です。

情報の非対称性が前提で起こるものに

・逆選択
・モラルハザード

がありますが、

逆選択とモラルハザードの違いとして重要なのが
契約の前か後か?です。

逆選択は契約の前に発生します。

つまり逆選択の場合、
情報の非対称性によって望まれていたものがなくなってしまい
望まれていないものが流行してしまうわけです。

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情報の非対称性によって起こる逆選択の具体例1

逆選択

会社の資金繰りが悪くなって
信用金庫から融資してもらうとします。

で、このときに情報の非対称性があります。

その会社の資金繰りが悪くなっているという情報が
倒産するほどのものなのか、会社側はよく知っています。

自分の会社の話ですからね。

でも、融資する信用金庫側はいくら調査しても
完全な情報ではありません。

このケース、情報の非対称性がありますね。

で、もし融資を受けた会社が倒産したら貸し倒れしてしまうかもしれません。
もし会社が倒産して信用金庫側が損するケースがよくあるなら、、、

信用金庫側は「貸し倒れで損した分、金利を上げよう」
となります。

信用金庫側にとっての金利は利益(儲け)ですから。

でも逆に会社側にとって金利はコストになります。
だから、金利が上がった信用金庫から会社は
お金を借りなくなるでしょう。

特に優良企業ほど金利の高い信用金庫から
融資を受けません。

なぜなら優良企業なら
どこの信用金庫や銀行からでも融資を受けることができますから。
潰れそうな企業だと、どこの信用金庫も銀行もお金を貸したがりません。

でも優良企業だとお金が返ってくるのがほぼ確実なので
信用金庫や銀行はお金を貸したがるわけですね。

したがって、貸し倒れの損失を補てんするために
信用金庫側が金利を上げれば
優良企業はそっぽを向きます。

潰れそうな企業しかやってきません。

これは逆選択ですね。

逆選択は情報の非対称性によって望まれていたものがなくなり
望まれていないものがなくなってしまう
ことをいうんでしたね。

信用金庫側からしてみたら確実に返済してくれそうな優良企業に融資し
返済が困難な潰れそうな企業には融資したくないわけです。

このケースでは優良企業が望まれているもので
潰れそうな企業が望まれていない物に該当します。

これが逆選択の具体例です。

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情報の非対称性によって起こる逆選択の具体例2

逆選択

2つ目の具体例としては任意で入れるガン保険があります。
タバコを吸っていなくて、いつも健康診断でまったく異常が見つからない人だと
「がん保険に入らなくてもいいかな」と思うかもしれません。

しかも、ガン保険に加入した場合、
ヘビースモーカーの人と毎月の支払いがまったく同じだと
バカバカしくて「保険に入るの、やめとこう」
となってしまうかもしれません。

逆にヘビースモーカーの方。
しかもいつも健康診断で「肺の状態が悪いから
禁煙してください」と言われている人だと、
ガンになったら保険金がもらえるから「保険に入っておこう」
となります。

ガン保険の会社からみると
タバコを吸わない、健康な方に加入してもらいたいわけです。

でもそういった望まれた人はガン保険に加入しません。
逆にヘビースモーカーで肺の状態が悪いと認識している人ほど
ガン保険に加入したがります。

これも逆選択の具体例になります。

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逆選択の具体例3レモンの原理とは?

レモンの原理

レモンの原理のレモンは食べるレモンではありません。
レモンの原理のレモンとは英語のスラングで『質の悪い中古車』のことです。

レモンって生でかじると酸っぱいですよね。
この酸っぱさが質の悪い中古車というスラングになったようです。

レモンの原理

レモンの原理とは中古車市場における逆選択のことです。

レモンの原理

たとえば、中古車屋さんが
あったとしましょう。

この中古車屋さんに甲さんと乙さんがやってきました。
甲さんも乙さんもどちらもマツダの同じタイプの
中古車を買い取ってもらいに来ました。

なので売り手は車のオーナーで、
買い手は中古車屋さんです。

車の売り手は自分の車なので
どんな状態かよく知っています。

でも中古車屋さんは一度も、
その車に乗ったことがないのでどんな状態か
よくわかりません。

で、甲さんの車は
毎月洗車してワックスもきっちり塗っていたので
「200万円くらいで売れればいいな」
と思っていたとしましょう。

乙さんの車は洗車も年に1回しかやってないし
定期点検もまともにうけてなかったので
「100万円で売れれば御の字」と思っていたとします。

ただ、第三者が見たときの外見は甲さんの車も乙さんの車も
違いがわからないとしましょう。

だけど、ブレーキのすり減り具合とか
エンジンの状態なんかが甲さんの車と乙さんの車で
違うとします。

で、買い手側である中古車屋さんからすると
見た目ではわかりません。

そこでこの中古車の相場から考えます。
もしこの中古車の相場が150万円だったら、、、

乙さんの車は100万円なので買い取ります。
でも甲さんの車は200万円なので買い取りません。

結局、質の悪い乙さんの車だけが市場に流通するけど
甲さんのような質の高い車は売れ残り、
市場に出回らなくなってしまいます。

これも逆選択の具体例になり、
特に中古車の話なのでレモンの原理といいます。

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逆選択の解決策

シグナリング

レモンの原理であったり、ガン保険であったり
望まれているものが、消えていっていますね。

これは市場の失敗です。
市場の失敗とは?具体例を使ってわかりやすく解説

そこで、「なんとかして逆選択の解決策はないものか?」
と考えたときに生まれた方法があります。

この方法をシグナリングといいます。

大学を卒業して就職しようという場合を考えてみましょう。
これも学生は自分に何ができるか?やる気があるか?
などの情報を完全に保有しています。

でも採用する会社は目の前にいる学生は
やる気があるのか、能力が高いのかわかりません。

情報の非対称性です。

そこでシグナリングとして学生側は学歴を提示する方法があります。
『学歴が高い=優秀である可能性が高い』と相手側企業に
売り込むことができるわけです。

他にも資格もシグナリングとして有効です。

たとえば不動産会社に就職しようと思ったときに
宅建士の資格を持っていれば、
少なくとも不動産に関する知識を持っていることは間違いありません。

また不動産に興味があることも間違いないでしょう。
不動産会社側に売り込むことができますね。

他にも中古車市場(レモンの原理)はどうでしょう。
「私の車の走行距離は2000㎞ですよ」と走行距離を
提示する方法が考えられます。

走行距離は客観的な数字なので、
中古車のお店も「これくらいの距離なら100万円で買い取ります」
と判断しやすいですね。

これもシグナリングの例になります。

他にも返金保証なんかもシグナリングになりますね。
なぜなら、「気に入らなければ全額返金してもいいというくらい
自分の会社の商品に自信を持っているんだな」と
買い手側は判断できるからです。

こうやって逆選択を防ぐことができます。