今回の記事では忌避宣言権とは何か?解説していきたいと思います。
ただ、忌避宣言権を理解する前提として事業部制組織の知識が必要になります。
⇒事業部制組織のデメリットは?職能別組織の違いもわかりやすく解説
忌避宣言権とは?

事業部制組織では事業部間取引が行われることがあります。
たとえば、ボールペンを作っている事業部とペンケースを作っている事業部があるとしましょう。
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全部が全部じゃないですが、
ペンケースの中に最初からボールペンが付属されていることってあるじゃないですか。
これっていうのはペンケースを作っている事業部が
ペンを作っている事業部から、ペンを買ってきて付属している場合があります。
こういう感じで事業部同士の取引を事業部間取引といいます。
事業部間取引に市場メカニズムを導入することがあります。
要するに需要が多い(欲しい人が多い)なら価格は高くなりますし、
需要が少ない(欲しい人が少ない)なら価格は安くなるというようなイメージです。
もし社外から購入するペンの価格の方が
自社の他の事業部から購入するペンの価格よりも安い場合、
たとえば、他社のペンは1本10円だったけど、自社の事業部だとペン1本20円だったら
あなたがペンケース事業部長だとどっちから仕入れたいですか?
ペンの品質や製品名はまったく同じとします。
一応自社内でも自分の事業部の方が他の事業部よりも
利益が大きくなった方が自分の評価も高まりますから、
少しでも安くペンを仕入れたいですよね。
だったら他社から1本10円のペンを仕入れるでしょう。
で、事業部間取引を拒否して社外から(ペンなどを)購入する権限を
与えることを忌避宣言権といいます。
たとえばペンケースを作っている事業部をペンを2本つけないといけないとします。
でも、ペンを作っている事業部が効率が悪くて1本20円かかるけど、
他社からペンを買ったら1本10円で買える場合に、
忌避宣言権を行使して、事業部間取引を拒否して他社から1本10円のペンを仕入れることがあります。
でも、自社のペンを製造している事業部長からしたら
「なんだよ、ペンケース事業部は、うちからペンを買わないのかよ!」
と怒りや焼きもちや妬みなどの感情が湧くかもしれませんね。
でもペンケース事業部からしたら「安く仕入れて高く売るのは
ビジネスの基本ですよ」みたいなことを自分に言い聞かせてでも
ちょっとでも利益率を高めようと頑張るでしょうね。
今回は忌避宣言権とは何か解説しました。