参考文献・URL
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⇒スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(ミクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
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新古典派の投資理論について説明していくのですが、
考え方は労働の限界生産力(MPL)とかなり似ています。
こちらで労働の限界生産力について解説しています。
⇒総供給曲線(AS曲線)を導出してみます
今回は新古典派の投資理論について解説します。
新古典派の投資理論についてわかりやすく解説します
新古典派の投資理論とは
MPK(資本の限界生産=r/p(実質利子率)
となる資本量をA、現在の資本量をBとすると
企業が投資する量は(A-B)だと決まるという理論のことです。
ちょっとわかりにくいと思うので
以下、詳しく解説していきたいと思います。
まずMPK(資本の限界生産力)から。
資本の限界生産力とは資本を1単位増やしたときに
どれくらい生産量が増えるか?表したものです。
MPK(資本の限界生産力)を縦軸にとったグラフを
書いていきますね。
また横軸に資本量(K)をとります。
資本量(機械の台数)です。投資量ではありません。
それから新古典派の投資理論では
資本の限界生産力は逓減していくと仮定しています。
逓減とはちょっとずつ減っていくというイメージです。
グラフで表すとこんな感じです。
たとえば資本量Kを機械の台数と考えていきましょう。
機械が5台、10台、15台、20台と増やしていきます。
上のグラフでは5台目のときは
MPKが100コなので、100コ生産量が増えるという意味です。
10台目のときは60コ生産量が増えるってことです。
20台目のときは30コ増えるってことです。
そしてグラフにすると
限界生産力は機械の台数が増えていくと
少しずつ1個機会を増やした時の生産力が減っていくと仮定するのが
新古典派の投資理論です。
そして上記グラフのピンク色の曲線を
限界生産力曲線といいます。
次にオレンジ色の線をご覧ください。
資本量Kは機械のことだと考えていますね。
で、実質利子率がオレンジ色の線で表すとしましょう。
実質利子率についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
⇒実質金利とはローン利用の判断にどう影響する?
すると、機械5台の利子を払っても
限界生産量(生産量の増加分)の方が大きいので儲かります。
機械が10台でも儲かりますね。
で、機械が15台のところで決まります。
なぜなら16台以上、たとえば20台だと、
上記グラフのマイナス部分だけ赤字になってしまいます。
20台目のとき機械を1台増やしたら
30個しか生産量が増えないのに
利子は40個分払うことになるからです。
ということで利潤が最大になるような生産量は
機械が15台のところです。
すると、限界生産力曲線とで実質利子率(r/P)の交点は
MPK=r/P
となりますね。
これは古典派の第1公準と同じです。
古典派の第1公準についてはこちらで解説しています。
⇒総供給曲線(AS曲線)を導出してみます
古典派の第1公準では
実質賃金率と労働の限界生産力が等しいんでしたね。
労働の限界生産力MPL=W/P
ということです。
ともあれ、最適資本量が決まると(今回なら15台)、
投資する量は最適資本量と現在の資本量(たとえば現在が10台とする)との差
ということがわかります。
今回の例なら、
15台ー(現在の資本量)10台=5台
5台が投資量だと決まります。
これが新古典派の投資理論です。
以上で解説を終わります。