参考文献・URL
マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編分厚いマンキュー経済学を読み解くのがめんどくさい人は、こちらをおすすめします。
⇒スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(ミクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
⇒スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(マクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
中小企業診断士試験で実質金利について
よく出題されています。
たとえば中小企業診断士1次試験経済学・経済政策
平成28年第7問です。
実質金利とはローンにどのような影響を与えるか?
平成28年第7問より引用
もっとも適切なものはどれか
a デフレーションは、実質利子率を低下させる効果をもち、投資を刺激する。
b デフレーションは、賃借契約における負債額の実質価値を低下させるので、債務を抑制する。以上引用終了
実質利子率=実質金利です。
上記過去問題を解くのに必要な知識があります。
実質金利とは名目金利からインフレ率を引いたものです。
インフレ率とは物価上昇率のことです。
名目金利というのはここでは単純にローンを組む時に提示されている金利のことだと考えてください。
で、物価というのがありますね。
たとえば100円のりんごが去年は90円だったら
10円物価が上がったわけですね。
単純に名目金利(金利)を考えても
物価も考えないと、組んだローンの金利が得か損かよくわかりません。
だって物価によって借りているお金の価値が変わってきますからね。
そこでインフレ率(物価上昇率を)名目金利から引くことで実質的な金利を計算するわけです。
そして物価とお金の価値というのは表裏一体です。
物価が上がればお金の価値(円)が下がり
物価が下がればお金の価値が上がるわけです。
たとえば100円のりんごが120円になったとします。
すると物価は上がりましたね。
で、あなたは100円持っていたとします。
以前なら100円でりんごを買えたわけですが今は買えません。
ということはお金の価値としてみたら、下がったわけです。
100円というお金の価値でりんごが買えないわけですからね。
ということで物価が上がれば、お金の価値が下がるわけです。
先ほどもいいましたが
実質金利=名目金利(単純に金利)ーインフレ率
でしたね。
物価が上がるということはお金の価値は下がるわけです。
なので実質的な金利(お金の価値)が下がるため実質的な金利は下がるわけですね。
だから物価が上がれば実質金利が下がるのでローンを組むのは得するわけです。
これに対して物価が下がれば実質金利が上がるのでローンを組むのは損するわけです。
ところで物価が上がることをインフレーション、物価が下がることをデフレーションといいます。
だから
平成28年第7問より引用
もっとも適切なものはどれか
a デフレーションは、実質利子率を低下させる効果をもち、投資を刺激する。
b デフレーションは、賃借契約における負債額の実質価値を低下させるので、債務を抑制する。以上引用終了
はデフレーションが起こると
実質利子率=名目利子率ーインフレ率から
マイナスインフレ率のところがプラスとなり実質利子率が上がるわけです。
ということはローンを組んで投資したくなくなるので投資を刺激するは間違いです。
よってaの選択肢は×です。
bですが。
実質利子率が上がるわけです。
ということはローンを組んでお金を借りているなら
借金額(負債額)の実質価値が上がりますね。
なので実質価値を低下させるというところが間違いです。
よってbの選択肢も×です。
以上で実質金利とローンの関係についての解説を終わります。