参考文献・URL
マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編分厚いマンキュー経済学を読み解くのがめんどくさい人は、こちらをおすすめします。
⇒スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(ミクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
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前回の記事では、
フィッシャーの交換方程式について解説しました。
⇒フィッシャーの交換方程式(数量方程式)についてわかりやすく解説
ややこしいのですが似たような名前の方程式に
フィッシャー方程式があります。
フィッシャーの交換方程式とフィッシャー方程式は違います。
フィッシャー方程式はインフレが関係する方程式です。
インフレとは?
インフレとは物の価値が上がること(物価が上がること)です。
逆にいうとお金の価値が下がることを意味します。
たとえば、ケーキ1個1000円で買えていたけど、
物価が上がって1個2000円になったとします。
すると実際に物価は2倍に上がったわけですが
お金の価値は下がっていますね。
今までは1000円でケーキ1個買えていたのに
2000円出さないとケーキを買えないわけですから。
同じ1個のケーキに対して以前は1000円で買えたけど
今は2000円必要ですから。
以前ケーキ1個=1000円
今ケーキ1個=2000円
なので。
他のたとえ方をすると
以前は車1台動かすのに10人の人間が必要でした。
今は車1台動かすのに20人の人間が必要だったとします。
すると人間の力が弱くなったといえますね。
車1台をケーキ、人間の数をお金の数と置き換えてください。
そしたら人間の力が弱い=お金の力が弱い(価値が下がる)
ってことですね。
これがインフレです。
ではここからが本題です。
フィッシャー方程式について解説します。
フィッシャー方程式とは?
フィッシャー方程式は
名目利子率=実質利子率+期待インフレ率
です。
「うーんよくわからない式だな」
と思われた方もいるでしょう。
例を挙げてみましょう。
たとえば、200万円を利子率2%で借りて
200万円の車を購入したとします。
そして1年後、物価が2%上昇したとしましょう。
いいかえると2%のインフレが起こったってことです。
「借金してまで車を買いたくないから1年かけて
200万円ためようと」考えて、
200万円の車を1年後に買うとしたら
物価が2%上がっているので、204万円になります。
4万円高くなっています。
もし今現在車が200万円のときに利子率2%のローンで購入したら、
1年後200万円の2%なので4万円返さないといけません。
ということは今200万円の車を買っても
1年後買っても4万円という負担は変わらないってことです。
なので価値は同じだといえます。
このことを先ほどのフィッシャー方程式に当てはめると
フィッシャー方程式
名目利子率=実質利子率+期待インフレ率
名目利子率は利子率2%と記載したものです。
期待利子率物価が何%上昇するか?です。
ここでは1年後2%なので、期待利子率は2%となります。
なので名目利子率2%=実質利子率+期待インフレ率2%
です。
よって
実質利子率は0となりますね。
実質利子率が0%ということは・・・
期待インフレ率は1年後2%くらい物価が上がっていると考えるなら
200万円を利子率2%で貸したら
実質的には利子をもらわないのと同じこと(実質利子率が0%)になるってことです。
フィッシャー方程式を利用することで
ここまで解説したようなことが
わかるわけですね。