参考文献・URL
マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編分厚いマンキュー経済学を読み解くのがめんどくさい人は、こちらをおすすめします。
⇒スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(ミクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
⇒スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(マクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
経済学に登場する成長率には
・成長率
・保証成長率
・自然成長率
の3つがありますが、
この記事では保証成長率について
解説していきたいと思います。
保証成長率の式の求め方
保証成長率とは資本の需要と供給が一致しているため
資本設備の完全利用が保証されている場合の国民所得の成長率のことです。
保証成長率はs/v
で表すことができます。
vが資本係数でsが貯蓄率です。
そして保証成長率Gw=s/vを変形すると
資本の増加率になるんです。
どうして保証成長率が資本の増加率になるのでしょう?
求め方について解説していきます。
まず保証成長率=s/vのvは資本係数でしたね。
資本係数についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
⇒資本係数vについてわかりやすく解説
詳しくは上記記事を見ていただきたいのですが
資本係数v=K/Y
でしたね。
それから貯蓄率sですが。
ここで貯蓄は国民所得Yに依存するという前提になっています。
貯蓄関数を大文字のSとすると、
S=sYとなります。
なので、貯蓄率s=S/Y
となります。
なので保証成長率Gwは
となりますね。
上記式はYを消せるので
Gw=S/K
となります。
所得のうち消費した残りが貯蓄Sになり
貯蓄Sが投資Iにまわるので
S=I
となります。
お給料(所得)を30万円もらって、20万円消費したら
10万円のこりますね。
この10万円を貯蓄に回すと考えるのが経済学ですからね。
で、ここでは貯蓄Sを投資Iにまわすって考えているわけです。
なので、
となりますね。
投資Iと貯蓄SはIS曲線のISです。
⇒IS曲線とは?導出の仕方についてもわかりやすく解説
ところで
財市場では
総需要=消費C+投資I
総供給=消費C+貯蓄S
という前提があります。
需要と供給が一致している状態を均衡というので
財市場が均衡しているなら
投資I=貯蓄Sで表されます。
なぜなら総需要=総供給より
消費C+投資I=消費C=貯蓄S
両辺の消費Cを消去して
投資I=貯蓄S
となりますね。
保証成長率のところでも
I=Sより財市場は均衡しているわけです。
すると投資Iというのは資本の増加分ですから
Iを⊿Kと表すことができます。
よってこうなりますね。
保証成長率Gw=⊿K/K
なので
保証成長率は資本の増加量を資本量で割ったものになります。
言い換えると保証成長率は資本の増加率ということができますね。
保証成長率とは?意味するところを解説
保証成長率=資本の増加率
でしたね。
これは何を意味するのでしょう?
たとえば機械が毎年10%ずつ増えていくとしましょう。
10%機械が増えた分、生産も増えないと機械が余ってしまいます。
なので機械を完全に使うためには
機械が増えるペースで生産も増えないといけない
というのが保証成長率です。
言い換えると機械が全部使われることを保証する成長率のことを
保証成長率っていいます。
あるいは機械が全部使われるような適正なスピードの成長率のことを
保証成長率と言います。