参考文献・URL
マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編分厚いマンキュー経済学を読み解くのがめんどくさい人は、こちらをおすすめします。
⇒スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(ミクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
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今回は貯蓄関数とはどういうことなのか
図や公式を使って解説していきます。
で、ですね、貯蓄関数は消費関数について
理解していると、結構簡単に理解することができます。
ですので、もし消費関数について学習していない方は
先にこちらの記事をご覧ください。
⇒ケインズ型消費関数とは?式についてもわかりやすく解説
公式から貯蓄関数とは何か考えてみましょう
まず国民所得をY,消費をC、貯蓄をSとすると
Y=C+S
となります。
たとえばあなたがもらったお給料って貯金するか使うか
という選択肢になりますね。
30万円お給料をもらったら
15万円家賃や食費に使った後、残りは銀行に貯金したりしますね。
これがY=C+Sってことです。
この式を変形すると
S(貯蓄)=Y-Cとなります。
ところで
C(消費)=a+cY
でしたね。
⇒ケインズ型消費関数とは?式についてもわかりやすく解説
なのでCにC(消費)=a+cYを代入して
S=Yー(a+cY)
となりますね。
かっこを外すと
S=Y-a-cY
となり、
さらに
S=-a+(1-cY)
となります。
つまり
貯蓄関数の公式は
S=-a+(1-cY)
です。
で、上記貯蓄関数の公式のうち
(1-c)の部分は傾きとなり、限界貯蓄性向といいます。
つまり(1-c)が限界貯蓄性向です。
ちなみにcは限界消費性向といいます。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
⇒ケインズ型消費関数とは?式についてもわかりやすく解説
たとえば20万円所得が増えた時に
14万円消費して6万円貯金したとします。
すると限界消費性向は14÷20=0.7となります。
そして限界消費性向はcでしたね。
で、限界貯蓄性向は1-cですから
1-0.7=0.3となります。
それから
限界貯蓄性向の公式
S=-a+(1-cY)
で、aは何を表しているのでしょう?
aは基礎消費のことです。
もし所得がなくなっても生きていくために必要なものが
基礎消費ってことです。
たとえばご飯代とかとか月々の家賃なんかが基礎消費です。
では貯蓄関数ってどうして-aと
マイナスがついているのでしょう?
消費するのにマイナスっておかしくないですか?
たとえばY(所得)が0だったら・・・
基礎消費は所得がなくても必要な消費です。
だからこそ、貯金を切り崩してでも
ご飯を買ったり家賃を支払ったりするわけでう。
だから貯蓄関数の場合には基礎消費aにマイナスがついているんですね。
言い換えると基礎消費の分だけ貯蓄が減ること意味しています。
グラフから貯蓄関数とは何か考えてみましょう
上記グラフで一番下のグラフが貯蓄関数になります。
で、-aが切片で、(1-c)が傾きになります。
切片と言うのは横軸の値が0のときの値です。
つまり、Y(国民所得)が0のときに-aになっています。
縦軸の-aのところが切片です。
で、基礎消費の分だけマイナスになっていることを意味しています。
その分だけ貯蓄を切り崩して消費をしていることがわかるわけです。
そしてそこからY(所得)が増えるほど
少しずつ貯蓄を切り崩していく量が減っていき、
YEの点で貯蓄が0になり、それより多くなると
貯蓄がプラスになっていきます。
なぜなら、上記グラフで45度線であるYsのグラフと消費関数の交点Eというのは、ちょうどY(国民所得)と消費が重なる点、言い換えると
Y(国民所得)=C(消費)なわけです。
45度線についてよくわからない方は
先にこちらの記事をご覧ください。
⇒【わかりやすく解説】45度線分析とは?
先ほど、Y=C+Sといいましたね。
なのでY=Cですから
Y=Y+Sとなり
Y-Y=Sなので、S=0
つまり貯蓄が0であるわけです。
だから消費関数と45度線(Ys、総供給)の交点Eを下におろしたYEって
貯蓄関数では貯蓄が0になるわけですね。
これより上にいけばいくほど、
どんどん貯金がたまっていくということがわかりますね。
以上で解説を終わります。