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1次試験

マーシャル的調整過程とは?グラフの見方についても解説




参考文献・URL
マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編

分厚いマンキュー経済学を読み解くのがめんどくさい人は、こちらをおすすめします。
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前回の記事ではワルラス的調整過程について解説しました。
ワルラス的調整過程とは?わかりやすく解説

今回はマーシャル的調整過程について解説しますが、
当然、ワルラス的調整過程とは違います。

以下、詳しくみていきましょう。

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マーシャル的調整過程とは?グラフを使って解説

ワルラス的調整過程では価格の調整でグラフを見ていきました。
choukajuyouhho1123

ですがマーシャル的調整過程では数量を調整する形で
グラフを見ていくことになります。

マーシャル的調整過程を使う具体例は農業になります。
たとえば牛乳ってメス牛が妊娠して出産しないとできません。

メス牛は年に何回も妊娠できませんし、
妊娠期間も人間並みに長いです。

こんな感じで作るのにかなりの期間が必要な物に
マーシャル的調整過程を利用することが多いです。

で、先ほども言いましたがマーシャル的調整過程は
数量を中心にグラフを見ていくことになります。

マーシャル的調整過程

数量はグラフの横軸です。
「じゃ、横軸を中心に見て行けばいいんですね?」
と思った方がいるかもしれません。

でも違います。
グラフは縦で見ていくことになります

ワルラス的調整過程はグラフを横に見て行ったので
マーシャル的調整過程と違いますね。

ただ、マーシャル的調整過程はグラフを縦で見ていくことさえ
わかっていれば、あとはワルラス的調整過程と
考え方は同じです。
ワルラス的調整過程とは?わかりやすく解説

つまり、超過供給か超過需要か?という観点から
考えていくということは同じです。
超過需要とは超過供給とは何か?グラフを使って解説

たとえばS(供給)の方がD(需要)より大きいなら
それは超過供給状態といえます。
超過供給だと数量はどうなるでしょうか?

マーシャル的調整過程

超過供給は供給(売っている数量)の方が
需要(買いたい数量)より多いわけです。

物が余っています。
だから商品の数量を減らさないといけません。

なので超過供給だと商品の数量が減る動きが発生します。

逆に超過需要だと買いたいと思っている数量(需要)の方が
売りたい数量(供給)より多いわけです。

商品が足りていません。
だから、会社側はどんどん数量を増やそうとしてきます

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マーシャル的調整過程のグラフ

まず生産量がQBのときから見ていきましょう。
マーシャル的調整過程は縦でグラフをみます。

マーシャル的調整過程

上記の紫色の線を縦にたどっていくと
会社側(商品を作っている側、供給者側)は
PAの価格で売りたいということがわかります。

でも、買いたい側(需要者)は、、、価格PBでしか
買いません。

マーシャル的調整過程

買う側が価格PBでしか買わないわけなので
価格はPBに決まってしまいます。

数量QBを縦にみていくと、S(供給)の方がD(需要)より
大きいですね。

これは超過供給の状態ですね。
超過供給なので物が余っている状態です。

超過供給

だから物の数量を減らそうという動きが起こります。

次に数量がQAの場合を見ていきましょう。
これも縦に見ていくことになります。

超過需要


需要者側は価格PA、供給者側は価格PBとなります。
そして需要(D)の方が供給(S)より大きいので
超過需要となります。

商品が足りない状態なので
数量(生産量)を増やそうとします。

超過供給でも超過需要でも数量はQEに動こうとするので
安定均衡の状態
になります。

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マーシャル的調整過程(不安定なケース)

次にマーシャル的調整過程の考え方を使って
不安定になるケースをみていきましょう。

不安定なケースは需要曲線(D)と供給曲線(S)が
逆に入れ替わるケースです。

不安定

価格が下がれば下がるほど需要が減るという面白いケースです。

具体的にはギッフェン財のケースになります。
ギッフェン財とは?図と例を使ってわかりやすく解説

需要曲線と供給曲線が入れ替わっても
考え方は同じです。

供給量の方が需要量より多いなら超過供給となり
数量は減る方向になります。

供給量の方が需要量よりも少ないなら超過需要となり
数量は増える方向になります。

またマーシャル的調整過程ではグラフは
縦で見るという点も同じです。

では数量がY1のケースから見ていきましょう。

超過需要

数量がY1では需要側は価格X1で買いたいと思い
供給側は価格X2で売りたいと思っています。

需要側(買う側)がX1というX2より高い価格で
買ってくれるなら、当然供給者側はX1で販売します。

しかも供給者側にとって、思った価格より
高額で売れていくので数量を増やします。

またグラフより、需要の方が供給より多いので
超過需要状態になっています。

次に数量がY2のケースを見ていきましょう。

マーシャル的調整過程不安定

価格がX2だと、供給者側はX1の価格で売りたいけど
需要者側はX2の価格でないと買いません。

なので価格はX2となります。

また、供給の方が需要より大きいので超過供給の状態です。
超過供給、つまり商品が売れ残っているので
生産量(数量)をY2よりさらに減らすことになります。

こんな感じでギッフェン財の場合、
需要曲線と供給曲線の交点(均衡点)から
数量が離れていくので、不安定ですね。

これはワルラス的調整過程と同じですね。
ワルラス的調整過程とは?わかりやすく解説

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ワルラス的調整過程とマーシャル的調整過程の違いは?

ここまで解説してきましたが、
あなたはこう思ったかもしれません。

「ワルラスで考えてもマーシャルで考えても
安定するときは安定するし、不安定なときは不安定になる。
だったら、どっちか1つで十分なんじゃないか?」と。

もちろん、ここまでの解説だと
ワルラスでやってもマーシャルでやっても
まったく同じ結果になります。

でもそうならないケースもあるんです。

以下のケースだとワルラス的調整過程と
マーシャル的調整過程では結果が違ってきます。

まずワルラス的調整過程の考え方でみていきましょう。
ワルラス的調整過程とは?わかりやすく解説

ワルラス的調整過程

ワルラス的調整過程は横で見ていくんでしたね。

価格がX1のとき、横で見ていくと
D(需要量)の方がS(供給量)より右側にあるので
Dの方が多いです。

なので超過需要です。
超過需要だとどんどん商品が売れていくので
価格はX1よりも上がります。

次にマーシャル的調整過程でみていきましょう。
こちらは縦で見ていくんでしたね。
数量がY1だったらどうなるでしょう?

ワルラス的調整過程

今度は縦に見ていきますと
S(供給量)の方がD(需要量)より多いですね。

なので超過供給です。
商品は売れ残っているので
数量をY1より減らすことになります。

安定か不安定かはDとSの交点(均衡点)から
離れているか近づいているかで判断します。

均衡点に近づくなら安定、離れるなら不安定です。

不安定と安定が混在

上記のようにワルラス的調整過程では
価格X1は均衡点から離れていっているので不安定です。

ですが、マーシャル的調整過程では
数量Y1が均衡点に近づいているので安定です。

よってワルラス的には不安定、
マーシャル的には安定なので、逆の結果になりました

こんな感じでワルラス的なやり方とマーシャル的なやり方が
違うので、逆の結果になることもあります。

以上で解説を終わります。