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1次試験

期待インフレ率とは?フィッシャー方程式とあわせてわかりやすく解説

期待インフレ率とは




参考文献・URL
マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編

分厚いマンキュー経済学を読み解くのがめんどくさい人は、こちらをおすすめします。
スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(ミクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
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今回の記事では期待インフレ率とは何か?解説していきます。
ちなみに期待インフレ率って結局、フィッシャー方程式の一部にもなります。
なので、期待インフレ率がわかったら同時にフィッシャー方程式も理解できるようになるので
ぜひ最後までお付き合いください。

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期待インフレ率とは?わかりやすく説明します

最初に結論を書いておきます。

期待インフレ率とは『あなたが今後インフレがどうなるか?』という見込みのことです。

さらに期待インフレ率とは何か?理解するために
以下のようなケースについて考えてみましょう。

ケース

タピオカ屋を経営したいという事業主から相談を受け、
名目利子率(年率)5%の状況で1000万円の融資をする。
同時にインフレ率が年率5%で1000万円の車を購入する。
どちらをしようか迷っている。

名目利子率というのは私たちが普段、
預金とか貸出なんかで目にする、いわゆる金利のことです。
これが年率で5%だったとしましょう。

あなたは1000万円持っていて
それをタピオカ屋を経営したいという人に5%の利子率をとるという約束で
融資をしようとしています。

つまり、5%の利子がついて来年あなたのもとにお金が返ってきます。
1000万円に5%の利子がつけが1050万円があなたの手元に返ってくることになります。

今、あなたはこういった1000万円の融資をおこなおうとしているとしましょう。
その一方で、今、インフレ率が年率5%で進んでいるのですが、
あなたは1000万円で高級車であるレクサスの購入をしようとディーラーに訪れています。
きれいなお姉さんに「レクサスを買ったら、みんなに一目置かれますよ」
って言われている状況を想像してください。

つまりあなたは今1000万円を持っていて、
タピオカ屋さんをやりたい人に1000万円融資するか、
あるいは持っている1000万円を使ってレクサスを購入するか?
このどちらかの選択をしないといけなくて葛藤状態です。

もし1000万円の融資をしてしまったら
手元に1000万円がなくなってしまいます。
となるとレクサスを購入できません。

でも来年になれば5%の利子がついて返ってくるので
1050万円を手にすることができます。
1050万円を手にすることができます。

1050万円持っている状態で1000万円のレクサスを購入すれば
50万円お金を手元に残すことができます。

つまり、この50万円こそが
金利から得られる利子収入ということになりますね。

ではこの目論見通り50万円の利子収入を
本当に手にすることができるのでしょうか?

まず1年後の融資後(貸付後)の収入は利子を含めて1050万円となります。
一方で1000万円のレクサスですが、1年後の価格はいくらでしょうか?
年率5%のインフレが進んでいるから
1000万円のレクサスは1年後には1050万円となります。

つまり、今、1000万円のレクサスの購入をあきらめて
タピオカ屋をやりたい人に1000万円を貸せば、1年後に
1050万円に増えて返ってきます。

そして1000万円のレクサスを購入すれば50万円手元に残るから
収入があると見越していたわけですが、
インフレが5%進んでしまったためレクサスの価格も1050万円になってしまったわけです。

つまり、まったく収入を得ることができない状態になってしまいました。

というわけで
結果として入ってくるリターンが50万円増えたわけですが、
実質的な利子収入は0でした。

1000万円が1050万円になって返ってきているのにも関わらず
実質的には収入はゼロ。手元にはお金が残っていません。
この状況を数式の形で示してみましょう。

記号

i:名目利子率
r:実質利子率
π:インフレ率

とすると、名目利子率と実質利子率の間には

r=iーπ

という関係があります。

つまり、実質的な利子収入は名目利子率とインフレ率の差で示されるということです。
今、手元にお金が残らなかった理由は名目利子率が5%である一方で
インフレ率も5%なので、
r=iーπより
実質利子率r=5ー5=0

よって実質的な利子収入が0となってしまったと
考えることができます。

こんな感じで実質利子率と名目利子率との関係が存在します。

もし以上のことがわかっていたら
5%の利子収入が本当に欲しかったのなら
ここであなたが設定する金利を5%ではなく10%にするべきでした。
このとき大事なのは、あなたがこのインフレ率をどんな風に見込んでいるのか?
という予想です。

その予想によってあなたが設定する名目利子率iは変わってくることになります。
こんな感じでインフレ率をどう見込むか?
それを$π^{e} $(期待インフレ率)と呼んでいます。

これが『期待インフレ率とは何か?』」の答えです。

なので、
r=iーπ(インフレ率)
ではなく。
r=iー$π^{e} $(期待インフレ率)

ということです。

インフレ率πを期待インフレ率$π^{e} $に変えることができます。
その上で、上記数式を変形してみましょう。

r=iー$π^{e} $(期待インフレ率)
を変形して
i=r+$π^{e} $(期待インフレ率)

i=r+$π^{e} $(期待インフレ率)
をフィッシャー方程式といいます。

フィッシャー方程式

i=r+$π^{e} $(期待インフレ率)

です。

フィッシャーが考えたからフィッシャー方程式と呼びます。

別の記事でフィッシャーの交換方程式について解説しましたが
それと同じフィッシャーさんです。

フィッシャーさんはi=r+$π^{e} $(期待インフレ率)という式を使って
名目利子率と実質利子率と、そこに影響を与える期待インフレ率との関係を
示しました。

これがフィッシャー方程式です。

つまり、名目利子率の動き(金利の動きのこと)というのは
この期待インフレ率(あなたが今後インフレがどうなるか?という見込み)によって
大きな影響を受けるのだということをフィッシャー方程式は説明することになります。

フィッシャー方程式はシンプルな式です。
だから覚えやすいと思いますので、ぜひ理解して使っていってくださいね。

以上で解説を終わります。