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1次試験

財市場の均衡条件




参考文献・URL
マンキュー経済学ミクロ編・マクロ編

分厚いマンキュー経済学を読み解くのがめんどくさい人は、こちらをおすすめします。
スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(ミクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(マクロ編) [ ティモシー・テイラー ]

今回は財市場の均衡条件について解説していきます。

あとで詳しく解説しますが、

財市場が均衡している状態というのは

総供給(YS)=総需要(YD)

の状態です。

財市場は生産物市場とか財やサービスとか
いろんな言い方をします。

ただ、理解しておかないといけないのは
財市場の話は国全体で考える話なんだということです。

なので、Aさんが購入した紙コップとか
コーヒーだけに限った話ではありません。

国全体での話です。

国全体で考えた総供給というのは
生産の話で、コーヒー屋さんがコーヒーをお客さんに提供したり
YAMAHAがギターを製造してお客さんに販売するみたいなことが
全部含まれています。

総需要はコーヒー屋さんでコーヒーを飲んで、お金を支払ったり
ギターを購入したりといった支出のことです。

で、総需要と総供給がイコールになった状態が
財市場が均衡する状態
です。

たとえば500兆円にものを生産(総供給)し、
500兆円お客さんがお金を支払っている(総需要)という状況が
財市場が均衡している情痴になります。

財市場が均衡している状態をグラフで表すとどうなるでしょう?

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財市場の均衡条件をグラフを使って解説

こちらのグラフはサミュエルソンが考えました。
一般に45度線といいます。

財市場の均衡条件

45度線については以前の記事で詳しく解説しています。
45度線とは?わかりやすく解説

上のグラフはサミュエルソンが考えた45度線分析です。
どうして45度線と言われるのでしょう?

総供給Ysというのはホンダが車を生産したりといった
国民全体の生産のことです。

供給したら売上になってみんなの所得になるということで
Ys(総供給)=Y(国民所得)
となります。

財市場の均衡条件

だから、オレンジ色の総供給(Ys)のグラフは原点を通って
傾きが1の直線になるわけです。

YS(総供給)=Y(国民所得)
ですからね。
中学校の一次関数でいうと、y=x
というグラフと同じことです。

で、角度でいうと45°になるので
45度線分析といったりします。

45°になる理由は直角(90°)を半分に分けるからです。

三面等価の原則

Ysの線は三面等価の原則でいったら、
生産したら売上になり、みんなの所得として分配されるという、
生産と分配から成り立っている線です。

これに対して、YD(総需要)はアプローチの方向を変えます。
総需要=支出というのは前提知識になります。

財市場の均衡条件

支出というのは財やサービスに対して支出をするという意味です。
で、YD=C+Iとして考えていくことにします。
詳しくはこちらの記事で詳しく解説しました。
総需要(YD)のグラフ

ケインズ型消費関数

大事なのはYD=C+IのCのところにケインズ型の消費関数を代入し
YD=cY+C0+I
という式に変形するんでしたね。
総需要(YD)のグラフ

で、

財市場の均衡条件

YDというのは傾きが限界消費性向でしたね。
限界消費性向と言うのは奥さんから1万円お小遣いをもらったら、
そのうち、たとえば7000円の飲み代に使ったみたいな話です。

この場合、限界消費性向は7000円÷1万円=0.7
となります。

YDに関係する限界消費性向(傾き)は0から1の間の数字をとります。
Ysはの傾きは1以外の数字にはなりません。固定です。

ということはサミュエルソンはYsは傾きが1で固定されていて
YDは傾きが0から1の間だと
絶対グラフがぶつかるはずだと考えました。

ぶつかったところを点Eとし、
この点Eの横軸の数字YEが国民みんなの所得だと
サミュエルソンは考えたんです。

つまり、Ys(総供給)=YD(総需要)のところで
みんなの所得が決まる
ってことです。

そしてYsとYDがぶつかっているところ点Eが
財市場が均衡すると表現します。

Ys=YDが財市場が均衡するというわけですね。

総供給Ysとして生産したら、売上になり
みんなの所得(国民所得Y)となります。

国民所得Yは一度、個人消費Cと貯蓄Sに分かれます。
もらったお給料は貯金するか使うか(消費するか)の2択だってことです。

つまり、Ys=Y=C+S
ということです。

次に総需要YDは支出ですね。
YD=C(個人消費)+I(民間投資)と考えます。

ここで財市場が均衡する場合というのは
Ys=YDと考えるのですから、

Ys=Y=C+Sで
YD=C+I
なので、

結局Ys=C+SのCとYD=C+IのCは同じなので、
Ys=YDなら、
Ysにある貯蓄SとYDにある民間投資Iがイコールにならないといけないってことです。

これが財市場が均衡するって状況です。
企業が生産したら(YS)、お客さんがみんな商品を買ってくれる(YD)という状況です。

これは結局、S(貯蓄)=I(民間投資)
という状況が必要
だということになります。

財市場が均衡する条件

財市場が均衡するということは
S=Iという条件が必要
だということです。

逆にS=Iでないと財市場が均衡しないということです。