参考文献・URL
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⇒スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(ミクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
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無差別曲線は右上に行くほど
効用が高くなりますね。
⇒無差別曲線5つの性質とは?
効用とは満足度のことです。
上記グラフだと左下にある黄緑色の無差別曲線よりも
右上にある紫色やオレンジ色の無差別曲線の方が効用が高いです。
ただ、この情報だけだと
もっとも無限に右上に行くほど、効用が高くなることはわかります。
でも、お金って有限です。
いくら効用が高くなるからといって
自分の予算以上の商品を購入することはできません。
そこで予算制約線の登場です。
予算制約線は予算で買える範囲を表す線です。
さらに予算制約線と無差別曲線をぶつけて
予算の範囲の中でもっとも効用が高いのがどこか表すのが
最適消費点です。
この記事では予算制約線が直線になる理由について解説します。
が、まず先に予算制約線の基本的な解説をしていきます。
予算制約線とは?
予算制約線とは予算(M)を使って最大限購入できるX財の消費量と
Y財の消費量の組み合わせの集合のことです。
最大限購入できるということは
予算(持ち金)を使い切るということですね。
予算制約線の定義より、財はXとYの2つしかないという前提があります。
これがこの記事のメインテーマである
予算制約線が直線であることの理由の一つになります。
そこで以下の式が成立します。
予算制約線の式
M=Pxx+Pyy
M:予算
Px:財Xの価格
x:財Xの消費量
Py:財Yの価格
y:財Yの消費量
です。
なので、Pxxは財Xへの支出額、
PyYは財Yへの支出額になります。
また、Pxx+Pyyは総支出額になります。
この総支出額が予算Mとイコールの関係にあります。
つまり、この式はちょうど予算を使い切るような
財X、財Yの消費量がわかります。
予算制約線が直線になる理由
予算制約線の式は
M=Pxx+Pyy
でしたね。
ところで、PxとかPyといった価格は定数です。
定数というのは数字が変化しないという意味です。
当然ですね。
たとえばチョコレートが財Xで価格が500円だったとしたら
チョコレートの値段は物価の変動がなければずっと500円です。
これに対してxとかyという消費量は変動します。
またMも定数します。
そこでPxやPyといった定数には具体的な価格を入れて
グラフを作っていきましょう。
たとえばMは20000円、Pxは1000円、Pyは2000円としましょう。
すると式は
20000=1000x+2000y
となりますね。
たとえば財Xが0個なら財Yは10個買えますね。
10個×2000円=20000円(予算の20000円と同額)
ですからね。
では財Xが2個なら財Yは9個買えますね。
2個×1000円+9個×2000円=20000円ですから。
財Xが4個なら財Yは8個買えます。
財Xが6個なら財Yは7個。
財Xが8個なら財Yは6個
とずっと続けていくと
財Xが20個で財Yは0個となりますね。
そうすると、以上の情報をもとに予算制約線を作ると
直線になります。
なぜ直線になるのでしょう?
上記グラフは
20000=1000x+2000y
という式でできていましたね。
そもそも予算制約線の定義は
予算(M)を使って最大限購入できるX財の消費量と
Y財の消費量の組み合わせの集合のことでした。
X財とY財の2種類しかないので
確実に20000=1000x+2000yみたいな式になります。
この式を変形すると
2000y=-1000x+20000
y=-1/2X+10
となり、これって中学生で習う1次関数の式ですね。
1次関数は直線になります。
以上の理由から予算制約線は確実に直線になります。
予算制約線の特徴(入手可能領域)
ところで予算制約線は、ちょうど予算を使い切るような
横軸xの消費量、縦軸yの消費量の組み合わせとなっています。
たとえば点P,点Q,点R,点Sは予算制約線上にあるので
予算を使い切っています。
ですが、予算制約線より左側にある黄色い領域(たとえば点T)は
予算を使い切っていないので、お金が残っている状態です。
では予算制約線より右側にある点はどうでしょう?
予算制約線より右側にある黄緑色の領域(点Uや点V)は
予算オーバーの状態です。
なので、お金が足りない状態です。
ということはこの予算の価格で
この人が買える範囲というのは予算制約線上の点と
黄色い領域の範囲内なので、三角形POQとなります。
この三角形POQの領域のことを入手可能領域といいます。
以上で解説を終わります。