参考文献・URL
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⇒スタンフォード大学で一番人気の経済学入門(ミクロ編) [ ティモシー・テイラー ]
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前回、スルツキー方程式について解説しました。
スルツキー方程式は価格が変化した場合に
どのように変化するのか?見ていく考え方です。
価格の変化に対して2つの要素に分けて考えるでしたね。
2つの要素とは
・所得効果
・代替効果
です。
詳しくはこちらをご覧ください。
⇒代替効果と所得効果をわかりやすく解説
⇒【わかりやすく解説】スルツキー方程式とは?
今回はまず所得効果と代替効果について例を挙げて解説します。
次にグラフを使って説明していきたいと思います。
代替効果と所得効果具体例
毎朝、マックスバリューでコーヒーを買い
昼は必ず紅茶を買う陳さんという人がいたとします。
通常価格としてはコーヒーは1杯180円で
紅茶は1杯200円です。
ただ、マックスバリューなどのスーパーって
月に何回かは割引セールをやってますね。
で、「今日だけ紅茶が1杯80円」だったとします。
もしかしたら、「私は絶対朝はコーヒーなので
紅茶がいくら安くても買わないよ」と言う方もいるかもしれません。
ですが、たまにしか安くならないわけですから、
朝のコーヒーをやめて紅茶を買う方の方が
多いのではないでしょうか。
つまり、この日は朝、コーヒーではなく紅茶を買いました。
もちろん、昼も紅茶です。
で、この日は朝コーヒー180円を80円の紅茶にしたので
100円お金が普段より残っています。
なので、「こんなチャンスたまにしかないわけだから」
と自分に言い聞かせて、夜も80円の紅茶を買ってしまいました。
以上の例で所得効果と代替効果について考えていきましょう。
まず割引セールによって値段が下がった結果、
朝、コーヒーの代わりに紅茶を買ったわけですから、代替効果となります。
昼はいつも通りの紅茶なので、
所得効果でも代替効果でもありません。
次に夜ですが。
普段ならコーヒー180円と紅茶200円で
毎日380円使っているんですが、割引セールによって
この日は朝も昼も80円の紅茶なので160円しか使っていません。
なので380円ー160円=220円お金が浮いています。
だから夜、紅茶が買えました。
これって実質的に所得が増えているのと同じことですね。
なのでこれを所得効果といいます。
この例でいうと、普段は紅茶を1日1杯しか買いませんが
代替効果によって朝1杯、所得効果によって夜1杯買って
合計、この日は紅茶を3杯買うことができました。
あと、所得効果と代替効果を足した効果のことを全効果といいます。
今回の例では所得効果1杯と代替効果1杯で合計2杯の全効果が紅茶にありました。
では次にグラフを使って所得効果と代替効果について解説していきたいと思います。
グラフを使って代替効果と所得効果について解説
予算が3000円あって、ケーキ1個300円
まんじゅう1個150円だったときの予算制約線が
ピンクの文字で『元の予算制約線』と書いてあるやつです。
予算制約線について詳しく知りたい方は
こちらをご覧ください。
⇒予算制約線とは?書き方についても解説
ここからまんじゅうが1個100円と安くなりました。
すると予算制約線は右に開いたような形にシフトします。
ここからが重要です。
スルツキー方程式の考え方を利用してみていきましょう。
⇒【わかりやすく解説】スルツキー方程式とは?
まず、新しい予算制約線と平行になるように
元々の予算制約線に接するように接線を引きましょう。
元の予算制約線にですよ。
しかも新しい予算制約線と平行ですからね。
すると、こうなりますね。
次にさっき引いた紫色の接線と
元の無差別曲線の接線を探しましょう。
黄緑色のCのところになりますね。
で、BからCへの移動が代替効果といいます。
それからCからAへの移動を所得効果といいます。
また、代替効果が先で所得効果が後です。
どうしてこうなるのでしょう?
まず
最初に引いた紫色の平行線ですね。
これは予算が変わらないままで
まんじゅうが1個100円になった予算制約線と平行ということは
このまんじゅうが1個100円の予算制約線と傾きが同じってことですね。
この傾きというのはx軸に1進んだらy軸にいくら進むか?
ということです。
まんじゅう1個100円の予算制約線の傾きは
まんじゅう1個買ったら、どれだけケーキを買う個数が減るか?
を表しています。
これでも「ちょっとわからない・・・」と言う方は
予算制約線の記事で傾きについても詳しく解説しているので
ご覧ください。
⇒予算制約線とは?書き方についても解説
とにかくまんじゅうが1個100円になったときの予算制約線の傾きを元のまんじゅうが1個150円の時の予算制約線のところに持ってくると、予算はそのままで価格の変化だけを見ることができるわけですね。
だから、BCのところが代替効果ってことになります。
それから予算制約線が平行移動するのは
予算が変化した場合になります。
たとえば予算4000円が予算8000円になったら
上のグラフみたいに右側にシフトします。
逆に予算が減ったら上の予算制約線のように
左側にシフトします。
だから、
元の予算制約線から結果的に予算が増えたことになる
まんじゅうが1個100円になった予算制約線までの
CAが所得効果になるわけですね。
所得効果は予算の変化によって起こる効果のことですからね。
⇒所得効果とは?例とグラフを使ってわかりやすく解説
ちなみにまんじゅうが1個100円になったときに
所得効果がプラスに増えているわけですね。
こういう財を上級財っていうんでしたね。
⇒所得効果から下級財と上級財の関係性について解説
続いてギッフェン財について解説します。
⇒ギッフェン財と下級財の関係