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前回の記事では全部効果について解説しました。
⇒全部効果とは?わかりやすく解説
でしたね。
今回は代替効果と所得効果について
わかりやすく解説していきたいと思います。
代替効果と所得効果とは?わかりやすく解説
代替効果とは価格比が変化したことで
ある人の消費にどんな影響を与えるか?という効果のことです。
たとえば、ドーナッツの価格が普段は1個200円でしたが
今日は1個100円になってたとしましょう。
ただ、同じお店のメロンパンの価格(1個300円)は変化していませんでした。
代替効果ではいつもと値段の比率が違うと考えます。
いつもだったらドーナッツが1個200円、メロンパンは300円ですが
今日はドーナッツが1個100円になっています。
メロンパンは300円のままです。
こんな感じで値段の比率がいつもと違う、
だからそれでその人の消費に影響が出ます。
これに対して所得効果とは所得が変化したことで
その人の消費に影響を与えるという効果のことです。
ただ前回、全部効果で解説したように
所得効果や代替効果では価格が変化するけど
所得(予算)は変化しないと解説しました。
⇒全部効果とは?わかりやすく解説
「所得は変わってないのに、所得効果?」
どういうことでしょう?
実はドーナッツの価格が安くなるということは
お給料や手持ち資金(所得)は変化していませんが
実質的な意味で消費が増えると考えます。
これを実質所得といいます。
実質所得ってどういう意味でしょう?
たとえば、あなたはフリーターだったとします。
月の収入は8万円です。
で、柏餅が1個80円で売られていたとしましょう。
とするとあなたの収入だと柏餅を1000個買えますね。
で、月の収入が8万円は変わっていませんが
デフレが起きて柏餅1個の値段が40円と半額になったとしましょう。
すると、柏餅を2000個買うことができますね。
ということで同じ8万円という所得でも
柏餅は1000個じゃなくて2000個買うことができます。
このようにこの8万円(名目上の所得)を物価で割って
数量で計算するというのが実質所得といわれるものです。
これって名目GDPと実質GDPの関係と似ていますね。
もちろん単位は違ってきますけど。
⇒名目GDPと実質GDPの求め方
名目GDPが名目上の所得で実質GDPが実質所得と同じような意味合いですね。
実質所得というのは何個とか何杯といった単位になります。
つまり、8万円というお給料で
柏餅を1000個とか2000個というのが実質所得です。
こんな感じで柏餅に置き換えて考えれば
8万円というのは1000個とか2000個とかに相当します。
柏餅が1000個から2000個に増えたということは
実質的に所得が増えたことになるんです。
名目上の所得は8万円のままですが
物価が下がったことでたくさん柏餅を買うことができるので
実質的な意味で所得が増えたと考えます。
これを前提に、
お給料や手持ちのお金は変わっていないけど
柏餅とかドーナツの価格が安くなった。
結果、実質所得が増えたことで、
この人の消費に影響を与えると考えるのが所得効果です。
代替効果と所得効果についてまとめ
たとえばドーナッツとメロンパンが売られているけど
ドーナツだけいつもより安かったとしましょう。
まず代替効果から。
いつもと値段の比率(ドーナツとメロンパンの)が違うことが
その人に影響が出るわけです。
別の言い方をするとメロンパンと比べてドーナツの値段が安いという印象です。
これが値段の比率が違うってことです。
となると、「今日はドーナツを買おう」と考えるはずです。
これは個人差がありません。
ドーナツの値段は安くなり、メロンパンの値段がそのままだと
ドーナツがメロンパンと比べて相対的に安く感じます。
これは受け止め方の問題です。
ドーナツが安くなるとメロンパンが高いと感じてしまうので
人間の心理です。
経済学ではみんな同じ心理だと考えます。
だから、代替効果は全てのパターンで同じ動きになります。
代替効果の動き方としては
ドーナツの消費量が増え、
メロンパンの消費量は減ることになります。
次に所得効果。
わかりやすくいうと、値段を見ないで
どちらが好きか嫌いかで考えるのが所得効果です。
値段は気にしません。
値段がどっちが高くなったとかどっちが安くなったとかの物差しは無視して
好きか嫌いかの物差しだけで判断します。
これは個人差があります。
所得効果はドーナツの価格が安くなって
実質的に今日は予算が増えたとこの人は認識します。
このことで2つの商品の消費が変わってきます。
これは個人差が出ます。
好き嫌いが関係するってことです。
個人差というのは上級財か下級財かの区別が必要になってくるってことです。
⇒上級財と下級財の違いを例を挙げてわかりやすく解説
代替効果では上級財も下級財も関係ありません。
単に値段を比べているだけだからです。
所得効果では上級財、下級財の区別が必要になります。
上級財は所得が増えれば消費も増える、所得が減れば消費も減る財です。
たとえば、ドーナツもメロンパンも上級財という設定だとしましょう。
ドーナツの価格も安くなり実質的な所得が増えたなら
ドーナツもメロンパンも上級財だから
両方とも消費が増えるという効果が出てきます。
こう考えるのが所得効果です。
でも、代替効果なら上級財も下級財も関係ありません。
続いて代替効果と所得効果をグラフを使って説明してみたいと思います。
⇒所得効果と代替効果を図(グラフ)を使ってわかりやすく解説