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1次試験

活動基準原価計算の特徴




ここまで原価計算として
総合原価計算、個別原価計算、標準原価計算など
いろいろな原価計算について解説してきました。
標準原価計算と実際原価計算の違いをわかりやすく解説
総合原価計算とは?個別原価計算の違いについても解説

今回の記事では活動基準原価計算(ABC会計ともいいます)の特徴を
わかりやすく解説していきたいと思います。

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活動基準原価計算(ABC会計)の特徴は?

活動基準原価計算の特徴

活動基準原価計算の特徴は間接費を
合理的に配賦する
点にあります。

そもそも直接費と間接費ってなんでしたっけ?
よくわからないという方はこちらの記事をご覧ください。
こちらの記事で解説している製造直接費と製造間接費の話と
直接費と間接費は同じことです。
製造原価の内訳

で、ですね、活動基準原価計算以外の原価計算、
たとえば個別原価計算などは直接費の配賦に重点が置かれていました。

ですが、最近の製造業の場合
間接費の金額が増加してきています。

なので、増加した間接費の合理的な配賦方法をどうするか?
色々考えられているんです。

具体的な定義などはこちらの記事を見て欲しいのですが
製造原価の内訳

ここでは簡単に直接費と間接費の違いを説明しておきますね。

たとえば、トヨタという車の会社がありますね。
車を作るのに、どれだけ材料がかかったか?
と計算するのはそんなに難しいことではありません。

これが直接材料費(直接費の一種)でしたね。

というのは1台の車を製造するのに
どれだけ材料がかかったか?
直接的に確認できるからです。

ところが間接費ですが。
トヨタの人件費は間接費に該当しますが、
本社のスタッフ採用に当たっている人事部の人件費が
1台の車が出来上がるコストにどれくらいのつながりがあるか
わかりにくいですね。

ここまでいいですか?

車の材料費(直接費)は明確につながりますが
特に本社の人件費など(間接費)は車を作る時のコストと
どうつながるのか、よくわかりません。

本社の人事部の人件費など(間接費)を車のコストに入れる時に
どういう基準で入れるのか?
決めた基準のことを配賦基準
といいます。

こういった間接費を合理的に配賦する手法を活動基準原価計算といいます。

人件費以外にも工場でかかる電気代、ガス代、水道代なんかも
間接費です。

たとえば、トヨタの工場の中で電気代やガス代がかかりますね。
この電気代やガス代と出来上がった車の製造コストとの因果関係は
よくわかりません。

材料費なら1台の車を作るのに
どれだけの材料費がかかるのか?わかります。

でもトヨタの工場内でかかった電気代(間接費)と
1台の車の製造費にどう関係するか?よくわからないんです。

だからどうやって車を作るときのコストを計算するときに
電気代も入れないといけません。
他にもガス代や水道代なんかも入れないといけません。

どうやって電気代や水道代を車の製造原価の中に入れるのか?
基準を決めないといけません。
この基準がABC会計とか活動基準原価計算
といいます。

たとえば電気代が100万円かかったとしましょう。
で、車が10台完成しました。

この100万円の電気代を車の製造コストに入れたらよいのでしょう?
どういう基準で入れるか?が活動基準原価計算です。

たとえば1つの基準として1台の車が完成するまでの時間で決めるとしましょう。
であるなら、同じ車ばかりの話なので、
100台車を作るのにかかった時間が100時間だったら
1台の車を作るのに1時間かかることになるでしょう。

みんな同じ時間かかると仮定しています。

となると、1台の車を作るのにかかる電気代は100万円÷100台=1万円。
1台の車を作るのにかかる電気代は1万円と計算できました。

こんな感じで100万円という電気代を製造コストに
入れていくわけですが、どういう風にして
製造コストに入れていくか?という基準を決めないといけません。

作業時間なら作業時間を基準にして製造コストの中に入れていく。
これが活動基準原価計算(ABC会計)の特徴です。