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1次試験

製造原価の内訳




原価というと中身は3つありましたね。

原価としては

・販売費
・製造原価
・一般管理費

があると以前の記事で解説しました。
原価計算で扱う原価の分類

上記3つの中でも
工業簿記を勉強していくうえでは
やはり製造原価の計算が大切です。

この記事では製造原価の内訳をみていきましょう。

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製造原価の内訳の前に

工業簿記では何か製品を作る時に
以下の3つに分けて考えることが多いです。

3つとは

・もの
・人
・その他

のことです。

これら3つが製造原価を計算するために必要な要素になります。

製造原価

たとえば、船を作る場合を考えてみましょう。
船を作るなら、木材、鉄板、プラスティック類、ガラス類などが必要になるでしょう。
こういったものは『もの』になりますね。

それからこれらを組み立てるのは『人』です。
あと、設備も必要ですね。

ということは電気代がかかったり、減価償却費がかかったりしますから
こういった生産のための設備を買うということで
『その他』というのはある意味、
『お金』という言い方もできる方もできるかもしれません。

ともかく『人』『もの』『その他』の3つの要素がそろわないと
製品が作れないのは間違いありません。
仕掛品と製品の違いをわかりやすく解説

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製造原価の内訳

製造原価の内訳として

・材料費
・労務費
・経費

分けていきます。

製品の製造に『もの』を使いますが
『もの』の金額のことを材料費とよんでいます。
堅苦しい言い方をすると、製品の製造のために製造された『もの』の原価のことを
材料費
といいます。

たとえばワイシャツを作るのに、生地や糸を使いますが
生地や糸を材料費といいます。

次に『人』はどうでしょう?
『人』は労務費という製造原価になります。

製品を作るためにかかった『人』の金額のことを
労務費といいます。

たとえば、家の新築を作る現場で職人さんに働いてもらうとしましょう。
この職人さんに支払う給料が労務費です。

それから『その他』ですが
経費といわれる製造原価になります。

経費とは『もの』『人』以外で
製品を作るためにかかった金額のこと
をいいます。

もしあなたが会社勤めをしていたり会社の経営者だったりした場合
『経費』という言葉を聞くと、給料なども経費ということもあるでしょう。

でも中小企業診断士試験の財務会計であったり
工業簿記の場合には、労務費と経費という形で
それぞれ別に扱います。

あともう1つ大事なのが経費とは『もの』『人』以外
といいましたね。

これって法律、特に憲法を勉強している方だと
わかりやすいかもしれないので言いますが、
立法、司法、行政とあったときに
経費を行政に置き換えてみるとわかりやすいです。

行政の役割は立法と司法以外の役割のことだと考えるのが
通説です。

経費も同じような感じで
『人』『もの』以外の費用が経費だと考えます。

製造原価があって、
その中で『もの』を消費したら材料費
それから『人、お給料』を消費したら労務費、
それ以外の物は全部経費ってことになるんです。

だから経費を『その他』で区別したんです。

『その他』が経費となるくらいですら、
経費の内容は雑多です。

たとえば経費には

・電気代
・水道代
・減価償却費
・火災保険料(生命保険料は経費に該当しません)

などが当てはまります。

こんな感じで内容がかなり雑多なので
材料費、労務費以外を経費という
んですね。

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製造原価の内訳復習

工業簿記の勉強をしていて迷子にならないために
最後にまとめておきますね。

総原価の中に

・製造原価
・販売費
・一般管理費

があります。

そのうち製造原価には

・材料費
・労務費
・経費

の3つがあります。

この3つ(材料費、労務費、経費)が製造原価の内訳になるんですね。

で、『もの』にかかった費用が材料費、『人』にかかった費用が労務費で
『その他』は全部ひっくるめて経費になります。

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製造原価の内訳|別の分け方

先ほど

製造原価の内訳は

・材料費
・労務費
・経費

の3つだと解説しました。

が、ほかの分け方もできるんです。

製造原価を

・製造直接費
・製造間接費

と分けることもできます。

製造直接費

製造直接費とはどの製品にいくらかかったのかが
明らかにわかる原価のことをいいます。

『明らか』がポイントです。

製造原価

たとえば、製品として家具があったとしましょう。
この場合、木材が製造直接費となります。

たとえば、友達2人でファミレスに食事に行ったとしましょう。
1人はハンバーグステーキセットを食べ、
もう1人は豚骨ラーメンを食べました。

その後、コーラを注文したところ
1本の瓶だったので、一緒に飲みました。

コーラを飲んでいる最中、異性の話になりました。
そこでお互い好きな異性が同じだったのです。

どっちが告白するかでケンカになり、
その場で別れました。

この場合、1人はハンバーグステーキセットの料金を支払いますね。
この料金は製造直接費と考えましょう。

もう1人は豚骨ラーメンの料金を支払いますが
これも製造直接費です。

では製造間接費は?
となると、コーラが該当します。

コーラは1本の瓶を分けて飲んだわけです。
仮にコーラが1本200円だったとして、
「自分は50円分だ」とか言えません。

具体的に何mL飲んだとか証拠がないからです。
ファミレスからコーラ1本として請求されるので
1人何円と言い切れないでしょう。

そもそもお互いケンカしているので
できるだけコーラの料金を支払いたくないでしょうから
「自分が全額払うよ」ともなりにくいです。

これが製造間接費のイメージです。

とにかく製造直接費はどの製品にいくらかかったかが
明らかな』原価のことで、
この例では豚骨ラーメンやハンバーグステーキセットが該当します。

製造間接費

先ほどの例ではコーラが製造間接費に該当します。
製造間接費はどの製品にいくらかかったかが
明らかでない』原価のことをいいます。

たとえば、家具でいうと
木材は製造直接費にあたりますが
工場の減価償却費や電気代、ガス代、水道代などが製造間接費になります。

電気代やガス代は特定の製品に対していくらかかっているというのが
はっきりしませんね。

ということで製造原価を製造直接費、製造間接費に分けてみましょう。

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製造原価を製造直接費、製造間接費に分けてみる

製造原価を製造直接費、製造間接費に分けていきたいのですが、

材料費の中に

・直接材料費
・間接材料費

があります。

たとえば、家具を作るとしましょう。
材木は直接材料費になります。

で、材木をくっつけたり補修するための
木工用ボンドは間接材料費になります。

木工用ボンドは同じ製品に対してでも
どの製品にどれだけの量、使ったかが明らかではないので
間接材料費になります。

それから

労務費の中に

・直接労務費
・間接労務費

がありますし

経費の中に

・直接経費
・間接経費

があります。

こんな感じで製造直接費と製造間接費に分けますが
それぞれ材料費、労務費、経費の中にも
直接費になるものもあれば、間接費になるものもあると
知っておいてくださいね。

最後にまとめの表を作成しました。
この表を覚えておきましょう。

製造原価の内訳まとめ

以上で製造原価の内訳に関する解説を終わります。