1次試験

個別原価計算だと製造間接費の配賦を行う理由




以前の記事で
材料費、労務費、経費は
直接費と間接費に分けると解説しました。
製造原価の内訳

つまり、材料費は直接材料費と間接材料費に分けられ
労務費は直接労務費と間接労務費に分けられ、
経費は直接経費と間接経費に分けられます。

そして直接材料費、直接労務費。直接経費は
各製品の仕掛品勘定へと流れていくんでしたね。
原価計算のやり方【初心者向け】

直接材料費、直接労務費、直接経費といった直接費は
どの製品に使われたか、明確にわかるので、
最初から各製品の仕掛品勘定へと流れていくんです。

これに対して間接材料費、間接労務費、間接経費といった間接費は
個別原価計算の場合には各製品の原価に組み入れるのではなくて、一度、
全体的な製造間接費勘定に集合します。

このことを『個別原価計算は製造間接費に配賦(配ること)する』といいます。
どうしてでしょう?

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なぜ個別原価計算だと製造間接費の配賦を行うのか?

製造間接費の配賦(配ること)を行う理由というのは
受注生産(個別原価計算)だからです。

ボーイング社は
JALからもシンガポール航空からも
飛行機の製造の依頼が来ます。

同じ型式の飛行機でも
JALだと座席数が仮に400席だったとしても
シンガポール航空だと座席数が450席みたいに
違うんです。

となると同じ型式の飛行機をボーイング社が製造しても
それぞれの飛行機で製造原価が違ってきます。

ところで製造間接費は共通費という位置づけです。
製造間接費という原価を各製品(JAL用の飛行機とシンガポール航空の飛行機)に
配ってやらないと(配布するということ)、JALの飛行機の原価とシンガポール航空の飛行機の原価を
計算できないんです。

ということで、個別原価計算(受注生産)では製造間接費の配賦というのは
非常に大事です。

たとえば、2人でガストに行ったとしましょう。
ガストでオレンジジュースを1杯注文しました。

この1杯のオレンジジュースを2人でチビチビ飲みました。
具体的にどちらがどれだけ飲んだかは把握できていません。

このオレンジジュースの代金が500円だったとしましょう。
で、2人に共通にかかっている費用が製造間接費ですが
どうやってそれぞれ負担したほうがよいのでしょう?

そう簡単にわかるものではありません。

そこで製造間接費は各製品にとっての共通費になるので
いったんまとめておいて、
各製品(オレンジジュースとかリンゴジュースとか)に
配賦していくんです。

ちょっとわかりにくかったかもしれませんが
直接費にように具体的にどの製品にどれだけ使ったものか
把握できないのが間接費です。

直接費なら具体的にどの製品に使ったかわかるので
直接、各製品の仕掛品勘定にもっていくことができます。

でも間接費は、どの製品にどれだけ使ったか
はっきりとはわかりません。

この辺の話がよくわからないという方は
こちらをご覧ください。
製造原価の内訳

そこで一度間接費に関しては、
製造間接費にまとめておくという処理をしています。
で、把握できた段階で製造間接費から仕掛品勘定に
移動する処理を行います。