1次試験

原価計算のやり方【初心者向け】




この記事では工業簿記や中小企業診断士試験の財務会計を勉強し始めた方に向けて
原価計算のやり方を解説したいと思います。

大まかな流れで解説しますので
原価計算の全体像が見えてくると思います。

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原価計算のやり方1.材料費、労務費、経費を計算する

まず最初に、毎月の中で材料費、労務費、経費の計算をします。
材料費、労務費、経費についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
製造原価の内訳

以下の図は勘定連絡図です。

勘定連絡図

勘定連絡図とは材料費、労務費、経費が
どんな形で製品になっていくか?という過程を
勘定で表現したものをいいます。

勘定連絡図で見ていただきたいのは
材料費の中に直接材料費、間接材料費があり
労務費の中に直接労務費、間接労務費があり、
経費の中に直接経費、間接経費があるというところです。

ということは材料費、労務費、経費の計算をしたときに
一緒に直接費、間接費に分けておく必要があるってことです。

なぜ分けておく必要があるか?というと、
直接材料費、直接労務費、直接経費は全部、
仕掛品という勘定に振り替えていきます。
仕掛品と製品の違いをわかりやすく解説

それから間接材料費、間接労務費、間接経費は
製造間接費という勘定に振り替えていくんです。

ここで、仕掛品という勘定も製造間接費という勘定も借方に金額を書いたときには増加、
貸方に金額を書いたときには減少を意味します。

こんな感じで原価計算をするときのステップ1は
材料費、労務費、経費を計算し、
仕掛品、製造間接費に振り替えていきます。

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原価計算のやり方2.製造間接費

ステップ1で材料費、労務費、経費を計算し、
仕掛品、製造間接費に振り替えたら、今度は
製造間接費を書く製品に配賦していきます。

こう抽象的に言われても理解しにくいと思います。
なので、具体例を挙げて解説していきたいと思います。

製品Xと製品Yを製造するために、製造間接費が2000円かかりました。
製品Xの作業時間は7時間、製品Yの作業時間は3時間だったとします。
これを前提に製造間接費を各製品に配賦してみましょう。

上記例の情報から各作業時間を基準にしていくことがわかります。
製造間接費って共通費なんです。

製造間接費

1本のコーラを例にしてみます。
2人で1本のコーラを分けて飲んだとしましょう。

共通費

1人ずつ、メスシリンダーなんかを使って
正確に計測してコーラを飲まない限り、
どちらがどれだけ飲んだかわかりません。

この感じが製造間接費です。

製造間接費についてはこちらで詳しく解説しています。
製造原価の内訳

例に戻りますと
製品Xの作業時間は7時間、製品Yの作業時間は3時間なので
これを基準にして2000円を配賦(配ること)してみましょう。

ちなみに配賦とは製造間接費を作業時間などの
あらかじめ決めた基準に基づいて各仕掛品に割り当てることをいいます。

製造原価の内訳まとめ

製造間接費には間接材料費、間接労務費、間接経費の3つがありましたが
この3つの間接費の合計が2000円なんですね。

これをどうやって製品Xに配ればよいのでしょう?
2000円というのは製品Xの作業時間である7時間と製品Yの作業時間である3時間の合計10時間に対して
かかったものだから、10時間のうち製品Xの作業時間7時間ということで、

配賦額

10時間のうち7時間分を製品Xに
配賦(配る)すればいいので上記計算式のように
配賦額は1400円となります。

製品Yも同様に

製品Yの配賦額

10時間のうち3時間分を製品Yに配賦(配る)すればいいので
製品Yの配賦額は600円となります。

で、次に製造間接費から配布した金額(製品Xが1400円、製品Yが600円)を
X製品、Y製品それぞれの仕掛品に向かって振り替えていきます。
仕掛品と製品の違いをわかりやすく解説

仕掛品に振り替える

こうすると、それぞれのX製品、Y製品の原価にクリアーにわかれて
それぞれの製品ごとの原価を計算することができるようになります。

製造直接費(直接材料費、直接労務費、直接経費)は
最初からどの製品に対していくらかかったかわかっています。
だからX製品、Y製品の原価を計算するときに困りません。

でも間接費は共通に発生しています。
だから製品Xにいくら、製品Yにいくらかかっているのか、
判断できません。

だから、作業時間などから
製造間接費を製品X、製品Yに振り替えていくんです。

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原価計算のやり方3.できあがた製品の原価を計算

最後に完成した製品の原価を計算していきます。
まさに原価計算の目的はここです。

ここでもイメージがつきやすいように
例を挙げて考えていきましょう。

製造間接費

たとえば当月に300個分の製造に取り掛かったところ
200個完成(製品)し、100個は未完成(仕掛品)でした。

で、300個分の製造に対して200万円分の
製造原価が当月かかったとしましょう。

このとき完成が200個、未完成が100個なので
完成品の原価は
200万円×200/(200+100)
=200万円×200/300
と計算します。

で、こうやって完成品の原価を計算するのですが
計算方法は2つあるんです。

完成品の原価を計算する方法に

・個別原価計算
・総合原価計算

の2つがあります。

個別原価計算と総合原価計算をイメージするために
世間一般の製造業について考えてみましょう。

製造業には受注生産する企業があります。
たとえば建設業が考えられます。

お客さんから「床はフローリングで床暖房で、壁の色は黄色で・・・」
みたいな感じで、個別具体的な指示を受けて製造する会社があります。
この場合、個別原価計算を使います。

それから大量生産する会社もありますね。
同じものをいっぱい作れば、より安い値段で材料を仕入れることができるし
作業も画一的にできるので、みんな慣れてきて無駄な時間がかからなくなります。

たとえば、レッツノートというパソコンを何万台も生産するなら
大量生産になります。

この場合総合原価計算を使います。

つまり受注生産の場合には個別原価計算で
大量生産の場合には総合原価計算を使うと
知っておいてください。

具体的な計算方法は今後、取り扱っていきたいと思います。

あと、完成した製品も
1か月の間に販売されるものもあれば
販売されないものもあります。

販売されるものの原価が売上原価勘定に振り替えられていきます。

以上で原価計算のやり方についての解説を
終わりたいと思います。