「仕掛品と製品って何が違うの?」と
工業簿記を勉強していて感じる方も多いでしょう。
この記事では仕掛品と製品の違いについて解説します。
製品と仕掛品の違いとは?
製品と仕掛品の違いですが、
まず読み方から確認していきましょう。
製品は『せいひん』です。
これは誰でも知っているでしょう。
それから仕掛品は『しかかりひん』です。
ちなみに関西地方では仕掛品を『しかけひん』と読みこともあります。
ただ、中小企業診断士試験は簿記検定であれば仕掛品を
『しかかりひん』と読んでおいた方がよいでしょう。
仕掛品を『しかかりひん』と読むのが一般的だからです。
ところで仕掛品のイメージがつきやすいように
解説するのですが、
よく子供が親に「~しかかっている途中なのにー」って
言い訳しているケースを耳にします。
この「~しかかっている途中なのに」の「~しかかっている」は
仕掛品の仕掛のことです。
で、「~しかかっている」という状態は未完成の状態のことです。
つまり、仕掛品とは未完成品のことです。
製品はイメージがつきやすいと思います。
製品とは完成品のことです。
つまり
仕掛品は未完成品で製品は完成品ということで違います。
前回の記事で工業簿記と商業簿記の違いを解説しました。
⇒工業簿記と商業簿記の違いをわかりやすく解説
工業簿記は仕入れた材料を加工して製品にして販売する時に使う簿記のことでしたね。
トヨタとかホンダといったメーカーが工業簿記を利用します。
仕掛品は工業簿記で使う用語です。
トヨタやホンダは鉄などの材料を仕入れてきます。
で、鉄を従業員や機械によって車に近い形に作り替えられていくわけです。
でもまだ未完成なので仕掛品です。
そして最後に車のエンジンが積まれたりシートをつけたりして
車が完成したら、ようやく製品となります。
ということで工業簿記では大きく見て
材料というステージから仕掛品というステージになり
最後に製品となって、お客さんのもとに旅立っていくということを
イメージしておきましょう。
そうすることで工業簿記のイメージがつきやすくなります。
実際、工業簿記では材料勘定、仕掛品勘定、製品勘定というのを作って
これで記録をしていく中心になるものです。
工業簿記で迷子にならないためにも
大枠として仕掛品と製品の違いを知っておいてくださいね。
商品と製品の違い
ここまで仕掛品と製品の違いについて解説してきました。
では製品と商品の違いをご存じですか?
商品という言葉は商品売買業で使われています。
商品売買業は商業簿記で使う言葉でしたね。
⇒工業簿記と商業簿記の違いをわかりやすく解説
たとえばきゅうりを農家から仕入れて
スーパーでそのままの形で販売されたとしましょう。
こういうときに『商品』という言葉を使います。
ではこんなケースはどうでしょう?
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キュウリを農家から仕入れたけど、
きゅうりのキューちゃんに形を変えて販売されたら・・・
完全にきゅうりの形ではなくなり
きゅうりのキューちゃんになった場合に製品という言い方をします。
つまり商品は商品売買業(イオンとかコンビニ)で使われる言葉で
製品はメーカー(トヨタなどの製造業)で使われる言葉です。
工業簿記では製造業の話が中心になるので
商品という言葉を使うのは間違いである可能性が高いです。
製品という言葉を使った方が安全でしょう。
工業簿記の試験や中小企業診断士試験で
直接問われる話ではありませんが
知っておいた損はないので
ここで理解しておいてくださいね。